耐震対策

「耐震等級3相当」では危ない?許容応力度計算の重要性と関西・名古屋・岡山での地震対策

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「耐震等級3相当」では危ない?許容応力度計算の重要性と関西・名古屋・岡山での地震対策

We explain seismic resistance grades, a crucial but often overlooked aspect of home safety.

意外と知られていない耐震等級について説明しています。

最近、関西や東海エリア、そして岡山でも「ちょっと揺れたな?」と感じる地震が増えてきて
ニュースを見るたびにドキッとしている方も多いのではないでしょうか。

これからマイホームを建てるなら、広いリビングや便利な家事動線、
おしゃれなインテリアなど、夢はどんどん膨らみますよね。
ですが、ここ日本に住む私たちにとって、どうしても無視できない現実があります。

それは、「いつか来る大地震」への備えです。

阪神・淡路大震災の記憶、大阪府北部地震、能登半島地震。
そして、関西・東海・岡山すべてのエリアで警戒されている「南海トラフ巨大地震」。

大切な家族と、30年、50年とこの街で笑って暮らすためには、
デザインや間取りと同じくらい、いやそれ以上に「家の強さ」について真剣に考える必要があります。

今回は、家づくりでよく耳にする「耐震等級」について、基礎知識からプロしか知らない裏話、
そして「エリアごとの地震対策のポイント」まで、徹底的に深掘りして解説します。
後悔しない家づくりのために、ぜひ最後までお付き合いください。

【目次】

1.そもそも「耐震等級」って何?初心者のための基礎知識
2.なぜ今、関西・東海・岡山の家づくりで「耐震等級3」が必要なのか?
3.要注意!「耐震等級3相当」という言葉の落とし穴
4.プロはここを見る!「壁量計算」と「許容応力度計算」の違い
5.耐震等級3にするコストと、得られる経済的メリット
6.家を建てる人のための「地震対策」FAQ
7.まとめ:家族の笑顔を守るために

1. そもそも「耐震等級」って何?初心者のための基礎知識

まずはじめに、耐震等級の基本をおさらいしておきましょう。
耐震等級とは、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき
建物がどのくらい地震に強いかを3段階のランクで表した通信簿のようなものです。

よく「建築基準法を守っているから大丈夫でしょ?」というお声を聞きますが
実はそれだけでは不十分な場合があることをご存知でしょうか?

耐震等級1:建築基準法の「ギリギリ」ライン

  • 強さの目安:建築基準法で定められた最低限の耐震性能。
  • 想定レベル:数百年に一度発生する地震(震度6強〜7程度)で「倒壊・崩壊しない」こと。
  • 注意点:「倒壊しない」=「住み続けられる」ではありません。命を守るための最低ラインであり
    地震後は大規模な補修や建て替えが必要になる可能性が高いレベルです。

耐震等級2:長期優良住宅の認定基準

  • 強さの目安:耐震等級1の1.25倍の強さ。
  • 想定レベル:災害時に避難所として使われる「学校」や「病院」と同等の耐震性。
  • メリット:「長期優良住宅」の認定を取得するには、この等級2以上が求められます。

耐震等級3:最高ランクの安心性能

  • 強さの目安:耐震等級1の1.5倍の強さ。
  • 想定レベル:災害対策の拠点となる「消防署」や「警察署」と同等の耐震性。
  • メリット:現行の制度で最も高い耐震性能。地震保険の大幅な割引対象にもなります。

(図:耐震等級ごとの強さのイメージ)

2. なぜ今、関西・東海・岡山の家づくりで「耐震等級3」が必要なのか?

「うちは地盤が固い地域だから、等級2でも十分じゃない?」
「私のすむ地域は災害が少ないから大丈夫」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちは
「これから家を建てるなら、エリア問わず耐震等級3一択」だと強くおすすめしています。
その理由は、大きく分けて3つあります。

理由①:熊本地震が証明した「等級3」の真価

2016年に発生した熊本地震は、住宅業界に大きな衝撃を与えました。
観測史上初めて、震度7の激震が「2回」も発生したからです。

この地震における木造住宅の被害状況を分析したデータは、非常に示唆に富んでいます。

■ 耐震等級1・2の住宅
倒壊や全壊を含め、大きな被害を受けた家が多数ありました。
1回目の揺れには耐えても、ダメージが蓄積した状態で2回目の揺れが襲い、
構造が持ちこたえられなかったケースが多く見られました。


■ 耐震等級3の住宅
震度7が2回襲った益城町中心部においても、倒壊数はゼロ
被害があったとしても軽微な損傷にとどまり、補修をしてそのまま住み続けられたケースがほとんどでした。

