いい家を建てるのに、大切なことは何だと思いますか?もちろん建物の設計も大切ですが、「設計さえよければいい家が建つ」というわけではありません。家は現場で職人がつくるものなので、適切に現場管理をしている工務店を選ぶことも重要です。
工務店を探している段階で、建築中の現場を見られる「現場見学会」などに参加できることもあるかと思います。また会社によってはYouTubeやブログに現場の動画・写真を掲載していることもあるでしょう。建築現場を目にする機会があれば、その工務店がどのくらい仕事の細部に気を配っているかチェックしてみてください。
チェックポイント①現場が整理整頓されているか?
現場が雑然としていたり、足元に工具や材料が散らかっていたりする現場は要注意。作業員の怪我や、作業効率ダウンにつながります。
もちろん工事現場なので常にピカピカに…というのは難しいですが、スッキリと整理整頓された現場は作業がしやすく、怪我やトラブルも防ぐことができます。職人のマナーやモラル、工務店の現場管理の姿勢なども見て取れるポイントです。
玄関はスッキリしているか
玄関に職人の靴が脱ぎ散らかされていたり、工具や資材などのモノが置きっぱなしになっていたりしないでしょうか?一般的なマナーを守れない職人がいたり、現場がきちんと管理されていなかったりする可能性が高いです。
とくに玄関は大きな資材や道具を持って出入りすることもある場所。散らかっていると転倒したり、資材をぶつけたりする原因にもなります。
電気コードもチェック
床の上に電気コードが這っているのも、つまずきや転倒の原因になります。邪魔な電気コードは壁にかけておくと、現場がすっきりとして安全を保てます。
後片付けする場所がない
作業員としては片付けたい気持ちがあっても、片付ける場所がなければ現場は荒れてしまいます。道具が置ける棚を設けるなど、きちんと片付けられる環境が整えられているかどうか見ておきましょう。
モノが多すぎる
建築現場はスペースが限られているものです。本来であれば、不要な資材や機器は搬入せず、その都度適切な場所に移動させながら現場を調整しなければなりません。モノでぎゅうぎゅう詰めになっている現場があれば、現場を管理する能力が不足している可能性もあります。
工程を詰め込みすぎる
現場を整理整頓するためには、余裕をもった作業時間が必要です。そのため極端な短工期が原因で、建築現場が雑然としているケースも。会社のスケジューリングが悪いと、工期の遅れや手抜き工事などのトラブルにもつながりかねません。
チェックポイント②養生を丁寧にしているか?
養生材は建築現場で欠かせないアイテムの一つです。床や壁、窓などをキレイに仕上げたあと、汚れや傷がつくのを防ぐ役割があります。
建築現場ではホコリが舞ったり、塗料を使ったりするもの。また工具や金物など重たいものや尖ったものも使うので、きちんと保護していないと傷ついてしまうことがあります。
もし建築現場の室内に入る機会があれば、床や階段などの養生もぜひチェックしてみてください。丁寧に養生されていれば、お客様にキレイな住宅をお渡しすることができます。
玄関養生
玄関内には養生シートを敷き、床に傷や汚れがつかないようにきちんと保護しておく必要があります。完成するまでこまめに掃除もしながら、キレイな状態でお客様に住宅をお渡しするのが基本です。
また工事中であっても室内は土足厳禁です。玄関先で靴を脱いで、靴下やスリッパで室内に上がる状態になります。
床板養生
仕上げ材なかでもとくに床は人が歩いたり物を置いたりするぶん、傷や汚れがつきやすい場所になります。ていねいにボードやシートで養生して、保護しておかなければなりません。
きちんと養生しておけば「手が滑って工具を床に落としてしまった!」なんてときも、衝撃をやわらげて床が傷つくのを防げます。またホコリが入り込んでしまわないよう、隙間がないように養生することも大切です。
窓枠養生
窓を取り付けたあとは、商品に傷がつかないように養生シートを使って保護します。現場で働く職人としても、このように「万が一の接触」を防止しておくことで、作業しやすい環境になります。
また工事中に職人が窓を開閉することも。このとき汚れた手で直接窓に触れてしまうと、汚れがついたりお客様が不快に思われたりすることがありますよね。そこで直接手が触れるクレセントや窓枠部分に養生しておくことも大切です。
チェックポイント③こまめな現場チェックがされているか?
一般的な住宅では、工事中に3回程度の検査が行われます。しかし家を建てるまでには非常に多くの工程があり、一度隠れてしまうと後から見えない部分もあります。現場にはさまざまな職人が出入りするため、こまめに現場をチェックすることが大切です。
より安心して家を建てるためには、依頼する住宅会社がどのようなチェック体制をとっているか確認しておきましょう。住宅会社によっては通常の3回の検査にとどまらず、完成までに10回程度の現場監査を行っている会社もあります。また現場写真やコメントは監査記録としてまとめて、施主さんにも「見える化」している会社だとより安心です。
まとめ
注文住宅はスーパーでの買い物とは違って、実際に完成品を目で見てから購入することができません。いくらホームページを見て「おしゃれな家が建ちそう!」と思っても、そして打ち合わせでできた設計プランを見て「これこそ理想の家だ!」と思っても、建設現場のモラルが低ければいい家は建たないのです。
安心安全の住まいづくりをするには、現場を大切にしている住宅会社に依頼することが大切です。ぜひ契約前に現場監査や品質管理についてもチェックしてみてください。