吹き抜け

狭小住宅ってどんな家?限られたスペースを最大限活かすデザインとは

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都心部で家を建てようとすると、郊外に比べてどうしても敷地は狭め。四角い土地ではなく、三角形や台形といったイレギュラーな土地の形に頭を悩まされる方もいるでしょう。

 

狭い土地に家を建てるときは、床面積の狭さや隣家との距離感、各種法令などさまざまな制約があります。しかし工夫すれば狭く感じず、たっぷりと生活空間や収納を確保することもできますよ。

 

今回は狭小住宅の概要から収納力を高めるデザイン、広く見せるポイントを解説します。

狭小住宅とは

狭小住宅とは、その名前のとおり「狭くて小さい」住宅のこと。明確な定義はありませんが「敷地面積15坪以下(50㎡以下)」を目安に狭小住宅と呼ばれています。

 

最大のメリットは、リーズナブルな価格で利便性の高いエリアに住めること。主に駅やコンビニが近い都心部に建てることが多いので、快適に暮らしやすいのが狭小住宅のよさでしょう。

 

また税金面でもお得な住宅です。土地の大きさによって価格が変わる固定資産税や都市計画税なども安くなります。

 

一方で狭小住宅はどうしても隣家との距離が近くなってしまうので、採光・通風・プライバシーなどに配慮することが大切です。また限られた空間を最大限活かして、収納スペースや生活スペースを確保する必要もあります。

 

狭小住宅で知っておきたい建築のルール

都心部の狭い土地に家を建てるときは、斜線制限などの建築のルールをうまくクリアすることが大切です。

斜線制限

街を歩いていて、上部を斜めに切り落とされたような建物を目にすることがあるはず。これに関係してくるのが「北側斜線制限」や「道路斜線制限」。隣地や道路の日当たりをさまたげないように、建物の高さが制限されています。

天空率

狭小地で斜線制限に引っかかってしまうと、さらに家が狭くなってしまいます。そこで注目したいのが「天空率」です。建物と空の比率を計算。建物が空を覆う割合が小さければ、斜線制限を受けずに建築できます。

 

狭小住宅での快適な収納アイデア

限られた空間で収納スペースを確保するには、デッドスペースを活かすのもポイント。次のようなアイデアを参考に、うまくスペースを活用してみてください。

 

小屋裏収納

小屋裏収納は、最上階と屋根の間にあるスペースのこと。天井高や広さなどの基準をクリアすれば、床面積には算定されません。小屋裏収納はオフシーズンの家電や衣類など、あまり使わないものを保管しておくのに便利。ロフトとして、子どもの遊び場や趣味を楽しむ空間にも利用できます。

壁面収納

壁の厚みを利用した収納もおすすめ。奥行き10〜15cmほどの箱を壁に埋め込むと、本や小物を収納するのにぴったり。扉をつけて中を隠してもいいですし、見せる収納としてディスプレイを楽しむのもよいでしょう。

階段下や床下収納

デッドスペースになりがちなのが階段下や床下。たとえば階段下に洗濯機を置いたり、キッチンの床下にはストック用品を入れたりと活用することもできます。かなりの収納力を確保できるので、狭小住宅では取り入れたい収納方法です。

小上がり収納

リビングなどの一角に、一段高くつくられた小上がりをつくるのもおすすめ。小上がりの下のスペースには、おもちゃや布団などを収納できます。部屋の広さを変えずに、大容量の収納を確保できるのが大きなメリットです。

 

狭小住宅で開放感を演出するポイント

一般住宅よりも狭いお家ではありますが、工夫ひとつで開放感のある空間に仕上げることもできます。ここでは、空間が広く見えるデザインについて見ていきましょう。

ポイント①吹き抜けをつくる

水平方向への広がりが限られている狭小住宅では、上下空間にゆとりをプラスするのがポイント。そこでおすすめしたいのが吹き抜けです。

天井のない空間は、お部屋を広く見せてくれるのです。開放感が生まれると気持ちに余裕ができて快適に過ごしやすくなります。

ポイント②勾配天井にする

空間を広く見せるなら、傾斜のある「勾配天井」もおすすめ。フラットな天井よりも視線が縦に抜けるので、空間が広く感じられます。勾配天井で生まれた高さのある壁に窓をつくれば、高い位置からの採光もできますよ。

ポイント③間仕切り壁をなくす

狭い空間を広く見せるなら、なるべく間仕切り壁を減らしましょう。壁をなくすと、ひとつづきの空間になるので開放感を演出できます。リビングの一部をワークスペースや遊び場にしたい場合は、格子やパーティションでさりげなく空間を仕切ってもいいですね。

 

まとめ

狭小住宅を建てるなら、無駄のないプランニングが重要。建築ルールをよく理解したうえで、デッドスペースを活用したり視覚的に広く見せる工夫をしたりしながら、狭さを感じない住み心地のよいお家づくりをしましょう。

 

施工会社によって提案する内容は違うので、事前に雑誌やモデルハウスなどでアイデアをまとめておくといいかもしれません。工務店やハウスメーカーを選ぶときは、ぜひ提案力やデザイン性をチェックしてみてください。