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不動産の売買仲介業とは?土地や建物を売買する流れ

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家や土地を売りたい、買いたいと思ったとき、売買契約のサポートをするのが不動産仲介業者です。個人間で取引することもできますが、複雑な法律や手続きも関わってくるのでなかなか難しいでしょう。今回は不動産仲介業者の役割や、土地や建物を売り買いするときの流れについてご紹介します。

 

不動産の売買仲介業ってなに?

不動産会社は賃貸アパートやマンションを紹介したり、お店のテナントや土地、投資物件の取引をサポートしたりとさまざまな仕事があります。たくさんの仕事のなかの一つが、不動産の売買仲介業です。売主さんと買主さんをつなぎ、売買契約を成立させます。

例えば私たちが服を買うとき、デパートやショッピングモールに入っている洋服屋さんに行きますよね。このとき洋服屋さんは洋服を所有しているので「売主」、私たちが「買主」ということになります。

 

最近では楽天市場やAmazonでネットショッピングをするという方も多いかと思います。楽天市場やAmazonはあくまでも商売の場を提供しているだけで、売主ではありませんよね。不動産売買仲介業も、楽天市場やAmazonと似たような立場で、売主と買主をつなぐのが役割です。

 

仲介業者が入った不動産売買の流れ

不動産業者が仲介する物件を売り買いする場合の、一般的な流れを見ていきましょう。

 

➀売主と不動産業者が媒介契約を結ぶ

「家や土地を売りたいなぁ」と思った売主さんは、不動産業者と「媒介契約」を結びます。媒介契約は「売主が不動産業者に家を売るのを任せる」という契約です。

 

売主さんが、家や土地を売る理由はさまざまです。

 

  • ・違う家に住み替えたい
  • ・親から相続した家を処分したい
  • ・資産を売却して現金化したい
  • ・離婚や事件事故など

 

なぜ売却を不動産業者に任せるの?本当に必要なの?と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

売主さんが不動産業者を頼るのは「販売ノウハウを持っているから」というのが主な理由です。個人で不動産の買い手を探すのはなかなか難しいため、家を買いたいお客さんをたくさん持っている不動産業者に任せると、とても効率が良いのです。ホームページに掲載したり、チラシをまいたりという業務もおまかせできます。

 

また「トラブルを防止したいから」という理由もあるでしょう。不動産売買には、宅地建物取引業法、民法などの複雑なルールが関わっています。個人ですべて理解するのは難しいので、不動産仲介業者に任せることで安全な取引がスムーズに行えます。

 

②不動産を買いたい人を見つける

ここからは基本的に不動産業者が主導で「物件を買いたい人」を見つけることになります。

・REINS(レインズ)に登録する

不動産業者と媒介契約を結んだ物件は、「REINS(レインズ)」というサイトに登録します。REINSは、不動産業者しか見ることができない不動産物件情報交換サイト。他の不動産業者と情報をシェアして、買いたい方にスピーティーに見つけてもらえるようにします。

・ポータルサイトやホームページ

賃貸マンションを探すとき、SUUMOやアットホームなどのポータルサイトで検索したことがあるという方も多いのではないでしょうか?賃貸だけでなく売買物件でも、同じようなポータルサイトがあります。物件情報をポータルサイトや不動産業者のホームページに掲載し、買いたい人に見つけてもらえるようにします。また最近はSNSに載せて人を呼び込むこともあります。

 

・折込チラシや情報誌

駅やコンビニに置いている不動産の雑誌に情報を載せて、買い手を探すことも。新聞の折込チラシに載せると、その地域の方たちに広くアピールすることができます。その物件がある地域の家のポストにチラシを入れると、ピンポイントで情報を拡散することが可能です。

 

③他の不動産業者に情報を送る

不動産業者Aが仕入れた物件情報を、他の不動産業者Bに送ることもあります。これはなかなか他の業界では見られないスタイルです。

 

本来であれば業者Aが買主を見つけられれば良いのですが、なかなか見つからない場合もあります。そんなときは不動産業者Bが買主さんを連れてくる場合もあるのです。

 

この場合、売主は不動産業者Aに仲介手数料を支払います。買主さんが支払う仲介手数料は、不動産業者Bに入ります。

 

売主の願いは売れること、買主の願いは気に入った物件を見つけることです。この両者の願いは、二つの不動産業者が間に入っていても叶えられます。売主と買主が支払う金額は、不動産業者が二社入っていても変わりません。

 

なかには「自分のところで仕入れた物件は、自分のお客さんに必ず売りたい」と囲い込みをする不動産業者もあります。しかしその場合は、売主さんは「なかなか売れないなぁ」、買主さんは「同じ物件ばかり推してくるなぁ」と2人とも不満を持つことになるでしょう。

 

④売主と買主で不動産売買契約を結ぶ

買主さんが見つかったら、売主⇔買主の間で不動産売買契約を結びます。契約についても、不動産業者が間に入って行うことになるので安心です。

 

・重要事項説明

売買契約を結ぶ前に、買主さんに対して「重要事項説明」を行います。難しく思われるかもしれませんが、家電を買ったときの「取扱説明書」のようなものです。重要事項説明は宅地建物取引士という資格を持った人が説明するというルールになっています。

 

  • 【重要事項説明の内容】
  • ・土地や建物の所有権などの内容は?
  • ・いつ住宅ローンを組む?
  • ・いつ物件を引き渡して引っ越す?
    など

 

・契約

重要事項説明に納得できたら、いよいよ契約。ここからは事務的な手続きをしていくことになります。仲介業者のサポートのもと、各種手続きを行いましょう。

 

まとめ

不動産の取引というものは、人生で何度もあるものではありません。怖いなぁと思われるかもしれませんが、きちんとプロのサポートを受ければ、そこまで難しいものではないので安心してくださいね。

 

ただしお洋服や日用品の買い物に比べて、扱う金額は大きなものになります。「失敗しました!」というわけにはいかないので、仲介業者としても責任は重大です。やはり信頼関係が大切になってくるでしょう。