「命を守る」だけでなく、「地震の後も普段通りの生活を守る」。これが耐震等級3の実力です。
避難所生活のストレスを避け、いつもの家で家族と過ごせる安心感は、お金には代えられない価値があります。

(出典:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析」報告書

 

理由②:都市部の密集リスクと「油断」のリスク

【大阪・名古屋エリアの方へ】
大阪市内や名古屋市内などの都市部は、住宅が密集しており、古い木造住宅も多く残っています。
もし大地震で自宅が半壊し、道路を塞いでしまったら
緊急車両が通れなくなり地域の復旧を妨げてしまいます。
密集地こそ、自分の家は自分で守り切る「要塞のような強靭さ」が必要です。

【岡山エリアの方へ】
「晴れの国」岡山は災害が少ないと言われますが、だからこそ「油断」が大敵です。
南海トラフ地震が発生すれば、岡山南部でも強い揺れが予想されています。
「周りが対策していないからこそ、自分たちの家だけはしっかり守る」という意識が、家族の未来を救います。

理由③:活断層と軟弱地盤のリスク

関西の「上町断層帯」や、岐阜・愛知にかかる「濃尾地震の断層帯」など
私たちの足元には多くの活断層が存在します。
また、大阪平野や濃尾平野(名古屋・岐阜)、岡山の干拓地などは、地盤が比較的柔らかいエリアも多く
揺れが大きくなりやすい傾向があります。

直下型地震の強烈な縦揺れに耐えるには、建物の骨組みを強固にする以外に対策はありません。

3. 要注意!「耐震等級3相当」という言葉の落とし穴

住宅会社のチラシやホームページを見ていると、「耐震等級3相当」という言葉を見かけることがありませんか?
「等級3と同じなら安心」と思ってしまいがちですが、ここには大きな落とし穴があります。

項目 耐震等級3(正式認定) 耐震等級3「相当」
公的証明 あり
(住宅性能評価書など)
なし
(あくまで自社基準)
検査機関 第三者機関が厳しくチェック 自社または設計士のチェックのみ
地震保険 50%割引が適用される 割引の対象外
信頼性 構造計算書に基づき保証される 根拠が曖昧な場合がある

「相当」というのは、あくまで「計算上は等級3レベルのはずですよ」という
住宅会社の自己評価に過ぎません。
正式な認定を受けるための申請費用(約10〜20万円程度)をカットできるというメリットはありますが、
公的な証明書がないため、資産価値の証明や保険の割引には使えないのです。

何より、「本当に計算通り施工されているか」を第三者がチェックしていない点に不安が残ります。
一生に一度の買い物です。「たぶん大丈夫」ではなく、
「間違いなく大丈夫」と言える正式認定を取得することをおすすめします。

4. プロはここを見る!「壁量計算」と「許容応力度計算」の違い

ここからは少し専門的な話になりますが、家づくりで失敗しないための最重要ポイントです。
実は、同じ「耐震等級3」でも、その強さを導き出す「計算方法」によって、実際の強度が全く異なることをご存知でしょうか?

木造住宅の構造計算には、大きく分けて2つのルートがあります。

ルートA:壁量計算(簡易計算)

内容:法律で義務付けられている最低限の計算。「壁の量が足りているか」
「バランスは悪くないか」を簡易的にチェックします。
現状:日本の木造住宅の多く(特に一般的な2階建て)は、この簡易計算だけで建てられています。
リスク:あくまで「壁の量」を見るだけなので、柱や梁(はり)の一本一本にかかる負担までは計算していません。

ルートB:許容応力度計算(詳細計算)

内容:ビルやマンションの設計と同じように、建物の骨組み一本一本、
接合部のひとつひとつに、地震や台風の時にどれくらいの力がかかるかを緻密に計算する方法です。
特徴:A4用紙で数百ページにも及ぶ計算書が作成されます(壁量計算は数枚程度)。
メリット:壁量計算では見抜けない「弱点」を発見し、
事前に補強できます。真の意味で「強い家」を作るなら、この計算が不可欠です。

関西・東海・岡山の家づくりこそ「許容応力度計算」が必要

市街地の狭小地、3階建て、大きな吹き抜けのあるリビング。
これらは構造的に負荷がかかりやすいケースです。
複雑な形状の家を簡易的な「壁量計算」だけで済ませるのは
、健康診断で問診だけ受けて「健康です」と言われるようなもの。

