今お住まいの家で「ここにコンセントがあったら良かったのに…」と思った経験はないでしょうか?コンセントの位置が生活スタイルとマッチしていないと、延長コードを長い距離はわせなければなかったり、たこ足配線だらけになってしまったり。使い勝手も悪いですし、あまり見栄えもよくありませんよね。これからマイホームを建てるなら、生活をイメージしてコンセントの位置や数を決めましょう。
新築住宅でコンセントの位置を決めるタイミング
新築住宅の打ち合わせは、外観のデザインや間取りなど、その方の理想の住まいについてヒアリングすることからはじまります。その後、窓の位置や住宅設備機器など、細かい部分を設計士から提案。そのなかでも洗面台やカーテンなどは、ショールームにも足を運んで現物を見ながら決めていきます。
このように打ち合わせを進めて間取りが決まってきた段階で、設計士から「電気配線図」というものが提案されます。このときスイッチの位置や照明計画とともに、コンセントの位置も計画していくことになるでしょう。家具や窓の位置、家電の位置や家族の動線を考慮して、適切な場所にコンセントを配置していきます。
その後、コンセントを変更したいのであれば、少なくとも内装工事前に伝える必要があります。内装工事が終わったあとでコンセントの位置を変えるとなると、壁紙をはがすなどの手間がかかり、追加費用が発生する可能性も高いです。コンセントの位置は、間取りが決まった時点で、設計士とよく相談して決めましょう。
代表的なコンセントの種類
一般的なコンセントは1〜3口の差込口を壁に設けるものですが、他にもさまざまな機能をもったコンセントがあります。
二口コンセント
最もよく使われるのが、電源プラグを2つ指すことのできる二口コンセントです。家のなかでいろんな場所に設置して、壁紙に合わせてコンセントカバーの色を変えることもできます。
マルチメディアコンセント
通常のコンセントだけでなく、地デジ・BS・インターネット・電話などが組み合わさったコンセントです。リビングのテレビ背面の壁などに設置します。
アップコンセント
床に設置して、ボタンを押すと飛び出すのがアップコンセントです。体育館や会議室などで見たことがあるという方も多いのはないでしょうか。
アップコンセントのメリットは、壁から離れた場所でも使えること。使わないときは閉じておくことで、つまずいたり邪魔になったりする心配もありません。床の色味と調和がとれるようにコーディネートするのがポイントです。
外部コンセント
洗車やバーベキューなどで役に立つのが、屋外のコンセントです。外壁につけるタイプが一般的ですが、建物から離れた駐車場やお庭で使いたい場合はポールタイプの屋外コンセントもあります。
また電気自動車(EV)を使われるご家庭では、EVが充電できるコンセントを選びましょう。こちらも外壁につけるタイプと、建物から離れた場所で使えるスタンドタイプがあります。
あったら便利なコンセントの位置と注意点
コンセントの位置は、家具や家電の位置、家族の動線などに合わせて決めていきます。あったら便利なコンセントの位置と注意点について解説していきます。
テレビボード裏
テレビ・Blu-rayレコーダー・ゲーム機・スピーカーなど、ご家庭によってはたくさんのコンセントが必要です。プラグが大きい機器も多く、隣合わせのコンセントが使えなくなる場面も。一箇所に集中させずにいくつか離してコンセントをつくるのもよいでしょう。
壁掛けテレビにするなら、コンセントもテレビ裏に。テレビの下から配線が出てきてしまうと、せっかくのすっきりとした壁掛けテレビが台無しになってしまいます。
キッチンの背面
キッチンでは電子レンジ・炊飯器・トースター・ケトルなどたくさんの家電を使います。使用したい家電の数に合わせて、コンセントを配置しましょう。
またキッチンで気をつけたいのは、複数の調理器具をいっぺんに使うシーンが多いということ。電子レンジや炊飯器など消費電力が大きい家電も多いので、ブレーカーが落ちないように計画することが大切です。
キッチンカウンター
キッチンの前に腰壁などがあれば、そこにもコンセントを設置することができます。ミキサーなどを使うのにも役立ちますし、ダイニングテーブルでホットプレートを使うときなどにも便利です。
インターネットのモデム置き場
ルーターやモデム類の置き場所もよく検討しておきたいところ。テレビ裏やクローゼットの中に収納したり、モデム専用スペースをつくったりする方法が考えられます。Wi-Fiの電波が届きやすいよう、パソコンやスマホを使う場所の近くに設置するのがおすすめです。
パソコンデスク・スタディスペース
デスク周辺にはモデム類を置く場所や、パソコン・モニター・プリンター・スマホの充電ケースなどのコンセントを計画しましょう。スタンドライトやパソコンなど、あまり動かさないもののコンセントはデスクの下に。座ったままプラグを抜き差ししたいなら、デスクの前の高い位置にコンセントをつくるのも便利です。
寝室のベッドまわり
意外とたくさんの電化製品を使うのが寝室。枕元でスマホを充電するほか、空気清浄機・加湿器・布団乾燥機・電気毛布・扇風機などを使う方も多いでしょう。どこにベッドを置くか決めて、それに合わせてコンセントを配置するとスムーズです。
掃除機を充電する場所
充電タイプの掃除機をお使いの場合、収納の内部に充電用のコンセントをつくると便利。ルンバなどのお掃除ロボットをお使いの場合は、基地を置く場所にコンセントをつくりましょう。ルンバの基地は棚・階段・洗面台の下などに設置場所をつくると、目につきにくく邪魔になりません。
まとめ
コンセントは少ないと不便ですが、逆に多すぎても見栄えがよくありません。そのため適材適所で使いやすい配置を考えていくことが大切です。
何十年と暮らすマイホームなので、ライフスタイルの変化とともに使う家電も変わってきます。実際に最近はスマホや便利家電などの登場で、昔に比べてコンセントが足りなくなってきたという方も多いですよね。長く住むマイホームで失敗しないためにも、設計士とよく相談しながら少し先のことまで配慮して計画してみてくださいね。