地域密着型の工務店には大手ハウスメーカーにはない良さがあります。その一方でデメリットがあるのも事実です。
この記事では、工務店を選んだ際に失敗や後悔をしないために、デメリットに焦点をあてて解説していきます。
◆デメリット①知識や技術レベルの格差
断熱性能や耐震性能など、家づくりに求められる性能は年々向上しています。工務店の中には、全国規模のフランチャイズに加盟していたり、独自で情報取集や最新技術を熱心に導入している会社も少なくありません。
一方で、10年前、20年前の知識や技術のまま、設計施工を行っている工務店があるのも事実です。また、工務店の場合、その会社の社長の考え方次第で方向性が大きく左右されます。
工務店を検討する際は、最新の施工事例や最新の情報について質問し、担当者や設計者の知識・技術レベルについて確認しましょう。
◆デメリット②品質が一定ではない
一品生産でシステム化されていない会社が多く、工務店ごと、家ごとに品質にバラつきがあります。工務店はモデルハウスや展示場を持っていないところも多いですが、実際のお客様邸を見学できる完成見学会があれば、積極的に参加して自分の目で品質を確かめましょう。
◆デメリット③完成イメージがしづらい
先にも述べたように、モデルハウスや展示場を持っている工務店は少ないため、完成後のイメージがしにくい場合があります。完成見学会を開催している会社は実際の家を確認できますので、積極的に参加しましょう。また、設備等を選ぶ場合は、各メーカーのショールームで確認ができます。
◆デメリット④打ち合わせの手間・工期がかかる
工務店は選択肢が多く、要望に対して柔軟に対応してくれる反面、決めるための打ち合わせ回数が多くなり工期が長くなってしまいます。また、打ち合わせ以外にも自分たちで調べたり、工務店に希望を伝えて調べてもらうなど、何かと手間と時間が多くなります。完成まで余裕を持ったスケジュールで家づくりを検討する必要があります。
◆デメリット⑤メンテナンス費用がかかる
天井高や窓、建具を規格外の高さにしたり、海外製やオーダーといった汎用性がない設備を取り入れるなど、こだわりを取り入れた住宅ほど建築費用だけでなくメンテナンス費用も高くなる傾向にあります。
ただし、良い工務店ほど設計の段階で、建築費用やメンテンナンス費用まで考慮した提案をしてくれるものです。その提案を受け入れるかどうかは施主の判断となりますが、シンプルな設計にするほど、建築費用もメンテナンス費用も抑えられます。
◆デメリット⑥倒産のリスクがある
ハウスメーカーと比べて経営規模が小さいため、倒産のリスクは高くなります。工務店の経営状態の見極めももちろん重要ですが、倒産リスクは工務店が住宅完成保証制度に加入しているかを確認することで、リスクの程度を低くすることができます。
住宅完成保証制度とは、工務店が変更になったことによる追加工事や前払い金の損失の一定割合を住宅保証機構が保証し、工務店の倒産リスクを避けるための制度です。
この保証制度に入っている工務店であれば、万が一倒産しても、発注者の費用負担ができる限り避けられ、代わりの工務店を斡旋してくれます。そのため、住宅完成保証制度に入っている工務店なら多少は安心と言えます。
ただし、意中の工務店がこの制度に入っていなくとも、できるだけ入金を竣工時に支払うようにして、着手金を抑えるという方法でリスクを避けることもできます。
◆工務店で家を建てるときの注意点
工務店はハウスメーカーよりも価格を抑えられると思われがちですが、ハウスメーカーの規格商品と同じ内容であれば、ハウスメーカーの方が価格を抑えられる可能性もあります。
また、個性的な間取りや特殊なつくりの家の場合は、保証の関係もありコスト的にはハウスメーカーと変わらない場合もあります。一概に、工務店だから安いと判断をしないように注意しましょう。
◆家づくりで重視する点をピックアップしておく
ゼロベースで家を形づくっていけるのが注文住宅の醍醐味ですが、先にも述べたように工務店によって得意不得意があります。
工務店に家づくりを依頼する前に、まずは自分たちが家づくりにおいて重視したいことをピックアップしてそれぞれに優先順位を付けてみると、ご自身の理想や方向性が整理できます。
その上で、家づくりを依頼したい工務店を選定していくと、相性が良い会社を効率的に選べます。実際に家が完成したときに「思っていたのと違う」といったケースも避けることができるでしょう。
まとめ
地域密着だからこそ、地域の特性に合った住まいを建てられます。また、設計施工の自由度の高さや価格を抑えられる点も工務店の魅力ですが、一方で今回ご紹介したように品質にばらつきがあったり、メンテナンス費用が高くなったりと工務店ならではのデメリットがあるもの事実です。
デメリットについてもしっかりと理解した上で、自分たちに合った住宅会社を選びましょう。