近年、人気が高まっている「ガレージハウス」。車好きの方であれば、一度は憧れたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、ガレージハウスのメリット・デメリットについて詳しくご紹介するとともに、押さえておくべきポイントも解説します。
◆ガレージハウスとは
ガレージハウスとは、駐車スペースが建物の中に組み込まれている家を指します。ガレージハウスの駐車スペースは、インナーガレージや、ビルトインガレージと呼ばれることもあります。四方を壁で囲まれていないオープンな作りのガレージや狭小住宅など1階部分をガレージにしている住宅もあります。
住宅と駐車スペースが離れていると、悪天候の日に車まで行くのが大変ですが、ガレージハウスであれば雨風の影響をほとんど受けることなく車までたどり着けます。また、台風の影響を受けやすい地域では、風で飛んできたものが車を傷付けてしまう可能性もあります。
四方を壁で囲まれたガレージハウスであれば、こうした天災による被害を大幅に防ぐことができるので、車生活が必須な家庭はとても便利です。
◆ガレージハウスのメリット
【メリット1】車が風雨にさらされることがない
壁とシャッターに囲まれた中に車が置かれているため、豪雨や台風など激しい風雨にさらされる心配がありません。そのため、屋外駐車場の場合に比べて車が汚れにくく、洗車の回数を減らすことも期待できます。
【メリット2】雨の日の車の乗り降りが快適になる
雨の日に濡れずに家と車の行き来ができます。大きな荷物がある時でも家の中まで運ぶ距離が短くて済むなど、乗り降りが快適です。
【メリット3】防犯性に優れている
車が外部に面していないビルトインガレージの場合、盗難やいたずらから守られます。特に、シャッター付きのガレージであれば外部から見えないため、車が狙われるリスクが低減します。
【メリット4】狭い土地でもガレージを設けられる
建物の1階にガレージを組み込めば、建物と別に駐車スペースを確保する必要がないため、土地代にかかる費用を抑えられます。
建築費用はかかりますが、都心の場合は別にガレージを設けるよりもコストダウンを図ることが可能です。
【メリット5】ガレージ以外の利用も可能
ガレージに車を置いていないときは、雨の日に子どもを遊ばせたり、バーベキューを楽しむといった使い方ができます。他にも趣味を楽しんだり、趣味の道具を収納するスペースとしても利用できます。
【メリット6】税金がお得になる場合がある
一般的には、延べ床面積のうち1/5以下をガレージ部分に割いた場合、そのスペースは固定資産税の「計算外」となります。これにより延べ床面積が少なくなるため、固定資産税額も低くなります。
もちろん、家の一部として計画されるので、固定資産税の対象にならないカーポートのような設備に比べると金額は上がりますが、駐車場として内装が簡素であれば評価額が下がる可能性もあります。
◆ガレージハウスのデメリット
【デメリット1】居住スペースが削られる
ガレージハウスは、住宅内に駐車スペースを設けるため、間取りが制限されます。1階にガレージを配置すると居住スペースが狭くなり、上の階にその分のスペースを確保する必要が出てきます。2階だけでは足りず3階建てにするとなると、日々の階段の上り下りが大変になるかもしれません。
【デメリット2】コストがかかる
建築コストが高くなる点にも注意が必要です。1階をガレージにするためには、車を出し入れする大きな開口部が必要です。そのため建物の強度を高める必要があり、鉄骨造やコンクリート造にする可能性が高くなるからです。ただ、敷地外に駐車場を借りることを考えれば、長期的には費用面でメリットとなる可能性もあります。
【デメリット3】排気ガスなどに考慮した設計が必要
ガレージハウスは車の排気ガスが住宅内に入り込んでしまうこともあるため、排気ガスの排出に考慮した設計が必要です。
◆ガレージハウスにあると便利な設備・機能
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オートライト
オートライトはセンサーによって自動的に点灯・消灯するため、手動でスイッチを操作する必要がありません。車で帰宅した際や荷物を運ぶときに、暗がりでスイッチを探す手間を省けます。また、防犯面でも効果的で、不審者の接近を抑止する役割も果たします。さらに、消し忘れることもないので省エネにもつながりますね。
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スロップシンク
スロップシンクはガレージで車を洗ったり、メンテナンス作業をしたり、庭仕事をしたりした後の汚れた手や道具を洗うのに役に立ちます。また、これらの洗浄作業はガレージ内ですべて完結できるので、部屋の中に汚れを持ち込まずに済むというメリットもあるでしょう。
◆ガレージハウスを建てる際の注意点
理想的なガレージハウスを作るために気をつけたいポイントがあります。
◎居住空間からの動線
居住空間からガレージまでの動線は重要なポイントです。ガレージから玄関やキッチンへのアクセスがスムーズだと、荷物の出し入れや車への乗り降りが便利になります。雨の日は特に負担が少なくなります。
◎車のサイズに合った広さ
スムーズに入出庫できるよう、駐車スペースには余裕を持たせましょう。幅や高さだけでなく、ドアの開閉や荷物の積み下ろしを考慮して車のサイズに合わせてスペースを確保することも重要です。
◎掃除のしやすさ
ガレージ内は車の出入りや、車のお手入れなどで汚れが付きやすいため、掃除のしやすさも重要です。耐久性が高く汚れにくい床材を選んだり、排水溝を設置して水洗いができるようにすると、効率的に掃除ができます。
車が好きな人、生活する上で車が欠かせない人は、ぜひガレージハウスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。