自然素材

健康住宅がもたらす効果

Pocket
LINEで送る

近年、注目を集めているのが住む人の健康を第一に考え設計された「健康住宅」です。自然由来の建材を使用し、温度や湿度を適切に保てる造りになっており、1年中快適に暮らせる対策が施されています。

この記事では、健康住宅がもたらす効果や注意点などについて解説します。

 

 

◆健康住宅とは

健康住宅とは住む人の健康を守り、末長く暮らせる家をいいます。さらに地球環境にやさしい住環境が整った住宅でもあります。

 

①住む人の健康を守る

健康住宅として最も重要な点は、住む人の健康を守ることです。健康とは病気にならないだけでなく、住む人が快適でストレスなくリラックスできる生活を意味します。そのため、健康への悪影響や害のある建材をなるべく使わない家づくりが求められます。

住宅環境を改善するため、換気システムを導入して部屋中の空気を入れ替えたり、断熱性を高めて住みやすい住環境を整えることが大切です。

②長く暮らせる家

家の健康を守ることも重要です。家の健康とは、家そのものの劣化を可能な限り抑えることで、長く住み続けることができるようにするという意味です。例えば、室内を適度な湿度に整えることができれば、結露やカビの発生を抑えられるため、家の寿命は長くなります。また、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことで、長く住み続けられるようになります。

健康住宅は、高温多湿な日本の環境を考慮し、調湿性や断熱性、保温性、抗菌性などに優れた建材が採用され、家の健康を守ることも考えられています。

 

③環境にやさしい

健康住宅の優れているポイントは、そこに住む人や家そのものの健康だけでなく、地球環境の健康にも配慮しているということです。

健康住宅は、人や家の健康を守るため、高断熱・高気密・換気機能が整えられています。そのため、省エネにつながり、人にとっては日々の生活にかかる光熱費の削減が実現でき、少ないエネルギーで人が暮らせるようになれば、それだけ環境への負荷が少なくなります。

さらに、長く住み続ける家になれば、家の建て替えも少なくなり、工事による環境負荷も軽減することが可能です。

 

 

◆健康と住宅の関係性

健康と住宅は密接に関係しています。住む家によって、さまざまな健康被害に遭うケースもゼロではないのが現状です。住環境が主な原因で発生している健康被害としては、以下の3つが挙げられます。

 

  • シックハウス症候群

シックハウス症候群とは、新築やリフォームが発端で、建材や接着剤から放出される化学物質で起きる健康被害のことです。

シックハウス症候群には次のような症状があります。

・目がチカチカする

・鼻水

・喉の痛み

・吐き気

・頭痛

 

シックハウス症候群は、住宅の高気密化・高断熱化が進んだことにより、家の中の空気が化学物質により汚染されたことや、湿度の高さなどが原因となります。シックハウス症候群が社会問題になったことにより、24時間換気システムの設置が義務付けられましたが、できるだけ化学物質が使われていない自然素材を選ぶことも重要です。

  • カビやダニによるアレルギー

結露によってカビやダニなどの微生物が繁殖すると、人体に悪影響を及ぼしアレルギーや喘息などの症状が現れます。

結露を抑えるには、適度な換気や家そのものの断熱性を高めるといった対策が必要です。家全体の断熱性を高めて、しっかりとした換気が必要です。また、壁に調湿効果のある素材を用いることもおすすめです。

 

  • ヒートショック

ヒートショックは、急激な温度差によって血圧や脈が変動し、心臓や血管に負担をかけてしまう健康被害です。ヒートショックは、暖かいリビングなどにいた人が、寒いお風呂場に移動し、さらに暖かいお湯に浸かったときに起きやすいとされていて、脳出血や脳梗塞、心臓マヒを発症する高齢者が増えています。

ヒートショックを防ぐには、家全体の機密性や断熱性を向上させて、各部屋の温度を一定に保つ必要があります。

 

 

◆健康で暮らすための家づくりのポイント

健康的に暮らすことができる家にするためには、主に下記の4つのポイントがあります。

 

①自然由来にこだわった建材を使用する

無垢材は化学物質を含まないため、シックハウス症候群のリスクを低減できます。また、湿度を調節する性質もあるため、カビやダニの発生を防ぐ効果も期待できます。

 

②断熱性や気密性を高める

断熱性や気密性が高い住宅は、外気温の影響を受けにくく、一定の室内温度を維持することができます。ヒートショックのリスクも減らせます。

 

③計画換気を実施する

気密性が高い住宅は、自然換気が行われにくいというデメリットもあります。24時間換気システムをはじめとした計画換気により、室内の湿度を適切に保つことでカビの発生を防ぎ、新鮮な空気を供給できます。

 

④自然光を採り入れる

自然光は人間の視覚や心理に作用し、生活空間を明るく広く、快適に感じさせます。また、窓から採光できる光の量が多ければ、照明や暖房のエネルギー消費を抑えられるため、環境に優しい暮らしができるのもメリットです。

 

 

健康住宅とは、そこに住む人の健康はもちろん、家そのものや環境の健康をも考慮した住宅です。

せっかく家を建てるなら健康住宅を検討してみてはいかがでしょうか?