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新築住宅の「上棟」とは?上棟前後の工事の進み方も解説

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マイホームを新築するとき、「上棟」という言葉を耳にすることがありますよね。しかし上棟にはどんな意味があるのか、上棟式とはどういった行事なのか、よくわからないという方も少なくないはず。今回は上棟や上棟式の意味とともに、上棟後の現場のことや工事の進み方なども解説していきます。

 

新築住宅における「上棟」とは?

   

上棟(じょうとう)とは、柱や梁などを組み立てたあと、屋根の一番高いところに「棟木(むなぎ)」という部材を取り付けること。地域によっては「棟上げ」「建舞(たてまい)」「建方(たてかた)」などと呼ばれることもあります。

 

これで木造住宅の基本的な骨組みが完成するので、上棟が終わったタイミングで「上棟式」という儀式がおこなわれることも。無事に工事が進んだことを感謝したり、このあとの工事が安全に進むことを祈願したりする儀式です。

 

上棟式では大工さんや工事関係者、お施主様など、工事に関係する方が集まります。この先も家の外装や内部の工事はまだまだ残っているため、お互いの親睦を深めて家づくりをスムーズに進めるのにも役立つ行事です。

 

上棟式の一般的な流れや準備するもの

着工から上棟まではそこまで時間がかからないため、「上棟式を行いたい!」という方は早めに日程や内容を相談しておきましょう。

 

上棟式では建物を清める儀式や、関係者のあいさつなどを行います。お土産として、お菓子や飲み物などを配ることもあるでしょう。

 

上棟式に使うお供物や飾り物は、お施主様が準備することもあれば、ハウスメーカー側が手配してくれることも。上棟式のマナーは地域によって異なるため、担当者にたずねてみるとよいでしょう。

上棟後の現場はどうなっている?

上棟まで進むと、おおまかな建物の枠組みが見えてきた状態。このときの現場は、どのようになっているのでしょうか。

 

上棟直後は屋根や外壁もなく、雨ざらしです。そのため大切な家を守るために、防水シートが張られるまでは、建物全体をシートで覆います。

 

そして建物の周りに張り巡らされているのは、高所作業のための仮設足場です。足場は地面にしっかりと固定されているわけではないため、風などでぐらぐらと揺れてしまうことも。そこで建物の外側に「圧縮ジャッキ」を当てて、揺れにくくしています。

 

上棟後はどのように工事が進むの?

上棟が終わったら、まずは屋根工事を行って、現場の資材などが雨に濡れないようにします。構造材の上に合板と防水シートを張り、最後に屋根材を取り付けるという流れです。

 

そして柱と柱の間に窓サッシや玄関ドアなどを設置。壁内の電気や給排水設備の工事をおこないます。このタイミングで一度現場へ行って、コンセントやスイッチの位置などを確認されるとよいかもしれません。

 

壁の内側に合板を、外側に防水シートを張ったら、柱と柱の間に断熱材を敷き詰めます。その内側に石膏ボードを張ったら、壁の下地が完成です。床も同じように断熱材を敷き、上から合板を張って下地をつくります。壁の防水シートの外側にサイディングなどの外壁材を取り付けると、住まいの外観が見えてきます。

 

次に建物の内装工事に入ります。壁紙やフローリングを張ったり、階段や造作収納をつくったり。ユニットバスやシステムキッチン、洗面台、トイレなどの設備も取り付けます。

 

工事がすべて終わったら、竣工検査をして物件の引き渡しです。お施主様の立ち会いのもと、建物全体の仕上がりを細かくチェックします。

 

 

まとめ

注文住宅が完成するまで数ヶ月から年単位という方もいらっしゃるかと思います。かかる時間も労力も、マンションや建売住宅を購入するのとは比べ物にならないほど。一つひとつこだわってつくったからこそ、完成したマイホームへの愛着も深まることでしょう。

 

上棟まで進むと、図面でイメージしていた建物の形が見えてきて、マイホームを建てる実感がわいてくるという方も多いはず。上棟式を通して現場で働く職人さんや近隣の方々とのコミュニケーションもとりながら、マイホーム完成を晴れやかな気持ちで迎えられるようにしましょう。