高気密・高断熱

窓開け換気だけでは不十分?家の寿命と健康を守る「24時間換気」の正解。全熱交換とC値がカギとなる理由を徹底解説

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窓開け換気だけでは不十分?家の寿命と健康を守る「24時間換気」の正解。全熱交換とC値がカギとなる理由を徹底解説

This video explains the causes of Sick House Syndrome and how to prevent it for healthier living.
Learn why proper ventilation and safe building materials are essential for a comfortable home.

家づくりにおいて、間取りやキッチンにはこだわるけれど
意外と後回しにされがちなのが「換気(かんき)」のことです。

「窓を開ければ換気できるでしょ?」
「換気扇なんてどれも同じじゃないの?」

そう思われているとしたら、少し危険かもしれません。
実は、高気密・高断熱化が進んだ現代の住宅において
換気システムは「家の肺」とも呼べる極めて重要な役割を担っています。

換気選びを間違えると、「冬のリビングが寒くてたまらない」「結露やカビが止まらない」
「なんとなく頭がボーッとする」といった深刻な悩みに直結します。

今回は、家族の健康と省エネな暮らしを守るために知っておきたい
「24時間換気システム」の基礎知識と、賢い選び方について徹底解説します。

【目次】

1.なぜ「24時間換気」が義務化されたのか?シックハウスの歴史
2.「第1種」と「第3種」どっちが良い?換気システムの種類
3.冬の寒さを解決!「熱交換気(ねつこうかんき)」という選択
4.【重要】温度だけじゃない!「湿度」も交換する全熱交換とは?
5.換気だけじゃダメ?「高気密(C値)」が必要な理由
6.後悔しないための「メンテナンス性」チェック
7.換気システムに関するよくある質問(FAQ)
8.まとめ:家の「空気の質」にお金をかけよう

1. なぜ「24時間換気」が義務化されたのか?シックハウスの歴史

 

かつての日本の家(古民家など)は、隙間風が多く、窓を閉めていても自然に空気が入れ替わっていました。
しかし、冷暖房効率を上げるために家の「気密性」が高まると、
汚れた空気が室内にこもってしまうという新たな問題が発生しました。

建材や家具から出る化学物質(ホルムアルデヒドなど)が充満し
目まいや吐き気を引き起こす「シックハウス症候群」
湿気によるカビ・ダニの発生が社会問題となったのです。

これを受けて、2003年の建築基準法改正により
すべての住宅に「24時間換気システム」の設置が義務付けられました。

「2時間に1回、家中の空気をすべて入れ替える」ことができる
機械換気設備の設置が必須となっています。

また、最近では「二酸化炭素(CO2)濃度」も注目されています。
換気が不十分で室内のCO2濃度が高まると、脳のパフォーマンスが低下し、
日中の眠気や子供の学習効率の低下につながると言われています。

24時間換気は、家族の脳を守る装置でもあるのです。

2. 「第1種」と「第3種」どっちが良い?換気システムの種類

換気システムには大きく分けて3つの種類があります。
一般住宅で採用されるのは、主に「第1種」か「第3種」です。

種類 仕組み メリット・デメリット
第1種換気
(おすすめ)
給気:機械
排気:機械

入口も出口もファンで行う。
【メリット】
・確実に空気を入れ替えられる。
・「熱交換」機能が使える(後述)。
【デメリット】
・導入コスト、電気代がやや高い。
第2種換気 給気:機械
排気:自然

室内の圧力を高める。
【特徴】
手術室やクリーンルーム向け。
一般住宅では結露リスクがあるため、ほとんど使われない。
第3種換気 給気:自然
排気:機械

ファンで空気を出し、負圧で自然に入れる。
【メリット】
・導入コストが安い。
【デメリット】
・冬場、給気口から冷たい外気がそのまま入ってくる(寒い)。

コストを抑えるなら「第3種」ですが、快適性を求めるなら「第1種」が選ばれる傾向にあります。

3. 冬の寒さを解決!「熱交換気(ねつこうかんき)」という選択

換気の最大の問題点、それは「熱のロス」です。

冬場、せっかく暖房で温めたリビングに、換気口から氷点下の冷たい外気が入ってきたらどうでしょうか?
足元が寒くなり、暖房費も余計にかかってしまいます。
(夏場は逆に、冷やした部屋に熱風が入ってくることになります)

「熱交換システム」でエネルギーをリサイクル

この問題を解決するのが、第1種換気でのみ採用できる「熱交換気(ねつこうかんき)システム」です。

【熱交換の仕組み】

① 室内の「汚れているけれど、温かい空気」を排気する際、熱交換素子というフィルターを通す。
② そのフィルターに「熱」だけを移す。
③ 外から入ってくる「新鮮だけど、冷たい空気」がそのフィルターを通る際、熱を受け取って温まってから室内に入る。

この仕組みにより、外気温が0℃でも、室温に近い18℃くらいまで温めてから取り込むことができます。
冷暖房のロスを抑え、光熱費を削減できる「エコで快適」なシステムです。

4. 【重要】温度だけじゃない!「湿度」も交換する全熱交換とは?

