その他

高気密・高断熱住宅が良いといわれているその理由は? 高気密・高断熱の種類とグレード

Pocket
LINEで送る

「高気密・高断熱住宅が良い」「高気密・高断熱の家は過ごしやすい」という話は、一度や二度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ただ、高気密・高断熱には具体的にどのようなメリットがあって、またどのような種類があるかはわかっていない……という人も多いはず。

ここでは、

  • 高気密・高断熱住宅のメリット
  • 高気密・高断熱に関係する場所(今回は「壁」と「窓」を取り上げます)
  • 弊社の取り扱っている種類とグレード

について取り上げます。

高気密・高断熱住宅のメリットについて

高気密・高断熱とは、「高い気密性と、高い断熱性」を指す言葉です。
過ごしやすい住宅かどうかをはかるための基準のひとつとなるもので、非常に注目を浴びている概念です。

高気密・高断熱住宅は、

  • 家計に優しい家である
  • 家族を守れる家である

という2つのメリットを持っています。

高気密・高断熱住宅は家計に優しい家

高気密・高断熱住宅の場合、家の中で温められた(あるいは冷やされた)空気が、長く家にとどまることになります。
高気密・高断熱のおかげで家の中の空気が逃げにくくなりますし、高気密・高断熱のおかげで外気の影響も受けにくくなります。

一度温められた(あるいは冷やされた)空気が逃げにくくなり、また外気の影響を受けにくくなることは、「短い時間で、かつあまり温度を上げすぎない(下げすぎない)状態でエアコンを使っても、室温が維持しやすくなる」ということに繋がります。
この結果、エアコンを使う頻度も下がり、光熱費が大幅に削減されます。

高気密・高断熱住宅と相性の良い太陽光発電装置と組み合わせれば、さらに光熱費の節約になるでしょう。

高気密・高断熱住宅は家族を守れる家

また、高気密・高断熱住宅は「家族を守れる家でもある」ともいえます。
家の中の温度差が大きい場合(たとえば、浴室は暖かく脱衣所が冷えているなど)、ヒートショックが起きる可能性が高くなります。
ヒートショックは心筋梗塞などを引き起こす原因となるもので、時には命さえも奪ってしまう恐ろしいものです。

実は毎年、交通事故の3倍もの人がこのヒートショックで亡くなっています。
しかし、高気密・高断熱住宅の場合、室温が一定に保つことができるため、このヒートショックが起こるリスクを低くすることができるのです。

高気密・高断熱に関係する場所

高気密・高断熱に関係する場所は、

  • 床下
  • 基礎
  • 天井

などがあります。

今回は、「壁」と「窓」に注目して解説していきます。

壁の断熱方法

壁の断熱方法の種類は、「内断熱」と「外断熱」に大別されます。

内断熱とは、柱の内側に断熱材を仕込む方法です。
昔からある技法であり、狭い家・土地(狭小住宅)でも使うことのできる断熱方法です。
日本ではこの内断熱方式が一般的であることもあり、技術面でも安定しており、安心です。
また価格が安いことでも知られています。

外断熱とは、建物自体をすっぽりと覆いこむ方法をいいます。
外気温の影響を極めて受けにくくすることのできる断熱方法です。
この方法の場合、柱も保護することができます。
またカビなどの原因となる結露も起こりにくくなります。

内断熱と外断熱はしばしば対比して語られますが、どちらが良い・悪いといえるものではありません。
それぞれに異なった特徴があるのです。

窓の断熱方法

冬場に床が冷たくなる現象を、「コールドドラフト現象」といいます。
これは、窓を伝った冷気が足下に溜まることによって起きるものです。 また窓は結露が起こりやすく、カビやダニの発生を招きやすい状況にあるといえます。

窓はその特性上、断熱材で完全に覆う……ということはできません。
そのため、ペアガラスやトリプルガラス構造にしたり、従来はアルミで作られていたサッシをより強いアルミ+樹脂のサッシに変えたりするなどの対策がとられることになります。

断熱材と窓の種類とグレード

高気密・高断熱住宅を実現するために、断熱材や窓にはいくつかの種類とグレードがあります。
ここでは、弊社で採用している方法や実際の商品で説明していきます。

断熱材の種類

低いグレードのものは、内断熱に分類される「吹きつけ断熱(アクアフォーム)」と呼ばれる方式を採用しています。
発泡によって「熱が伝わりにくい状態」を作り上げるもので、環境負荷が低いのが魅力です。
「低いグレード」としていますが、隙間なく処理をしていくため、気密性も担保されています。

高いグレードには、「ゼロエネ2」と呼ばれるものがあります。
これは柱の内側と外側、両方に断熱材を張り巡らせる外断熱による工法です。
より高い気密性を持ち、寒暖差から家とご家族を守ります。

窓のグレード

窓は、YKKの窓で説明します。

YKKエピソード……グレードはもっとも低いですが、室内側を樹脂フレームにしたもので、ガラスも複層ガラスを採用しています。
気密性に優れ、結露も抑えます。

YKK APW330……真ん中のグレードのものです。
アルゴンガス(無害のガス)を中に閉じ込めることによって、高気密・高断熱を実現しているものです。
サッシはオール樹脂で、熱の伝わりが遅く、光熱費を軽減する効果があります。

YKK APW430……もっともグレードが高いもので、トリプルガラス・トリプルサッシになっています。
これもアルゴンガスが使われており、サッシも分厚く作られています。
結露する可能性が極めて低く、また防音性が高いのも特徴です。

高気密・高断熱住宅を住宅選びのポイントに

高気密・高断熱が住宅性能のすべてではありません。
しかし、高気密・高断熱の家が非常に過ごしやすく、かつ経済的な負担が少ないものであることはたしかです。

高気密・高断熱住宅は、お財布にも健康にも優しい家だといえます。
長い時間を過ごしていくことになる「一生の買い物」だからこそ、高気密・高断熱に注目をし、過ごしやすい家を模索していくことが重要だといえます。

断熱性能は、高いに越したことがありません。
住宅会社を選ぶ際は、どんな断熱材や窓を使っているのか、断熱性能の数値はどれくらいなのか、などを評価のポイントにしてみてはいかがでしょうか。