資金・資金計画

注文住宅の頭金はいくら必要?相場と目安をご紹介

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住宅ローンの月々の返済額を抑えるために注目すべきものが「頭金」です。頭金をいくら用意すれば、無理なく家を購入できるのでしょうか?

この記事では、注文住宅を建てる際に必要な頭金の目安や、頭金が家の購入に与える影響等について解説します。

 

◆注文住宅購入の頭金と手付金の違い

家を購入するときには多くの方が住宅ローンを利用します。しかし、購入費用の全額を住宅ローンにするのではなく、一部を自己資金でも支払います。この自己資金で支払う分の購入代金が頭金です。

頭金は自己資金の中から現金で支払います。頭金を多く支払えば、月々の住宅ローンの返済額を下げられますので、住宅ローンの利息が減ります。頭金の金額によって支払いの総額が変わります。また、家を購入するときには税金や手数料などの諸費用が必要となり、こちらも現金で支払うのが原則です。

 

なお、頭金と似た言葉に手付金というものがあります。手付金は売買契約のときに購入代金の一部を支払うもので頭金の一部と言えますが、契約を確かにするためのお金で契約後に買主がキャンセルしても戻ってきません。手付金は購入代金の5〜10%程度が一般的です。

 

 

◆頭金の目安や相場

頭金の理想は、購入費用の20%と言われています。仮に3,000万円の家の場合、頭金を2割用意するなら600万円、1割なら300万円必要です。諸費用が1割かかると考えると、600〜900万円程度を用意しておくと安心です。

ただ、注文住宅は購入費用の総額が高くなりがちなので、現実的には10%前後が多いようです。

 

 

◆頭金は多い方がいい?多く払うメリット・デメリット

一般的に頭金は多い方が良いと言われていますが、頭金が多いことはメリットだけではありません。

頭金を多く支払う最大のメリットは、頭金を入れるほど住宅ローンの借入額を減らせることです。住宅ローンの借入れが高額になると月々の支払額も高くなり、返済期間が長くなります。そうなれば、総支払額も多くなるだけでなく、不測の事態が起こると住宅ローンが払い続けられなくなる可能性も高まってしまいます。子どもの教育資金や老後の貯蓄も考えておかなければなりません。

 

デメリットとしては、受けられる住宅ローン控除が少なくなることや、手元に自己資金が残りにくいことが挙げられます。他にも、理想に近い土地に出会えても頭金を貯めているという理由で購入ができず、チャンスを逃すこともあるでしょう。

 

一方、頭金が少ない場合は、利用できる住宅ローンの額が少なくなります。「フラット35」は、頭金が不動産購入の1割以上のときと、1割未満のときでは金利が異なります。フラット35以外にも借入額が多いほど金利が高くなる金融機関があるので、よく確認しましょう。

 

 

◆頭金ゼロでも家は購入できるのか?

月々の支払額は増えてしまいますが、頭金なしでも家を購入することはできます。実際に、頭金ゼロで家を購入している方が1割以上いるというデータもあります。頭金ゼロで家を購入できることは、初期費用なしで家を買いたいという方にとって魅力的です。

 

ただし、買うときの負担は軽くなっても、頭金ゼロでは住宅ローンの返済は重くなります。家を購入する際にかかる利息は、借入金に対してだけかかります。借入金の割合が増えれば増えるほど、利息の負担も増えるためです。

例えば、3,000万円の物件を購入する場合、10%の頭金を用意すれば借入金は2,700万円に下げられます。頭金ゼロで購入する場合と比べて300万円分の利息をゼロにできるため、トータルの利息負担が減ります。

 

また、不動産を購入する際には、物件の購入費用だけでなく、それに付随する様々な諸費用の支払いが必要です。不動産会社に支払う仲介手数料、住宅ローン手数料、登記費用、手付金、各種保険料などが代表的な諸費用です。

住宅ローンはあくまでも不動産そのものの費用を支払うためのローンなので、通常これらの諸費用を住宅ローンに含めることはできません。諸費用の支払いは現金の一括払いが基本になりますので、手持ち資金がゼロでは家を購入できない場合があります。

諸費用を支払うための「諸費用ローン」もありますが、これは住宅ローンとは別に組むローンです。契約すると、住宅ローンと諸費用ローンを二重で支払うことになりますので、借入金利もさらに増えてしまいます。

 

 

◆頭金以外にいくら預金を残しておけばいい?

頭金の額を決める際、「預貯金をいくら残せばいいのか」と迷う方は多いでしょう。手元に置いておくと安心できる預金の額は年齢や収入、子どもの有無によっても異なります。例えば、目安としては、預貯金だけで3〜6ヵ月間生活できる費用を残しておけば安心です。例えば、家賃や各種支払いの全てを含む1ヵ月の生活費が30万円かかる場合は、90万円〜180万円は残しておきましょう。

 

◆まとめ

住宅ローンを支払う期間の経済的負担を軽減するためには、自己資金は多いほどいいでしょう。しかし、自己資金を貯めるために時間がかかりすぎると、今度は家を購入するタイミングを失ってしまいます。

注文住宅を建てるための総費用に対して10〜20%程度の頭金を目安にしておくと安心です。