三階建て

3階建て住宅に取り入れたい間取りの工夫やポイントを解説

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3階建ての住宅は、限られた土地を有効活用でき、狭小地や変形地でも理想の暮らしが実現できるほか、3階建ての高さを活かした眺望のいい間取りやプライベートな空間ができるのが特徴です。

この記事では、3階建て住宅の間取りのポイントと後悔しないための注意点をご紹介します。

 

◆3階建て住宅の間取りのポイント

3階建て住宅は、希望する床面積に対して十分な広さの土地面積を確保できない場合におすすめです。つまり、横に面積が取れない分を縦へ伸ばすという考えです。

3階建てでも広々と暮らすためには、下記のような間取りのポイントがあります。

 

【point1】日々の動線をシンプルにする

3階建ては、階段の上り下りをできる限り少なくするよう動線を考慮して計画することがポイントです。考える順番として、まずは家族の集まるリビングをどこに配置するか。それを中心に動線を考えて空間を配置しましょう。

リビングは、家族が最も集まりやすく、採光や通風も確保しやすい2階に配置する間取りが人気です。LDKは広がりのある空間にするために、できるだけ空間ごとの間仕切りを作らず、一体感のあるワンフロアにすると良いでしょう。空間を仕切らないことで開放感も感じられます。もし区切りを作りたいなら、キャビネットやソファの背など低めの仕切りで区切る方法がおすすめです。

また、明るさも空間を広く見せるポイントです。隣家の窓の位置に配慮しながら窓の大きさや位置を工夫しましょう。吹き抜けから明るい光を取り込めるリビング階段も効果的です。リビング階段は、ご家族とのスムーズなコミュニケーションも図れます。

 

【point2】水まわりはワンフロアにまとめる

浴室・洗面などの水まわりは、1階に配置することが多いです。ここで、しっかり考えておくべきは「家事動線」です。水まわりはLDKにできるだけ近づけることで、動線を短縮できるため、家事効率が上がります。ポイントは水まわりをワンフロアにまとめること。家事作業の中心となるキッチンの近くに洗面室やバスルームなどの水まわりを集めることで日々の作業がぐんと楽になります。

 

【point3】寝室や子ども部屋の配置は優先したいことで決める

寝室や子ども部屋は1階に配置するパターンと3階に配置するパターンがあります。

1階に寝室を配置する場合は、段差が少ないので将来まで安心して暮らせます。ただし、住宅密集地では、日照・通風などを十分に確保できない可能性があります。また、プライバシーは2階や3階に比べ守りにくいので、その点も考慮して間取りは検討しましょう。

 

3階に寝室を配置する場合は、採光や通風、眺望を確保しやすくなります。小屋裏や書斎など趣味を楽しむための工夫を取り入れることで、楽しいスペースとして3階を活用できます。他の階と異なり周囲の目線が気にならないため、大開口を設けて眺望を最大限取り込むプライベートな空間がつくれます。デメリットとしては、階段の昇り降りが多いことです。将来のことを考えて、ホームエレベーターなどの設置も検討すべきかもしれません。

 

【point4】縦の空間を利用してスペースを増やす

1階と2階の間、または2階と3階の間に中間層を設ける「スキップフロア」や、床の一部に段差をつけて床面を下げた「ダウンフロア」、屋根裏の空間を活用した「ロフト」など、縦の空間を有効活用して床面積を増やす方法もあります。

空間にゆとりが生まれ、広々とした感覚が得られます。また、段差によって縦空間に変化をつけられ、豊かな表情を生み出せるため、おしゃれな雰囲気を演出できます。

天井高を1.4m以内に収めれば延べ床面積に加算されず、容積率にも影響されません。趣味の空間や収納スペースとしてもおすすめです。

 

【point5】1階をビルトインガレージにする

敷地面積が十分でない土地に家を建てる場合の選択肢として3階建てを建てることを検討している方も多いでしょう。庭に駐車場を確保できない場合は、1階部分にビルトインガレージをつくる方法があります。少し余裕を持たせれば、駐車スペースだけではなく、収納や子どもの遊び場、趣味を楽しむスペースとしても活用できます。

 

【point6】屋上にバルコニーを設置する

庭が確保できない土地の場合は、屋上にバルコニーを設けて庭の代わりとして利用するのもおすすめです。周囲の視線を気にすることなく、プライベートな空間が楽しめます。景色を眺めたり、星空を観察したり、バーベーキューなどのアウトドアを楽しむのもいいですね。暮らしの幅が広がる空間です。

 

【point7】デッドスペースを有効活用する

3階建ての間取りは、階段が増える分、使い勝手の悪いデッドスペースや無駄な動線がどうしても生まれてしまいがちです。

効率的に収納を確保するためには、階段下収納を設計したり、間仕切り収納を活用したりするのがおすすめです。さらに床面積を増やしたい場合には、「廊下のない間取り」を採用するのも良いいでしょう。

 

 

3階建て住宅は、土地の有効活用や眺望・採光・通風に優れた間取りであり、二世帯住宅や店舗や事務所を組み合わせた併用住宅などにも利用しやすいのも魅力です。同時に、生活・家事動線や冷暖房効率などの面で対策が必要なところがある間取りでもあります。

家族で優先順位をしっかりと話し合い、理想的な間取りプランを実現してくださいね。