家づくり

高気密高断熱にすると快適?高気密高断熱のメリット・デメリットと注意点

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注文住宅を検討している方なら「高気密高断熱」を目にする機会も多いのではないでしょうか? 高気密高断熱住宅にはさまざまな魅力があります。

この記事では、高気密高断熱住宅のメリットをご紹介するとともに、デメリットについても解説します。

 

 

高気密高断熱とは

高気密住宅とは、壁の内側や床下などに、断熱材や防湿シート、気密テープなどを使用して壁や天井の隙間を小さくし、外気が入らないような構造になっています。家の中に外気が入り込まず、室内の温度を一定に保ちやすいため、夏は涼しく、冬は暖かいのが特徴です。気密性を高めると、暖房などであたためられた空気を室内に留め、冷たい外気をシャットアウトでき、冷暖房のエネルギーを最小限に抑えても快適に過ごせるのがメリットです。

 

高気密高断熱住宅に関して、国が明確に定める基準はありません。各社がそれぞれ独自に定義づけしているため、注文住宅を建てる際は性能の詳細を自分で判断しなければなりません。

そこで、判断材料として役立つのが気密性や断熱性を示す数値です。とくに断熱性を示す数値は、政府が推奨している省エネ住宅の基準にも使われています。

 

◎気密性能を表すC値

C値とは、建物全体の隙間の量を数字で表したものです。C値が低いほど、建物内の隙間が少ないことを示し、気密性能が高い住宅です。国は省エネ基準としてC値を使用していないものの、C値1.0が1つの目安となります。

 

◎断熱性を表すUA値

UA値は「外皮平均熱貫流率」と呼ばれ、家の断熱性能を評価するための数値です。UA値が小さいほど断熱性が高く、室内の空気が外に逃げにくい仕様です。UA値は、国土交通省などでも使われていて、地域の気温に合わせて基準値が定められています。

 

 

高気密高断熱のメリット・デメリット

外気温の影響を受けにくい高断熱・高気密の家で得られるメリットについてご説明します。

 

《 メリット 》

夏は涼しく、冬は暖かい

真夏に外が暑くても室内温度は影響を受けにくいため、エアコンが効きやすく、涼しさを保つことができます。また、冬も室内の暖かさが外へ漏れにくいことから、室温をキープしやすくなっています。

 

光熱費を節約できる

室内の空気が漏れにくいことから、夏は冷房の設定温度をそれほど低くする必要がなく、冬もエアコンやファンヒーター、床暖房などの温度設定を抑えることができます。そのため、光熱費の節約につながります。

 

ヒートショックの予防

断熱性や気密性が低い住宅では、人が集まるリビングは暖かくても、廊下や浴室は寒いままです。このような環境で、リビングと浴室など温度差のある場所を行き来することで、血圧の急上昇や急降下を招き、心筋梗塞などの疾患につながるのが「ヒートショック」という現象です。

高気密高断熱の家では、室内温度の変化が少ないため、ヒートショックの予防にも効果的です。

 

《 デメリット 》

◎結露、カビに注意が必要

外気温と室内温度に急激な差ができると結露が発生し、カビの温床となりやすくなります。外気温の影響を受けにくい高気密高断熱の住宅であれば、結露は発生しづらいと思われがちですが、実は室内ではなく壁内で結露が発生することがあります。

外壁と内壁の間に断熱材を入れる際に、隙間なく施工できていれば結露は発生しにくくなります。高気密高断熱住宅にするためには、現場で施工する職人さんの経験や技術も重要です。

 

◎シックハウス症候群

住宅建材に使用する木材は、シロアリからの被害を防ぐために化学物質を使った処理を施すことが建築基準法で定められています。風が通りにくい高気密高断熱の住宅では、床や壁といった建材に使われている塗料や接着剤から放出された化学物質が室内にとどまってしまいます。それにより、めまいや頭痛などの症状が引き起こされるのが「シックハウス症候群」です。

また、カーテン、カーペット、絨毯などに使われている接着剤や、ダニ、カビといったハウスダストがシックハウス症候群の原因となることもあります。

ただし、現在は換気システムの設置が義務付けられていますので、新築や築浅の場合は基本的に対策されていると考えてよいでしょう。

 

 

高気密高断熱住宅で注意しておきたいポイント

上記で説明したとおり、高気密高断熱の住宅では、室内に化学物質やハウスダストがとどまりやすいため、シックハウス症候群を防ぐためにも十分な換気をすることが重要です。2003年以降に建てられた住宅においては、24時間換気システムの設置が建築基準法で義務付けられています。

また、24時間換気システムに頼るだけでなく、窓を時々開けるという換気方法も大変有効でしょう。換気について常に意識しておくことが大切です。

 

 

マイホームの資産価値を考えると、気密性と断熱性を高めておくのは賢い選択です。高気密高断熱の注文住宅を建てる際は、長期的な視点で家づくりをサポートしてくれる経験豊富な住宅会社や工務店を選びましょう。