さらにプロとしておすすめしたいのが、熱交換システムの中でも
「全熱交換(ぜんねつこうかん)」と呼ばれるタイプです。

通常の換気(顕熱交換)は「温度」だけを交換しますが
全熱交換は「湿度」も一緒に交換(回収)します。
これが日本の気候、特に関西エリアでは絶大な効果を発揮します。

  • 冬のメリット(過乾燥防止):
    冬場の外気は乾燥しています。そのまま取り込むと喉が痛くなったり、
    ウイルスが活性化したりしますが、全熱交換なら室内の湿気を逃さず、適度な湿度を保ってくれます。

  • 夏のメリット(蒸し暑さ軽減):
    ジメジメした外気を取り込む際、除湿してから室内に入れます。
    エアコンの除湿負担が減り、サラッとした涼しさをキープできます。

5. 換気だけじゃダメ?「高気密(C値)」が必要な理由

いくら高性能な第1種換気システムを入れても、実はそれだけでは機能しません。
セットで考えなければならないのが「家の気密性(隙間のなさ)」です。

「ストロー」でイメージしてみよう

ストローでジュースを飲む時、ストローの途中に穴(隙間)が空いていたらどうなりますか?
空気が漏れてしまい、うまく吸い上げることができませんよね。

住宅も同じです。
家全体が「高気密(隙間がない状態)」であって初めて、
計画通りに給気口から新鮮な空気が入り、排気口から汚れた空気が出ていきます。

隙間だらけの家(低気密な家)では、換気扇の近くの隙間から空気がショートカットして出入りするだけで
部屋の隅の空気はよどんだままになってしまうのです。

★プロのアドバイス
換気システムの効果を最大限に発揮するためには、
気密性能を表す「C値(シーち)」が1.0以下(できれば0.5以下)の高気密住宅であることが前提条件です。

6. 後悔しないための「メンテナンス性」チェック

換気システムには必ず「フィルター」がついており、外からの花粉やPM2.5、虫の侵入をブロックしてくれています。
つまり、定期的な掃除(フィルター交換)が絶対に必要です。

導入する前に、以下の点を確認しましょう。

  • フィルターの位置:
    脚立がないと届かない天井裏や、高い壁にありませんか?
    手の届く位置(床面設置や低い壁)にあると、掃除が劇的に楽になります。
    「外部フード」の掃除が必要かどうかも要チェックです(2階の高い位置にあると掃除できません)。

  • ダクトの有無:
    天井裏に長い管(ダクト)を通す「ダクト式」は、
    将来的にダクト内部の汚れが気になる場合があります。
    最近では、ダクトを使わない「ダクトレス式」も人気です。

「掃除が面倒だから」と放置すると、フィルターが目詰まりし、換気不足や騒音の原因になります。
自分たちで管理できるシステムかどうかも、重要な選定基準です。

7. 換気システムに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 24時間換気は電気代がかかりますか?

A. 月数百円〜千円程度です。
システムの種類によりますが、第3種なら月数百円、第1種熱交換型なら月500円〜1,500円程度が目安です。
一見高く感じるかもしれませんが、熱交換によってエアコン代が安くなるため、
トータルの光熱費は抑えられるケースが多いです。

Q2. 換気の音がうるさくありませんか?

A. 寝室の近くへの設置は避けましょう。
最近の機種は静音設計されていますが、全くの無音ではありません。
設計段階で、本体を「廊下」や「納戸」など、居室以外の場所に配置するよう計画することで、
音の問題は解決できます。

Q3. 冬場、換気口を閉じてしまってもいいですか?

A. 基本的には24時間つけっぱなしにしてください。
止めてしまうと、室内の二酸化炭素濃度が上がったり、結露が発生してカビの原因になったりします。
寒さが気になる場合は、第1種熱交換換気の採用を検討するか、
給気口の位置をエアコンの風が当たる場所に設置して空気を混ぜるなどの工夫が必要です。

8. まとめ:家の「空気の質」にお金をかけよう

一生懸命働いて建てるマイホーム。
見た目のデザインや設備にお金をかけたくなる気持ちは分かりますが
最も長く体に取り入れる「空気」の質をおろそかにしてはいけません。

「高気密・高断熱」+「第1種熱交換換気(全熱交換)」

この組み合わせは、アレルギー対策やヒートショック予防だけでなく、
日々の睡眠の質や、光熱費の削減にも大きく貢献します。
住宅会社を選ぶ際は、ぜひ以下の3つの質問を投げかけてみてください。

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【換気選びのチェックリスト】

  • 第1種換気(熱交換型)を採用していますか?
  • 湿気も交換する「全熱交換」タイプですか?
  • 気密測定(C値の測定)を実施していますか?

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