これから家を建てるなら、必ず住宅会社の担当者にこう聞いてください。

「御社の耐震等級3は、許容応力度計算(きょようおうりょくどけいさん)に基づいていますか?」


この質問に自信を持って「YES」と答える会社は、建物の安全性を本気で考えている信頼できるパートナーだと言えます。

5. 耐震等級3にするコストと、得られる経済的メリット

「等級3がいいのは分かったけど、建築費用が高くなるのでは?」
コストパフォーマンスは非常に重要ですよね。

確かに、耐震等級3(許容応力度計算あり)にするためには
構造計算費用や建築コスト、申請費用などで数十万円〜のコストアップになるのが一般的です。

しかし、これを「高い」と考えるか、「安い」と考えるか。
私たちは「トータルで見ればお得になる投資」だと考えています。

  • メリット①:地震保険料が半額になる
    耐震等級3の認定を受けると、地震保険料が50%割引になります。
    地震保険は最長5年ごとに更新が必要ですが、30年、35年と払い続けることを考えると
    割引総額は数十万円にもなります。これだけで、申請費用の元が取れてしまうケースも多いのです。
  • メリット②:フラット35Sでの金利優遇
    住宅ローン「フラット35」を利用する場合、耐震等級3の住宅は
    フラット35S(金利Aプラン)」の対象となり、当初10年間の金利が引き下げられます。

    借入額にもよりますが、総返済額で数十万円〜百万円近くお得になることもあります。
  • メリット③:資産価値の維持
    将来、もし家を売却することになった場合、
    「住宅性能評価書(耐震等級3)」がある家は、買い手にとって大きな安心材料となり
    資産価値が下がりにくくなります。

「初期費用」はかかりますが、「ランニングコスト」と「安心」を含めて計算すると
耐震等級3は決して高い買い物ではありません。

6. 家を建てる人のための「地震対策」FAQ

お客様からよくいただく、耐震に関する疑問をQ&A形式でまとめました。

Q1. 耐震等級3にすると、窓が小さくなったり、間取りが制限されたりしませんか?

A. 工夫次第で可能です!
確かに壁の量を増やす必要があるため、無計画に進めると窓が小さくなることはあります。
しかし、「許容応力度計算」をしっかりと行えば、構造的に必要な強さを緻密に計算できるため、
必要な強さを確保しながら、吹き抜けや大開口の窓を実現することは十分に可能です。
高い設計力を持つ会社であれば、デザインと耐震性は両立できます。

Q2. 制震ダンパー(制震装置)は必要ですか?

A. 「プラスアルファ」の安心として、特におすすめします。

 私たちは、世界最高峰の技術で作られた制震ダンパー「evoltz(エヴォルツ)」を採用しています。

家を硬くして倒れないように踏ん張る力が「耐震」、揺れを吸収して受け流す力が「制震」です。
まずはベースとなる「耐震等級3」を確保し
その上で小さな揺れから瞬時に効く「evoltz」を組み込むことで、繰り返す余震への耐久性が劇的に高まります。

本震には「耐震」で耐え、ダメージの蓄積を「evoltz」で防ぐ。
この組み合わせこそが、長く住み続けるための最強の地震対策になります。

他のダンパーとは、ここが決定的に違う!世界が認めた技術を、あなたの家へ。

Q3. 大阪市や名古屋市の狭小地で3階建てを検討中ですが、耐震等級3は取れますか?

A. はい、可能です。ただし高度な計算が必要です。
3階建ては2階建てに比べて構造にかかる負担が大きいため、より厳密な計算が求められます。
特に都市部の狭小地のような条件では、「許容応力度計算」の実施がほぼ必須と言えます。
3階建ての実績が豊富で、構造計算を標準で行っている工務店にご相談ください。

Q4. 消防署と同じ強さと言いますが、本当にそこまで必要ですか?

A. 必要です。なぜなら、家は「避難所」ではないからです。
避難所での生活はプライバシーがなく、衛生環境も厳しいため
小さなお子様やご高齢の方には大きなストレスになります。
「災害が起きても、自宅で電気やガスが復旧するのを待てる」。

この在宅避難ができる安心感こそが、耐震等級3の最大の価値です。

まとめ:家族の笑顔を守る「見えない骨組み」にお金をかけよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は少し難しい計算の話もしましたが、これから家を建てるな
ら絶対に知っておいていただきたい内容をお伝えしました。

キッチンやお風呂などの設備は、15年、20年経てば交換時期が来ます。クロスも張り替えられます。
しかし、「家の柱や基礎」といった構造部分は、後から簡単には変えられません。
だからこそ、新築のタイミングで妥協せずに、最高ランクの強さを持たせておくことが、家族への一番のプレゼントになります。

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