家づくり

新築の平屋を建てたい! 間取りやプランの工夫を紹介

Pocket
LINEで送る

平屋は、新築の戸建てを希望する人から高い人気を集めています。国土交通省の2022年建築着工統計調査によると、平屋を選ぶ人がここ10年で約2倍に増えているというデータもあります。

平屋は、2階建と比べて建築コストが割高になる傾向にありますが、間取りやプランの工夫によって快適性を向上させたり、コストダウンに繋げることもできます。

この記事では、新築で平屋を建てる際に取り入れたい間取りやプランの工夫をご紹介します。

 

 

平屋のメリット・デメリット

平屋は、ワンフロアの間取りとバリアフリーな設計により動線がスムーズになり、世代を問わず安心して暮らせます。また、2階以上のフロアがないため、構造上の制約が少なく、間取りの自由度が高いことに加えて、地震や台風にも強いというメリットがあります。

一方で、立地によっては日当たりや通風、プライバシーの配慮が必要であるケースや建築コストが割高になるというデメリットがあります。

 

 

建築コストが割高になる理由

  • 土地

平屋はすべての部屋が一階にあるため、必要な敷地面積は2階建てよりも広くなります。そのため、2階建てを希望する場合よりも土地の購入費用が高くなる可能性が高いです。土地の購入費用は地域差もありますが、いずれにしても住宅を建てる際の費用のうち大きな割合を占めています。

ただし、平屋を希望する場合でも、間取りを工夫すれば必要な敷地面積を小さくできる可能性があります。優先順位を考えつつ、最適な間取りを計画しましょう。

 

  • 基礎

2階建ての住宅と同じ床面積を平屋で確保する場合、単純計算すると基礎工事を行う面積は2階建ての2倍になります。面積が大きければ、そのぶんだけ工事にかかる費用も高くなり、この点が平屋の坪単価が高めになる理由のひとつでもあります。

ただし、間取りの工夫により敷地面積を小さくできると、必然的に基礎工事を行う面積も小さくできます。予算を意識しながら工夫を取り入れることで、建築費用を抑えられます。

 

  • 屋根

2階建ての住宅と同じ床面積を平屋で確保すれば、基礎と同じく屋根の面積も2倍になります。屋根が大きいほど工事にかかる費用は高くなるため、建築費用が高くなる原因のひとつになります。

屋根の面積を小さくするための考え方も、基本的に基礎と同じです。間取りを工夫して敷地面積を小さくし、屋根の面積もなるべく小さくする必要があります。

 

 

平屋に取り入れたい間取りやプランの工夫

◎高い天井を活かした勾配天井のリビング

平屋の特性を活かした高い勾配天井で、リビングに開放感を演出できます。勾配天井は空間に広がりや明るさをもたらします。2階建てでは吹き抜けと組み合わせることも多いですが、平屋の広いリビング全面を勾配天井にすることで開放的な大空間がつくれます。

天井が高くなると、実際の面積よりも広く感じやすくなります。

 

◎間仕切りを少なくして開放的に

家族それぞれに独立した部屋を設ける2階建てに対し、ワンフロアで常に家族の気配を感じながら、緩やかにつながる住まいが平屋です。部屋と部屋の間仕切りを減らすことで、平屋をさらに一体感と開放感のある住まいにできます。

また、部屋同士のつながりを意識すれば、廊下をほとんどつくらなくてもスムーズな動線を確保できます。

 

◎スキップフロアやロフトで空間を増やす

スキップフロアやロフトといった縦の空間を活用して空間をつくることもできます。ロフトやスキップフロアは、趣味の空間にしたり、収納にしたりと、暮らしに広がりが生まれます。

ロフトやスキップフロアは条件によって延べ床面積に含まれないため、固定資産税の課税対象にならずに+αの空間が作れます。

 

◎外観をシンプルにする

外観がシンプルで凸凹が少ない住宅ほど、材料費や施工費を少なく抑えられます。箱型の住宅を選べば屋根の形もシンプルになるため、さらなるコストダウンが可能です。内装だけでなく、外装についても見直してみましょう。

 

◎設備のグレードを上げすぎない

 

理想的な住宅をつくろうとすると、システムキッチン、ユニットバス、洗面台などの設備のグレードも上げたくなるものです。しかし、すべての設備のグレードを高くすることは予算オーバーにつながる可能性も。費用を抑えるためには、優先順位を決めて設備のグレードを見直すと効果的です。

 

 

◆平屋を建てる際の注意点

平屋はひとつのフロアにすべての居住空間があるため、家族同士でプライバシーを確保するのが難しいといえます。だからといって、それぞれのプライベート空間を確保するために壁やパーテーションを多く設置してしまうと、今度は通風や採光の面で弊害が出てきます。

これでは、ゆとりある空間が魅力の平屋の良さを十分に活かすことができません。通風や採光とプライバシーの確保を両立させるためには、部屋の間取りと生活動線をあわせて考えることが大切です。

 

 

新築で平屋を建てる際は、知名度だけで住宅会社を選ぶのではなく、平屋の建築実績豊富な会社に依頼するようにしましょう。やり方次第で憧れの平屋を注文住宅で手に入れることも可能になってくるでしょう。