油汚れでベタベタになったキッチン、水あかがびっしりついたシンクや浴室…。 理想をいえば、気づいたときにサッと掃除をして美しい状態をキープしたいところですが、「掃除をするのが面倒くさい」「体力的に大変」という方も多いですよね。 そこで最近の住宅設備では「汚れにくくする、掃除を楽にする」という考え方がスタンダードになっています。今や掃除は努力でどうにかするものではなく、どんな住宅設備を選ぶかによってぐんと手間を減らせるものなのです。
今回は汚れにくく掃除をラクにしてくれる、キッチン・浴室・トイレの住宅設備をご紹介していきたいと思います。これからマイホームを建てるという方は、ぜひ参考にされてください。
キッチン設備は油汚れや水あかのお手入れに注目
キッチンは食料品を扱う場所だからこそ、いつも衛生的に保っておきたいですよね。しかしコンロまわりや換気扇の油汚れ、シンクまわりの水あかと、なかなか掃除が大変な場所でもあります。手間をかけずにお掃除できる設備を選んで、楽にキレイを保ちましょう。
コンロ前の壁は油汚れに強いホーローを
キッチンのコンロまわりで気になるのが油汚れ。時間がたつと落ちにくくなり、お掃除が大変になった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 そこでおすすめしたいのが、ホーロー素材のキッチンです。ホーローは金属の表面にガラスを高温で焼きつけた素材。油が染みこまないので、コンロ前の壁などにホーローを使うと、油汚れをサッとふき取ることができます。耐久性もあるので、ごしごし擦ったときに傷がつく心配もありません。
食洗器で洗えるレンジフィルター
キッチンの換気扇(レンジフード)にも油汚れがべったりとついて、洗うのがなかなか大変ですよね。ベタベタになったフィルターを洗いたくなくて、つい汚れを放置してしまいがちです。 レンジフードのフィルターは、食洗器で洗えるものを選ぶと掃除の手間がほとんどゼロに。定期的に食洗器へフィルターを放り込むだけで、お湯・洗剤・機械のチカラで油汚れがピカピカに落とせます。
衛生的なステンレスのシンク・天板
シンクや天板(キッチンカウンター)として人気の素材の一つが、ステンレスです。ステンレスは錆びにくく、汚れにくいのが特徴。医療現場でもよく使われる素材ということからもわかるように、ニオイがつきにくく衛生的に保てます。
色が豊富な人造大理石のシンク・天板
もう一つ人気の素材が、人造大理石です。ステンレスでは叶えられない豊富な色味が魅力で、特に清潔感のある白の人造大理石はとても人気が高くなっています。 ステンレスのシンクは水の音が響くのですが、人造大理石なら水の音を吸収して静かに。水あかも目立ちにくいです。 注意点としては、熱に弱いこと。うっかり熱いお鍋やフライパンを置いてしまうと、変色の原因になるので気を付けましょう。
シンクと天板はつなぎ目レスも人気
これまでは「ステンレスのシンク×人造大理石の天板」というキッチンが多くみられました。しかし最近ではシンクと天板の素材を同じもので統一し、つなぎ目をなくしたタイプも人気です。 シンクと天板のつなぎ目がないと、統一感があって見た目が美しいだけでなく、お手入れも楽に。汚れのたまりやすい部分が減って、清潔感のあるキッチンが叶えられます。
浴室の設備は水あかとカビの抑制がカギに
浴室といえば、家のなかでも一番湿気がたまりやすい場所。天井や壁にカビが生えてしまうと掃除をするのが大変です。また毎日水を使う場所なので、水栓やミラーにはどうしても水あかがついて白い跡になってしまいます。水あかとカビに着目して、住宅設備を選びましょう。
水あかがつきにくいホーローの壁
キッチンの壁材としてご紹介したホーローは、浴室の壁材にもおすすめです。浴室で気になる水あかがつきにくく、掃除がしやすいですよ。 またホーローは金属とガラスの混合素材なので、マグネットが使えるのもうれしいところ。マグネット式の収納グッズやスピーカーなどを活用して、自分にとって使いやすい浴室空間をつくれます。 ホーローと聞くと白をイメージされる方が多いかもしれませんが、さまざまな色柄があるので、お好みのものが見つかるかと思います。抗ウイルス性もあるので、菌やウイルスの繁殖が気になるご時世にもぴったりの素材です。
浴室暖房乾燥機でカビにくい浴室に
浴室で高い採用率をほこっているのが、浴室暖房乾燥機。浴室をしっかり乾燥させることで、カビ防止になります。 またお天気を気にせず洗濯物が干せるようになるので、家事の面でもストレスフリー。冬場は浴室を暖めてから入浴できるので、高齢者のヒートショック防止にもつながります。 浴室暖房乾燥機はガス温水式と電気式の二種類。それぞれ特徴が異なるので、用途にあわせて選ぶと効率よく使えますよ。
【ガス温水式】 ガス温水式は屋外の熱源機で温水つくって循環させ、浴室内の本体から温風がでるタイプです。ガスの力はパワフルで、入浴前に素早く浴室を暖められます。乾燥時間が電気式の約半分になるので、衣類乾燥をメインに考えられている方におすすめです。ただし屋外の熱源機の工事が必要となるので、初期費用が電気式に比べると高くなります。
【電気式】 電気式は屋外の熱源機が必要なく、工事費用が比較的安くすみます。ランニングコストを抑えるために温風ではなく送風・換気で乾燥できるなど、さまざまな機能が備わっているのも魅力です。ただしパワーはガスに劣るため、衣類を乾燥させるのに約2倍の時間がかかります。
トイレはキレイが長持ちする設備を選ぼう
トイレもいつもキレイに保っておきたいですが、掃除に抵抗感のある場所でもあります。尿の飛び散りが防げたり、抵抗なくパッと拭ける形状のトイレを選んだりすることで、清潔な状態をキープしやすくなりますよ。
掃除がしやすいタンクレストイレ
従来のトイレは、便器の後ろにタンクがついているものが主流でした。しかしタンクの後ろに手が届かなかったり、掃除が大変だったりとさまざまなお悩みがあるかと思います。 そこで最近人気なのが、タンクレストイレです。タンクがないぶん掃除がしやすく、見た目もコンパクトですっきりとした仕上がりになります。 また便器本体の素材も改良され、各メーカー独自の洗浄方法が開発されるなど、少ない水量でもキレイに洗い流せます。従来のトイレに比べると、静かな音で洗浄できるのもうれしいポイントです。
泡クッション機能で尿はね防止
最新トイレでおすすめの機能が、便器内の水面に泡を張る機能です。食器用洗剤をいれるタンクが内臓されていて自動で泡がでるのですが、その泡がクッションとなって尿の飛び散りを抑えてくれます。男子の立小便で床や壁の汚れが気になるという方におすすめの機能です。
まとめ
今回は汚れにくさやお掃除のしやすさに注目して、おすすめの住宅設備をご紹介しました。マイホームの設備を選ばれる際には、デザインだけでなく機能面やメンテナンス性にも注目してみてくださいね。 住宅設備は新しい技術が次々と開発され、デザインも機能面も日々進歩しています。ライフスタイルにあわせた商品を選ぶことで、ぐんと暮らしの質がアップしますよ。今のお住まいと比べても、お掃除の手間がかからずキレイな状態を保てると実感していただけるかと思います。