注文住宅の魅力は、なんと言ってもゼロから家の設計ができることですが、住み始めてから後悔しないように、こだわるべきポイントや失敗例を知っておくことが大切です。
この記事では、注文住宅でこだわるべきポイントや失敗・後悔しないための秘訣について解説します。
◆注文住宅でこだわるべきポイントは？
注文住宅では、主に内観・外観・構造の3つについてこだわることができます。
【内観】
◎理想の暮らしを叶える間取り
「間取り」は注文住宅において、最も多くのこだわりが見られるポイントです。注文住宅は間取りの自由度が高いので、理想の生活を実現しやすくなります。
部屋数、配置、広さ、明るさ、動線を意識して間取りを決めましょう。なお、間取りを考える際には敷地条件や子どもが独立した後の家族構成などまで考慮することが大切です。
◎家事がしやすい生活動線
生活動線とは、「朝起きて洗面所へ行く」「食事を準備して食卓へ運ぶ」など、家族が生活を営むための動きのこと。生活動線が短くシンプルで、重なりが少ない間取りが「生活動線に優れた間取り」です。
一方、生活動線が複雑な間取りは、シンプルなものと比べるとちょっとした移動のストレスや非効率を感じやすくなります。
生活動線のうち家事に限定した動線を「家事動線」と言い、水回り（キッチン・風呂・洗面・トイレ）は近くに固めて行き来しやすくすると家事効率が良くなります。例えば、キッチン⇔ランドリールーム⇔クローゼットの動線を一直線にすれば、洗濯物を洗って干す、しまうまでが楽になり、日々のストレスが大きく変わります。
◎適材適所の収納
モノが増えて散らかりがちなリビングをすっきりさせるリビング収納、家族の服を1ヵ所に収納できるファミリークローゼット、家電や食材をたっぷり収納できるパントリー、アウトドア用品などをたっぷり収納できるウォークインタイプの土間収納など、収納は家族の生活やモノの量に合わせて配置、量を計画しましょう。
◎設備
毎日使うキッチンや洗面台、お風呂、トイレといった住宅設備は、見た目と機能性の両方にこだわりたいですよね。ただ、食洗器と浴室乾燥機は毎日使う方もいる一方で、結局使わなくなってしまう方もいるので、本当に必要かどうかを吟味しましょう。
【外観】
家の外観は家の顔とも呼べる大切なものです。毎日見るご家族だけでなく、ご近所の方や家を訪れる方が最初に目にします。そのため、機能面だけでなくデザイン面にもこだわって選びましょう。
外観のデザインを決める際のポイントは、
・形状をどうするか（曲線的や直線的など）
・外観の素材や色
・窓の位置や大きさ
室内の間取りは外観にも影響するので、間取りを考える際は外観とのバランスを考えながら決めましょう。
【建物の構造】
間取りへのこだわりと同じくらい大切なのが、建物の機能性です。
安心して快適に生活するため、耐震性・耐熱性・遮音性にはこだわりたいものです。
建物の性能が一定レベルをクリアしている住宅の場合、「長期優良住宅」の認定を受ければ、税金の優遇などを受けられます。
省エネ性能の高い「ZEH（ゼッチ）住宅」なら補助金制度があります。太陽光発電設備の有無や、オール電化住宅にするかどうかを検討しましょう。
◆よくある失敗例・後悔例
ここでは、よくある失敗例・後悔例をご紹介します。
【外観】
・外観デザインにこだわり過ぎてしまい、その後のメンテナンス費用がかさんでしまった
・実際に施工したらサンプルで見た外観の色や素材とイメージと違っていた
【収納】
・収納スペースの奥行きを広くしたら、奥のモノが取り出しづらい
・階段下に収納をつくったが、天井が低く扉も小さいため収納するものが限られた
【キッチン】
・雰囲気のあるLDKにしたくて暗めの照明計画にしたら、調理の際の手元が見にくい
・壁一面を収納にしたら高い位置は出し入れしづらい
【トイレ】
・便利だと思いリビングに隣接したが、用をたす時の音が気になる
・トイレを広くし過ぎて落ち着かない
【浴室】
・憧れのジャグジーを導入したが、日常では使いづらい
・掃除のことまで考えていなかった
【建具】
・扉の開閉時に隣の部屋の扉とぶつかってしまう
・扉を開けると電気スイッチが隠れてしまう
【コンセントやスイッチ】
・掃除機や家電を使う際に近くにコンセントがなく、延長コードを使っている
・電気スイッチが動線上にないので、歩く距離が発生して面倒に感じる
◆こだわりの注文住宅を実現する3つのポイント
こだわりの注文住宅を実現するためには、次の3つのポイントに注意しましょう。
◎自分の生活スタイルに合うかどうか見極める
どんなに流行りの間取りでも、自分たちの生活スタイルに合わない間取りでは満足度の高い家にはなりません。生活習慣に合わせた間取りにして住みやすい家を実現しましょう。
◎目に見えない部分にこだわる
注文住宅を建てる際には、見た目に心を奪われがちですが、「音や熱の伝わり方、光の取り入れ方、風の入り方、家の外からの視線、窓からの眺め」といった目に見えない部分にもこだわることが満足感に繋がります。
◎技術力と提案力が高い住宅会社を選ぶ
優れた技術力・提案力を持った相性の良い住宅メーカーを見つけられれば、こだわりの注文住宅を実現しやすくなります。住宅メーカーの経験や実績、得意分野もしっかり確認しておくと安心です。
◆まとめ
こだわりが多ければ多いほど、プランを立てるのは難しくなってきますので、信頼できる注文住宅のプロに相談しながら進めましょう。