その他

工務店は高い?安い?工務店とハウスメーカーとの価格差の理由

Pocket
LINEで送る

同じ間取りの家を建てるとしても、工務店とハウスメーカーとでは価格が異なります。一般的には工務店の方が安いと言われますが、実際はどうなのでしょうか?

この記事では、工務店とハウスメーカーとの価格差の理由について解説します。

 

◆工務店とハウスメーカーの価格差の理由

同じ条件の注文住宅を建てる場合、工務店がハウスメーカーよりも安くなるのは、主に下記の6つの理由があります。

【理由1】広告費

ハウスメーカーと比べて、工務店は広告費が少ないのが1つ目の理由です。あらゆるところでハウスメーカーの広告を目にする通り、ハウスメーカーは多額の費用を広告に費やしています。多額の広告費は、家の購入費用に上乗せされて回収されています。

 

一方、工務店の場合は地域のつながりや知人の紹介なども多いため、多くの広告費をかけなくても集客ができます。それによって、家を建てる費用が抑えられます。

 

【理由2】人件費

工務店とハウスメーカーでは、従業員の人数も大きく違います。全国規模のハウスメーカーの方が圧倒的に従業員数も多く、そのほとんどが営業マンの給料に歩合制を取り入れていて、多くの人件費が必要です。

中小規模の工務店では、1人が複数の業務を兼務していることも少なくありません。これによって、ハウスメーカーよりも住宅価格を抑えられます。

 

【理由3】モデルハウス・ショールームの維持管理費用

多くの工務店は、ハウスメーカーのような常設のモデルハウスやショールームを所有していません。モデルハウスやショールームを維持するためには、多くのコストがかかるからです。

ハウスメーカーのモデルハウスやショールームの維持費は、家を販売した利益から出ています。住宅の価格には、こうした費用が含まれているのです。

 

【理由4】自社施工と外注の差

工務店では自社で契約を取って自社で工事をするのが一般的ですが、ハウスメーカーのほとんどが契約後の工事は下請けの業者に依頼しているため、外注費や仲介手数料が発生します。

 

【理由5】移動費や輸送費

地域密着型の工務店の場合、ほとんどが建設地付近に事務所を構えています。建設地と事務所が近いということは、移動費や輸送費が抑えられます。また、突発的なトラブルにもすぐに対応してもらえるため、何かと便利です。

一方、ハウスメーカーは事務所から建設地が離れていることが多く、移動費や輸送費がかかる傾向にあります。

 

【理由6】研究開発費

ハウスメーカーでは、住宅性能を上げるための研究開発が日々行われています。

「耐震性に問題はないか」「災害時に影響はどれくらいあるか」「どうすれば気密性・断熱性の高い資材を作れるか」など、より良いものを提供するための研究開発のための費用です。大手企業であるハウスメーカーは、それだけ社会的責任も問われやすくなります。災害の多い日本で、安心・安全・快適に暮らすために尽力していると言えるでしょう。

耐震実験や台風実験など、大規模な研究費もかかっていることも、価格が高くなる理由の1つです。

 

 

◆価格で工務店を選ぶときにチェックすべきこと

なるべく安く建てることを目的に、工務店に依頼しようと考えている方もいるでしょう。しかし、工務店を選ぶ際には注意も必要です。

 

◎標準仕様の内容と追加費用

標準費用に何が含まれているのかを必ず確認しておきましょう。ほしいものがオプションとなる場合、あれもこれもと付け加えていくと、ハウスメーカーよりも高くなってしまうことも。

また、建ててからのメンテナンス費用もチェックしておきたいポイントです。家を建てるための費用を抑えられても、家の維持費に多くの費用がかかるケースも珍しくありません。屋根や外壁、フローリングや壁紙、設備などは、定期的にメンテナンスが必要です。メンテナンスの頻度や費用も確認するようにしましょう。

 

◎自社施工の範囲

全て自社施工している工務店もあれば、一部を下請けに依頼している工務店もあり、自社施工の範囲は工務店によってさまざまです。

下請けに依頼している場合は、建築費用に外注費が上乗せされます。あらかじめ、工務店の施工範囲を確認しておくと安心です。

 

◎坪単価

坪単価とは、家を建てるときに1坪あたりの建築費がいくらになるか計算したものです。

 

【坪単価=本体工事費÷延床面積】

 

工務店の坪単価はハウスメーカーよりも安い傾向にありますが、ハウスメーカーでも坪単価が安いローコスト住宅を扱っている会社もあります。ただし、坪単価を安く見せるために一部の工事や設備などを本体工事費の中に含めていない場合があります。また、坪数が大きいほど坪単価は下がるため、本来は延床面積に含めない箇所を加えている場合もあります。

どんな条件のもとで坪単価を算出しているかを確認しましょう。

 

◎担当者の対応

意思疎通がうまくいかない担当者や対応に不信感のある担当者なら、いくら安くても満足できる家を建てることができなくなります。

家づくりは、担当者との信頼関係が大切です。親身になってしっかり話を聞いてくれて、自分たちに寄り添った提案をしてくれるかを見極めましょう。

 

◆まとめ

工務店が安い理由は、広告費や人件費、モデルハウスの維持費といった経費を省けるからです。しかし、工務店であればどこでもいいわけではなく、担当者の対応や追加費用などを確認することが大切です。

後悔のない家づくりをするためにも、今回紹介した注意点を参考に、自分たちに合った工務店を見つけてくださいね。