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住宅ローン審査に通らない原因は?落ちたらどうする?

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マイホーム購入のための、住宅ローン。借り入れを希望する場合には審査を受けますが、なかには「審査に通らなかった」という経験を持つ方もいらっしゃいます。

 

金融機関は落ちた理由について基本的には教えてくれないので、漠然とした不安を抱える方もいるでしょう。

そこで今回は、住宅ローン審査に通らない原因や、落ちたときの対策について解説します。

 

住宅ローン審査とは

住宅ローンとは、住まいを購入する際に利用するローンのこと。住宅ローンの借入額は数千万円ほどにもなるため、金融機関は契約者に返済能力があるかどうかを慎重に判断しなければなりません。

 

そこで住宅ローン審査では「事前審査」と「本審査」の2段階に分け、契約者の職業や年収・過去の借り入れ履歴などの情報をもとに審査が行われています。

事前審査

事前審査は物件選びをしている段階で受けるのが一般的。住宅ローンが組めるのか、いくらまで借り入れができるのかなどが判断されます。事前審査にかかる期間は、おおよそ3〜4日です。

本審査

事前審査を通過し、ハウスメーカーや不動産会社と正式に契約する際に受けるのが、本審査です。本審査では、契約者の返済能力の有無をより厳密に審査します。本審査にかかる期間は、おおよそ1〜2週間です。

 

住宅ローン審査に通らない理由

住宅ローン審査に通らない主な理由としては、次の4つが考えられます。

理由①個人信用情報に問題がある

住宅ローン審査が通らない理由で1番多いのが、個人信用情報に問題がある場合です。

過去にカードの支払いが頻繁に遅れたり、支払いを忘れて債権が異動になった経験があったりすると、その履歴は個人信用情報に登録されます。

 

とくに注意しなければならないのが、携帯電話の料金です。

近ごろの機種代は高額なので、24回払いなどのローンを組んで利用料と一緒に支払っているケースも少なくありません。「携帯電話代の支払いをうっかり忘れてしまった…」となれば、ローンの支払いが遅れたことになるため、“個人信用情報に問題あり”と判断される可能性があるのです。

理由②借入希望額が大きすぎる

契約者の年収に対して借入希望額が大きすぎるのも、審査に通らない原因の一つです。

 

審査基準のひとつに「返済比率」があり、年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合から、適正な借入限度額を割り出します。

金融機関によって基準は異なりますが、一般的には30〜35%、高くても40%以下が目安といわれています。

 

金利の種類によっても借入上限額は変わり、変動金利なら年収の7倍まで、固定金利なら9倍まで借り入れができるといわれています。たとえば年収400万円の人が住宅ローンを組む場合、変動金利なら2,800万円、固定金利なら3,600万円ほど借り入れができる計算です。

 

また返済比率は、車のローンなどほかの借り入れも含めて計算されます。審査に落ちてしまった人は、年収に対して借入希望額が大きすぎないかを確認してみましょう。

理由③勤続年数が短すぎる

住宅ローン審査は、勤続年数が短すぎると通らない可能性が高まります。

 

なぜなら、収入の「安定性」と「継続性」が重視されるからです。

住宅ローンを申し込んだ時点では返済比率をクリアしていても、転職などで収入が減ってしまうと返済が難しくなる可能性も少なくありません。

 

つまり、勤続年数が長ければ長いほど安定した収入があると判断され、審査に通る確率が上がるのです。

一方、勤続年数が1年未満の場合は審査に通らないケースが多く、とくにメガバンクでは厳しくチェックされるといわれています。

理由④定年退職後も返済が続く

住宅ローンを契約する人の年齢も、審査の結果を大きく左右します。

 

たとえば、30歳の人が35年ローンを組んだ場合、65歳での定年退職と同時に住宅ローンも完済できる見込みです。一方40歳の人が35年ローンを組んだ場合は、65歳で定年退職した後、10年間もローンを支払わなければなりません。

 

つまり「収入がなくなったあと、どのように住宅ローンを返済するのか」が問題となるのです。

契約者の年齢が高くても、勤続年数が長く退職金でローンの完済が見込めるのであれば評価される可能性もありますが、基本的には審査が厳しくなると考えたほうがよいでしょう。

 

住宅ローン審査に通らなかったらどうする?

住宅ローン審査に通らなかった場合、住宅購入を諦めるしかないのでしょうか?ここからは、審査に落ちてしまった人ができる対策について解説します。

対策①審査に落ちた理由を把握する

住宅ローン審査に落ちてしまった時には、落ちた理由を考えて改善することが重要です。

 

国土交通省が金融機関に行ったアンケートでは、住宅ローン審査をする際に重視する項目について、以下のような結果がでました。

 

住宅ローンの主な審査項目

・完済時年齢

・健康状態

・担保評価

・借入時年齢

・年収

・勤続年数

・連帯保証

・金融機関の営業エリア

・返済負担率

・融資可能額

 

前章で紹介した「住宅ローンが通らない理由」も参考にしていただき、なぜ審査に落ちてしまったのかを考えたうえで、適切な対策をとりましょう。

 

※参照:国土交通省 令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001333029.pdf

対策②借入希望額を低くする

返済比率が高すぎる場合は、借り入れ希望額を低くすると審査に通る可能性があります。

 

頭金を増やしたり物件を変更したりして、借り入れる額を減らすのも一つの手です。無理なく返済できる金額を借り入れることが、将来の安定した生活につながるでしょう。

対策③他の金融機関のローンに申し込む

住宅ローン審査は、金融機関によって基準が異なります。「A社の審査には落ちたけど、B社では通った」というケースも少なくありません。

 

審査に通らなくても、1社であきらめずにほかの金融機関で申し込んでみましょう。

対策④夫婦で住宅ローンを組む

共働きの家庭の増加で、住宅ローンも夫婦で組むケースが増えました。どちらか1人の収入では審査に落ちてしまったとしても、夫婦の収入を合わせることで審査に通る可能性があります。

 

夫婦で協力して住宅ローンを組む場合には、「ペアローン」や「収入合算」などいくつかの方法があります。それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解して、最適な方法を選びましょう。

 

まとめ

住宅ローン審査では、個人信用情報に問題がある・勤続年数が短いなどの原因で、審査に落ちてしまう場合があります。

 

しかし金融機関によって審査基準が異なるため、ほかの金融機関なら通るケースも少なくありません。審査に落ちた理由を上記から思い当たらないか検討し、適切な対策をとったうえで、再度住宅ローンに詳しい人に相談してください。