理想通りの注文住宅を建てられるかどうかは、住宅会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。ただ、住宅会社を比較検討しているうちに、あまりの多さに迷いが生じて決めかねてしまうという方も少なくないようです。
そこで、この記事では、注文住宅を建てる際の住宅会社の選び方や注意点を解説します。
◆住宅会社を選ぶ前にするべきこと
まず、住宅会社を選ぶ前に下準備として下記の3つのポイントを明確にしておくとスムーズに進められます。多くの住宅会社を見るうちに、どこにお願いしたらいいのか分からなくなった、という方も多いです。この下準備をしておくことで、自分たちが大切にしたいことを軸に住宅会社を選べるようになります。
◎予算を決める
人生で一番大きな買い物になるマイホームは、きちんと予算を決めた上で計画的に進めていくことが大切です。また、事前に予算を決めておくことで住宅会社を絞りやすくなります。
予算を決める際は、まず頭金や手続きにかかる諸経費など「自己資金がいくら必要か」と「用意できる自己資金の金額」を明確にします。次に、年収や生活費、将来の教育費などをもとに、「月々いくらなら無理なく支払っていけるか」を明確にして、月々の住宅ローン支払額、金利を含めた総支払額から住宅ローンの借入額を決めます。その上で、自己資金と住宅ローンの借入額から土地の購入と建築にかけられる金額を算出します。
◎優先順位を決める
予算が決まったら「コストをかけたいところ」と「コストを削っても良いところ」をピックアップします。例えば、「家族で過ごすリビングにはコストをかけて居心地の良い空間にしよう」「性能にコストをかけて快適にしよう」という具合に優先順位を決めておくと、予算のコントロールがしやすくなります。家づくりでは、あれもこれもとこだわりを詰め込んだ結果、予算オーバーになることも多いためです。
基本的には、家族の安全や住み心地に直接影響する「住宅性能」や「空間の広さ」、「間取り・動線」などは最優先に考えておき、後からでも追加できる外構やオプションなどはコストカットしても良いでしょう。
◆住宅会社を選ぶ6つのポイント
【ポイント1】得意な構造や工法は何か
住宅は構造体の材料によって異なる特徴があります。例えば、木造は通気性が良く、日本の気候に合っていますが、家事や地震にはあまり強くありません。RC(鉄筋コンクリート)造は、耐震・耐火・防音・気密に優れていますが、建築費用は高額です。
また、柱と梁で建物を支える伝統工法の木造軸組工法や、壁で建物を支える2×4(ツーバイフォー)工法など、得意とする工法も住宅会社によって異なります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分が優先したいことを基準に、それを実現できる構造や工法を強みとしている住宅会社を選びましょう。
【ポイント2】デザインやテイストは好みか
モダンやナチュラル、和風など、住宅会社によって得意とするテイストも異なります。モデルハウスや過去の施工事例、完成見学会などから各住宅会社が得意とするデザインの特徴を掴みましょう。自分の好みとマッチするデザインやテイストを得意とする住宅会社を選ぶことが、高い満足感を得られる家づくりに繋がります。
【ポイント3】坪単価はどのくらいか
各住宅会社のコストを比較するためには「坪単価」を調べると分かります。坪単価
は「建物の本体価格」を「面積(坪数)」で割ることで算出できます。例えば、建物の本体価格が3,000万円、30坪なら坪単価は100万円となります。
ただし、面積が「延床面積」か「施工面積」なのかは確認が必要です。施工面積にはバルコニーやロフトなども含まれ延床面積よりも広くなるため、坪単価は安くなります。実は割高だった、という場合もあるので注意が必要です。
また金額だけにとらわれるのではなく、住宅性能や設備、外装のグレードなどをトータルで判断することが大切です。
【ポイント4】予算内で家を建てられるか
予算内で理想の家を建てられることも重要なポイントです。大手ハウスメーカーに依頼するのか、工務店に依頼するのか、建築事務所に依頼するのかで費用は大きく変わります。予算が少ない場合はローコストメーカーに依頼するという選択肢もあります。
長い人生の中では子どもの成長に応じて教育費が増加したり、転職によって収入が変わる、病気や冠婚葬祭、親との同居など、様々な変化が訪れます。どのライフステージでも無理なく住宅ローンを支払っていける予算で家を建てることが後悔のない家づくりに繋がります。
【ポイント5】アフターサービスが整っているか
長く快適に住み続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。そのためには、必要なアフターサービスが整っているかも重要なポイントです。
住宅会社によって、補修・修繕の内容や保証期間、保証範囲が異なります。アフターサービスの内容もしっかりと確認しましょう。
【ポイント6】担当者の信頼度
一緒に家づくりを進めていく担当者も大切です。こちらの要望を汲み取ってくれるか、それに対して誠意を持って対応してくれるか、できないことや言い難いこともきちんと伝えてくれるかは特に注意して確認しておきたいです。
コミュニケーションがうまく取れない担当者の場合、要望を正確に理解できず、希望しているものと違う提案が出てきてしまうという失敗談も多く耳にします。
自分とは合わないと思ったら早めにその旨を伝えましょう。
◆まとめ
注文住宅を建てる業者を選ぶ際は、自分たちの希望と業者が得意とすることが合うか、各業者メリット・デメリットを正しく理解して、自分たちに合った住宅会社を選びましょう。