家を建てるなら建築費用だけでなく、建てた後のメンテナンス費用までしっかり確認しておくことが大切です。
この記事では、工務店で家を建てたときのメンテナンス費用について解説します。
◆定期的なメンテナンスが必要な理由
家は、定期的なメンテナンスを行うことで各建材や設備を長持ちさせ、破損や故障リスクを減らせます。
戸建てのメンテナンスは、外壁・屋根・水回り設備・換気設備・バルコニー(屋上)・クロス・床材・シロアリ、外構と多岐にわたります。
ご自身でのこまめなメンテナンスだけでなく、定期的に業者による保守・点検を行うことで、快適な住環境の維持や修繕費用の削減を期待できます。
修繕費用には多額の費用がかかるため、月1~2万円程度を修繕費用として積み立てておくとよいでしょう。
◆メンテナンス時期と費用の目安
【屋根】
屋根の劣化を放置すると、雨漏りやすきま風などで建物の品質を落とし、住まいの快適さを奪う大きな要因となります。
また、雨どいの詰まりや劣化、筒状の管の割れや外れなども建物自体の劣化を早めることにつながるため、こまめな点検・修繕が必要です。
◎修繕費の目安:50万円~150万円
金属板)修繕時期10年~15年で全面補修を検討(3年~5年ごとに塗り替え)
屋根用化粧スレート葺き)15年~30年で全面補修を検討
瓦)20年~30年で全面補修を検討
【外壁】
雨風や日光にさらされている外壁は、時間の経過とともに、変色、カビ・コケ、ひび割れ、剥がれなどが見られるようになります。
◎修繕費の目安:100万円~200万円
金属板・金属系サイディング)10年~15年で全面補修を検討(3年~5年ごとに塗り替え)
窯業系サイディング・モルタル壁・タイル貼り壁)10年~15年で全面補修を検討
【バルコニー・ベランダ】
ベランダ・バルコニーには、アルミ、鉄、木など、使用されている素材に応じて点検が必要です。
◎修繕費の目安:30万円~70万円
アルミ部)15年~20年で全面補修を検討
鉄部)10年~15年で全面補修を検討(3年~5年ごとに塗り替え)
木部)15年~20年で全面補修を検討(2年~3年ごとに塗り替え)
【基礎・構造体】
地盤に近い土台や床組は、湿気による腐朽やさび、蟻害などの可能性があるため、床下の換気がしっかりなされているかの確認が必要です。
◎修繕費の目安:20万円~300万円
20年~30年で土台以外は全面取り替えを検討
【床(複合フローリング)】
床は傷みやすい部分なうえ、材質によっても劣化の仕方もさまざまです。材質に応じて適切なクリーニングを行いましょう。
◎修繕費の目安:10㎡あたり5万円~10万円
20年~30年で補修・張り替えを検討
【壁(ビニールクロス)】
壁紙は、場所によって経年劣化の度合いが異なるので、交換時期も一概にはいえません。洗面所やトイレなど、水分が多く飛び散る場所は、壁紙の劣化のスピードが早いといわれています。
◎修繕費の目安:6帖の部屋で5万円~10万円
10年~20年で張り替えを検討
【浴室】
浴室の主な汚れはカビです。入浴後は壁や床などの水滴は拭いて、カビの発生を抑えましょう。また、排水口をこまめにきれいにすることで、悪臭や排水口のつまりを抑えられます。コーキングやパッキン、栓器具や給水管、シャワーヘッド、照明なども汚れや割れなどを見つけたら早めに対応しましょう。
◎修繕費の目安:100万円~200万円
10年~15年で全面取り換えを検討
【キッチン】
キッチンのメンテナンスには、シンクの水栓器具や排水口、レンジフードの換気扇、ガスコンロの修繕・交換があります。日頃から水栓器具の劣化や排水口のつまり、換気扇やガスコンロの作動不良などをこまめにチェックしましょう。
◎修繕費の目安:100万円~150万円
15年~20年で全面取り換えを検討
【洗面台】
水道管設備のメンテナンスには、パッキンやプラスチック、水栓器具の劣化や、排水管のつまりへの対応があります。水道管の鉄部のさびが原因で赤水が流れたら、すぐに水道管を交換しましょう。
◎修繕費の目安:50万円~120万円
15年~20年で全面取り換えを検討
【トイレ】
トイレは日頃から掃除を欠かさず、定期的に業者の点検を受けてこまめなケアをしましょう。
◎修繕費の目安:30万円~50万円
15年~20年で全面取り換えを検討
【給湯器】
ガス給湯器は、約10年で取り替えが必要です。
◎修繕費の目安:10万円~20万円
10年で取り替えを検討
ほかに、玄関建具、サッシ、雨戸・網戸、窓枠、木製建具、ふすま・障子、換気設備やアンテナ等のTV受信設備、コンセント等の電気設備などについて、開閉不良やすき間、作動不良、破損などを見つけたら、すぐに対応しましょう。
◆メンテナンス費用を抑える方法
【ポイント1】耐久性に優れた住宅を選ぶ
建物は日々劣化していくものですが、耐久性に優れた素材を使われた住宅を選ぶことで、後のメンテナンスの負担が少なくなります。耐久性に優れた素材が使われた住宅は高額になる傾向にありますが、先々のメンテナンス費用を考えると、結果的にお得になることも。
近年ではメンテナンスフリーの外壁材や屋根材が多く揃っています。注文住宅を建てるなら、これらの建材を上手に選択するとメンテナンス費用を抑えやすくなるでしょう。
【ポイント2】点検やメンテナンスはこまめに行う
こまめな掃除やチェックなどを行い、定期的に業者の保守や点検や修繕を受けるようにしましょう。汚れや破損、作動不良などを見つけたら、早急に対応することが大切です。
工務店で家を建てる場合、アフターサービスにメンテナンスが含まれているかどうかも確認しましょう。
◆まとめ
修繕費は将来的に必ずかかる費用です。日頃からこまめなメンテナンスを行うとともに、修繕費の積立も行うようにしましょう。