3階建て住宅は、土地代を抑えたいときや床面積を増やしたいときの選択肢としておすすめですが、魅力はそれだけではありません。
この記事では、3階建ての家のメリットと後悔しないためのポイントをご紹介します。
◆3階建て住宅の5つのメリット
【メリット1】土地代は抑えつつ、敷地を最大限に活かせる
利便性の良い立地は、土地代が高くなる傾向にあります。3階建て住宅は、狭小地でも利便性が高い場所に住みたいという方におすすめです。
法律で定められた「建ぺい率」や「容積率」などの制限にもよりますが、可能な限り建物を上に延ばすことで床面積を増やし、広さを確保できることが最大のメリットです。十分な土地がある場合でも、より居住性を高めるために3階建てを検討するケースもあります。
【メリット2】フロアごとに使い分けができる
フロアごとに使い方を分けることができる点も3階建て住宅の特徴です。例えば、店舗や事務所との併用住宅や二世帯住宅といった使い分けです。店舗や事務所との併用住宅なら1階は店舗や事務所として独立させて、2階・3階を住まいとすることで、居住空間と店舗(事務所)空間をしっかり分けることができます。
また、二世帯住宅なら1階を親世帯、2階・3階を子世帯にして、世帯ごとの生活空間をつくれます。親世帯・子世帯のそれぞれのライフスタイルを考慮したプランニングが可能です。
庭に駐車場を確保しづらい狭小地の場合は、1階をビルトインガレージにする方法もあります。2階建てよりも1フロア分の空間が増えることで、フロアごとの区切りを活用したプランニングがより柔軟にできるようになります。
【メリット3】日当たりや風通しを確保できる
周辺環境にもよりますが、3階建て住宅は周囲の建物よりも高さのある建物になるため、窓を上手に配置することで、日当たりや風通しが良くなります。
例えば、吹き抜けや天窓、スケルトン階段などによって、下の階まで自然光が取り込めるようにしたり、プライバシーが確保できる3階に大開口の窓を設けるといったプランニングもあります。
2階建てや平屋にはない快適性とデザイン性の高い、開放感あふれる住宅を実現できます。
【メリット4】眺望を楽しめる
2階や3階に広々としたバルコニーを設けたり、屋上にテラスを作れば、3階建てならではの開放的な眺望を楽しむことができます。庭のような空間として楽しむこともできるので、広い庭が確保しづらい立地条件の場合にもおすすめです。
長年住み続ける自宅だからこそ、利便性だけではなく癒しとなってくれる空間も重視することが大切です。自宅にお気に入りのリラックススポットができれば、仕事や子育てを楽しみながら自宅でより快適に過ごせるようになるでしょう。
【メリット5】水害対策になる
台風や豪雨による水害が起きたときに身を守られる点も、3階建ての家のメリットです。最近は、各地でゲリラ豪雨が発生しています。床下浸水や、床上浸水といった被害も耳にすることが多くなりました。こうした水害への備えにもなるのが、3階建てのおすすめポイントの1つです。
万が一、室内に水が入ってきたとしても、3階へ避難することで直接的な水難からは逃れられますし、避難経路を確保しておくことで、3階から救助を求めることも可能です。また、大切な家財道具は2階以上に置くようにする等の対策をしておくと、人も物も水害から守ることができるでしょう。
◆3階建て住宅の後悔を防ぐポイント
【後悔ポイント1】上下階の移動が負担
3階建て以上の住宅は、階段が増えるため上下階の移動の負担が大きくなります。年をとって足腰が弱ってくるというケースも想定して間取りを考えましょう。主寝室を1階に配置し、3階部分はお子様が小さいうちは子ども部屋として活用し、将来的には使用頻度が少ないものを収納するスペースに変更するという解決方法もあります。
上下階の将来的な移動の負担を念頭に置いて、間取りを考慮すると良いでしょう。
【後悔ポイン2】階層ごとに温度差がある
3階建て住宅では、下の階と上の階で温度差が生じやすくなります。とくに最上階である3階は、暖かい空気が上りやすいため、室温が上昇しやすくなります。
トリプルガラスの採用など断熱性の高い仕様を選び、吹き抜け部分の天井にはシーリングファンを設置して空気を循環させることで室内の温度差は緩和されます。
【後悔ポイント3】メンテナンスが大変
3階建て住宅は、高さがあるため外装のメンテナンスの難易度が上がります。通常、外装をメンテナンスする場合は、足場を組み、塗装や補修工事を行いますが、足場の設置や材料費などは、階層が増えるごとに高くなるものです。
汚れが目立ちにくかったり、防汚性に優れた材料を選ぶことでメンテナンス性はかなり良くなります。設計時に施工会社とよく相談しておきましょう。
後悔のない3階建て住宅を建てられるかどうかは、施工会社選びに大きく左右されます。将来を見据えた間取りや動線設計、室内の空気の流れを計算するなど、デメリットを解消するための豊富な経験や実績が不可欠です。信頼や実績が確かな施工会社を選びましょう。