新築一戸建てには、大きく分けて建売住宅と注文住宅の2種類があります。どちらにするかで迷う方も多いのではないでしょうか？ 注文住宅にも建売住宅にもメリット・デメリットがあり、一概にどちらがいいとは言い切れません。
この記事では、注文住宅と建売住宅の特徴やメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
◆注文住宅の特徴
注文住宅は、工務店やハウスメーカー、設計事務所などに設計・工事を依頼して、1から家づくりを行うものです。予算や法令の範囲内であれば、間取りやデザイン、外装、内装、設備などを自由に設計できるのが大きな魅力といえます。
ただし、住宅会社によっては、全くの自由というわけではなく、ある程度規格化されていて、いくつかの選択肢の中から選ぶというケースもあります。
◆注文住宅のメリット・デメリット
注文住宅のメリットは、間取りや仕様、設備などを自由に決められる点です。こだわりが多く、人とは違う家を建てたい方には注文住宅がオススメです。また、家を建てている途中でも、ある程度の変更であれば対応できます。
デメリットは、一般的に建売住宅よりもコストが割高になります。また、打ち合わせや建築に時間がかかるため、すぐには入居できません。住宅会社によっては対応している構造や工法が決まっている場合もあり、自分が理想としている家が建てられる依頼先かを確認することが重要です。
◆建売住宅の特徴
建売住宅は、土地と建物がセットで販売されている住宅を指します。住宅の完成後に販売される場合と、建築中に販売がスタートする場合がありますが、いずれも事前に決まっていることがほとんどです。
規格や費用などの面から選択肢は狭くなりますが、完成前に販売されている場合は設備などの一部オプションは選択できることもあります。
また、建売住宅は広いまとまった土地を複数の区画に分け、同じような工法・仕様で複数の棟を建てることが多いです。数棟程度の小規模なものから100棟を超える大規模分譲地まで様々です。統一された美しい街並みが形成されるのが特徴です。
その反面、近隣住宅と外観が類似してしまうので、デザインや形状といった面で個性を求めることは難しいといえます。
建売住宅と同じ意味でよく使われているのが「分譲住宅」です。分譲住宅は、「住宅建築目的に整地された土地に、まとめて建てた家を分割して販売しているもの」を言います。
この分譲住宅で販売されている住宅は、建売住宅と呼ばれる「土地と建築済みの家をセット販売している住宅」でもあるため、2つの言葉は同じような意味で使われることが多いようです。
◆建売住宅のメリット・デメリット
建売住宅の大きなメリットは、価格の安さがあります。同じ規格を建てるため材料をまとめて購入できることや建築にかかる様々な手間や人件費を削減できることが価格の安さに繋がっています。
また、実際に物件を確かめて購入できることや入居までの期間が短いこともメリットといえます。特に、子どもの入学や転勤に合わせて住宅購入を急いでいる方にとっては、建売住宅の入居までの早さは大きなメリットになるでしょう。
デメリットは、間取りや建材、設備などの仕様がほぼ決まっているため、大きな変更はできない点です。建築過程を見ることができないので、しっかり建てられているのか不安に思う人もいるでしょう。また、建売住宅は一定の広さの分譲地に、できるだけ多くの家を効率的に建てることが多く、隣家との距離は近くなります。
◆注文住宅と建売住宅の違い
◎設計の自由度
注文住宅と建売住宅の大きな違いが、「自由な設計ができるか」です。注文住宅の場合、工法や間取り、建具、デザイン、仕様など、予算に合わせて自分たちの理想を取り入れながら思うままに設計できます。また、費用をかけたい部分と費用を抑えたい部分を予算の中でコントロールすることもできます。
建売住宅は、すでに建物が完成しているので、間取りや設備、工法など、ほとんどの面で要望を取り入れることはできません。
◎立地の違い
生活をする家は立地も重要です。注文住宅の場合は、施主が自分で土地を探さなければなりませんが、建売住宅の場合は建売会社が土地を購入します。独自のネットワークで土地の仕入れを行っており、好立地の土地やお手頃価格の土地はすでに建売会社が購入している場合が多いのです。
注文住宅で土地探しをする時点では、良い土地は建売会社に購入されて、残っている土地が市場に出回っており、その中から土地を選ぶことになります。そのため、注文住宅よりも建売住宅の方が好立地の場合が多いという違いがあります。
◎安全性の確認に関する違い
注文住宅の場合、地盤改良や工法、資材、工事の工程を施主がチェックすることができます。家が建ってしまった後には確認できない部分を写真に撮っておいたり、問題があればその都度担当者に相談もできます。一方、建売住宅は、すでに家が建ってしまっているので、地盤や基礎工事の状態を確認することができません。数年住んだ後に欠陥が発覚するような場合もあるので注意が必要です。
まとめ
注文住宅と建売住宅のどちらが良いかは、何を重視するかによって違ってくると言えるでしょう。それぞれの特徴を踏まえた上で、自分たちに合っている方を選択しましょう。