不動産

絶対にチェック!建売住宅を購入するときに注意すべきポイント

Pocket
LINEで送る

建売住宅は土地と建物がセットになっていて、現物を内見できたり打ち合わせの手間がかからなかったりする魅力があります。価格も明示されているので、注文住宅に比べて予算オーバーすることが少ないでしょう。

 

しかし建売住宅の価格がわかりやすいとはいっても、住宅ローンの金利や各種税制、物件の価格上昇などによって想定外の出費がかさんでしまうことも。今回は建売住宅購入前に必ず確認したい、5つのポイントについて解説します。

 

ポイント1:建売住宅購入前に金利を確認する

まず建売住宅購入前に確認したいのが、住宅ローンの金利水準です。

金利によっては支払額が何百万円も変わってくることがあるので、必ず見ておきましょう。

金利2.0%の場合

たとえば、こちらのモデルケース(金利2.0%のとき)をご覧ください。

 

 例)2,500万円の建売住宅を金利2.0%・35年返済のローンで購入した場合… 

 建売住宅の購入価格:2,500万円

 総支払額:3,479万円

 利息分:979万円

 

この場合、35年間で支払う利息は約1,000万円にもなります!

せっかく物件価格は2,500万円まで抑えたのに、トータルでは約3,500万円も支払わなければなりません。

 

金利2.0%と聞くとそんなに大きく感じませんが、実際に計算してみるとかなり大きい金額になりますよね。

 

金利1.52%の場合

では今の金利はどのくらいかを見ていきましょう。

さきほど計算した「金利2%」に比べて、ずいぶん低い金利になっていますよね。

具体的な数字としては、2022年9月時点のフラット35の借入金利が次のようになっています。

フラット35は金融機関によって金利に幅があるのですが、最も多いのは金利1.520%(融資率が9割以下の場合)です。

 

この数字でさきほどと同じ建売住宅を購入した場合、どのくらいの利息を支払うことになるか計算しました。

 

 例)2,500万円の建売住宅を金利1.52%・35年返済のローンで購入した場合… 

 建売住宅の購入価格:2,500万円

 総支払額:3,226万円

 利息分:726万円

 

金利2.0%と1.52%を比較した表はこちら。

 

 

 金利2.0%

 金利1.52%

 建売住宅の購入価格 

 2,500万円

 総支払額

 3,479万円

 3,226万円

 利息分

 979万円

 726万円

(←より253万円少ない)

 月々の支払額

 8.3万円

 7.7万円

(←より6000円少ない)

 

金利がたった0.48%違うだけで、支払う金額が253万円も変わるのです!

 

月々のお支払いでいうと、6,000円も減ることに。毎月6,000円あればお子様の習い事を増やしたり、家族で外食ができたりするかもしれませんね。

 

ポイント2:住宅ローン控除を確認する

住宅ローン減税はこれまで「年末の住宅ローンのうち1%が所得税から控除される(10年間)」というものでした。

しかし2022年の税制改正大綱によりルールが少し変わったので、ここもチェックしておきましょう。

 

 

2021年まで

2022年〜2023年

控除率

年末ローン残高の1%

年末ローン残高の0.7%

控除期間

原則10年間

(13年間のことも)

原則13年間

(中古は10年間)

所得制限

3,000万円

2,000万円

借入限度額

認定住宅:5,000万円

そのほか:4,000万円

認定住宅:5,000万円

ZEH:4,500万円

省エネ基準:4,000万円

そのほか:3,000万円

 

控除率が下がったので改悪なのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれで損をするのは一部の高所得者のみです。

住宅ローン控除は、自分が支払った所得税や住民税の金額までしか戻ってこないので、1%も戻ってくる方は高所得者に限られるのです。

 

今回の改正で控除期間が13年間に伸びているので、むしろトータルで還付される金額が増える方もいらっしゃいます。

 

ちなみに2024〜2025年は借入限度額が引き下げられ、控除期間は10年に戻る予定です。2026年以降はもしかすると住宅ローン控除じたいがなくなってしまう可能性もあります。

 

せっかく建売住宅を購入されるなら、住宅ローン控除というお得な制度が残っているうちに購入されたほうがいいかもしれません。

 

ポイント3:不動産取得税を確認する

同じく期間限定でお得になってくるのが、不動産取得税です。

 

不動産取得税とは、土地や建物を購入したときに1度だけ支払う税金。今はこちらの不動産取得税を軽減する制度が実施されています。

 

通常の税率は4%ですが、家屋と土地に関しては3%が適用されます。

 家屋

 住宅

 非住宅

 3%

 4%

 土地

 3%

 

この特例の期限はたびたび延長されていますが、今のところ令和6年3月31日までとなっているためご注意ください。

 

ポイント4:固定資産税を確認する

固定資産税は住宅を購入すると、毎年支払うことになる税金です。新築から3年間は、固定資産税が1/2に減額される制度があります。

 

こちらも期限はたびたび延長されていますが、今のところ令和6年3月31日までです。

 

ポイント5:建売住宅の価格上昇を確認する

 

2022年現在、さまざまな物価上昇のニュースを目にします。

 

住宅についても新型コロナウイルスの影響で2020年前半はいったん価格が下がりましたが、その後はウッドショックや半導体不足などの影響で上昇傾向にあります。

日本の住宅には輸入建材が多く使われているので、今後も円安が進めばますます厳しい状況になりそうです。

 

今後も住宅価格はもう少し上昇すると考えられており、あまり上昇しないうちに家を買おうという方も少なくありません。

 

住宅会社は物価が上がった場合も、なるべく売り出し価格は据え置きにしたいもの。そのため価格は変えずに、これまで標準仕様だったものをオプションにする傾向にあります。

 

今後はオプションが増えていくと考えられるので、もし良い物件に出会ったら早めに抑えておいたほうがよいかもしれません。

 

まとめ

建売住宅なら注文住宅ほど予算感が大きく変わってきたり、原材料不足で納期が遅れたりする心配が少ないでしょう。また限られた予算で建売住宅を購入するなら、希望のエリアを少し広げてみたり、コンパクトな住宅を検討したりするのもひとつの手です。

 

今は金利水準も比較的低く、住宅ローン減税などのお得な制度も充実しています。これから物件価格は上昇しそうといわれているので、気に入った建売住宅があれば早めに検討されたほうがよいかもしれません。