コロナ禍で人気が急上昇しているのが、屋上庭園のある住まいです。今回はコロナ禍で屋上庭園が注目されている理由やメリットについて解説します。もっと屋上庭園のある暮らしを楽しめるようなプランニング方法もご紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にされてくださいね。
コロナ禍で住まいに求められるものが変化した
コロナの影響で大きく変わったものの一つが、家に対する考え方です。従来は「家=くつろぐだけの場所」だったのが、「家=くつろぐ、仕事、勉強…」とさまざまな役割が求められるようになりました。
【Before】コロナ前の住まい
コロナ前の暮らしを思い返してみると、昼間はほとんど家にいないという方が多かったのではないでしょうか。みんな昼間は仕事や学校で家を空けるため、一家団らんの時間といえば「夕食から就寝までの5〜6時間くらい」に限られていました。
そのため住まいに求められていたのは、夜に家族みんなで集まってご飯を食べたり会話を楽しんだりと団らんできること。間取りとしては、家族で集まれるゆったりとしたリビングを中心に、それぞれの個室や水回りをプラスしたスタイルが一般的でしたよね。
【After】コロナ後の住まい
しかしコロナが流行してからは、会社に出社しないリモートワークが普及。リビングの片隅に小さなデスクを置いて仕事をするという方が増えました。またお子さんが学校に行けない期間は、ダイニングテーブルで自宅学習する姿も見られます。
日中も家族みんなが家にいるので、生活音や家族の話し声で大きなストレスを感じることも。乳幼児がいるご家庭などは、仕事や勉強になかなか集中できなくて困ってしまいます。
また吹き抜けのある開放的な間取りが主流なので、あまりプライバシー性は守られていないことも…。「なんとなく一日中家族といて疲れる」なんて声を聞くことも増えました。
コロナ禍で屋上庭園が人気を集める理由
家族みんなで家にいる時間が急増。外出控えもあって、なかなかストレス解消ができていないという方も多いのではないでしょうか。
そこで人気がでてきたのが「屋上庭園」です。今まではただの「屋根」だった家の屋上を、アウトドアリビングや庭園として活用するケースが増えてきたのです。
屋上庭園があれば、平日に小さなお子さんやペットを外でのびのびと遊ばせたり、週末にはバーベキューを楽しんだりできます。ちょっと家族から離れて外の空気が吸えると、仕事の合間のリフレッシュにもなりますよね。また1階のお庭とは違って外から見えにくいので、のびのびとすごせるのも魅力です。
屋上庭園のメリット①土地に余裕がなくてもOK
一般的に土地に対する建物の大きさ・部屋の広さは、ある程度の制約を受けます。予算を考えると、いくらでも大きな家をつくるというのは難しいですよね。
しかし屋上庭園の場合は、2階の屋根の部分をそのまま屋上として利用することができます。屋上の大きさはケースバイケースですが、一般的には15〜20畳くらい。普通の家のLDKくらいの大きさに匹敵します。もしもっと大きな面積を確保したいという場合は、屋上庭園を30畳ほどとることも可能です。
屋上庭園のメリット②プライベート空間を実現
屋上にあるスペースなので、周囲の目線はあまり気になりません。周りの住宅は基本的に2階建てなので、屋上庭園からは隣の家の屋根が見える状態です。
また音についてもプライバシーを保てます。屋上のまわり全体がやや高めの壁で覆われているので、よほど大きな声で騒がない限りは周囲に聞こえにくいです。
1階の庭でバーベキューをすると、隣家への臭いも気になるもの。屋上の場合は風に乗って臭いがのぼっていくので、1階に比べて近隣への迷惑になりません。
屋上庭園のメリット③多彩な使い道がある
開放感あふれる屋上庭園は、第二のリビングとして家族団らんに使えます。書斎代わりとして一人でのんびりと読書や仕事をしたり、お子さんの遊び場として使うのもよいですよね。
そして最近は空前のアウトドアブーム。車でキャンプ場へ行くというご家族も多くいらっしゃるはず。屋上庭園があれば、自宅ですぐにバーベキューなどを楽しめます。わざわざ長距離を運転して遠方のキャンプ場まで行かなくてもすむので、週末の息抜きにおすすめです。
屋上庭園をもっと楽しむプランニング
屋上庭園のベーシックなプランといえば、床をタイル、人工芝、ウッドデッキにするスタイル。そのままでもよいのですが、ご家族の趣味に合わせてプランニングすることで、より楽しめる屋上庭園になります。
ドッグガーデンプラン
人工芝の割合を増やすと、ワンちゃんといっしょに楽しめるドッグガーデンとして活用しやすいです。人工芝ではワンちゃんが走り回り、周囲にはご家族の方が腰をおろして見守れるスペースを。タイル部分ではワンちゃんのシャワーコーナーをつくることもできます。
ナイトラウンジプラン
全天候型のソファセットやバーカウンターを置くと、屋外で夜空を見上げながらお酒や食事を楽しめるスペースに。シアタールームとして使えるようにプロジェクターを置いて、友人や家族と集まってスポーツ観戦、映画鑑賞などをすることもできます。
アウトドアフィールドプラン
キャンプをよくされるご家族は、屋上庭園に水まわりシンクや調理台をつくるのがおすすめ。まるでキャンプ場のように、昼間のランチやバーベキューを存分にたのしめます。日除けのタープをつければ、夏の暑い日や日差しの強い日も屋上を活用できます。
まとめ
コロナによるリモートワークやお子さんの自宅学習で、ストレスも多い昨今。庭がひとつあれば、家族全員のプライバシーを守りながら、ゆとりある暮らしが叶えられます。土地が狭くて困っている方も、屋上を活かすことで使えるスペースが増えて開放的な住まいになりますよ。
屋上は一般的なバルコニーに比べて、雨漏りや防水対策など設計上の注意点もあります。排地震への強さや、夏の暑さ、コスト面にも気を配らなければなりません。快適な住まいをつくるには、屋上庭園の設計や施工に慣れた住宅会社にご相談されることをおすすめします。