契約

注文住宅の契約の流れと注意点

Pocket
LINEで送る

注文住宅では、建築工事請負契約を結んでから工事をスタートさせますが、内容をよく確認しないまま工事を進めてしまうと、後から思いがけないトラブルが発生してしまう恐れがあります。

この記事では、契約までの流れと契約時の注意点を解説します。

 

注文住宅を契約するまでの流れ

注文住宅の契約には、「仮契約」と「本契約」の2段階があります。家づくりのスタートから契約までは下記のような流れで進めていきます。

 

STEP.1 情報収集をして工務店やハウスメーカーの候補を絞る

STEP.2 各社のプランと見積もりを比較検討する

STEP.3 依頼する住宅会社を選ぶ

STEP.4 仮契約をして申込み金を支払う

STEP.5 建築プランの詳細打ち合わせ

STEP.6 詳細プランの決定、最終見積もり決定

STEP.7 建築請負契約(本契約)を結び、契約金を払う

STEP.8 着工

 

仮契約とは、大まかなプランや見積もりを確認し、家づくりを依頼したい会社が決まった段階で行う契約です。「そちらの会社にお願いしたい」という意思表示となります。申込金は5~10万円程度が相場で、本契約時には建築費用に充当されます。ただし、法律上の契約ではないため、この段階であれば途中でキャンセルすることも可能です。

 

本契約は、建築請負契約といって施工会社と施主との間で交わす契約書で、「どんな家を」「いくらで」「いつまでに建てる」ということを約束するものです。施工会社との正式な契約となり、建築請負契約締結後に工事がスタートします。建築請負契約を結ぶ際には建築費用の10%程度の手付金を支払います。これも建築費用に充当されます。

 

 

仮契約までにチェックしたいこと

◎費用の総額を確認する

見積書は会社によって含まれる項目や体裁が異なります。会社によっては本体工事費用のみとなっていて、付帯工事費や諸費用が含まれていない場合があります。見積もりに含まれている項目と希望の設備や仕様を含めた総額費用をチェックするようにしましょう。

 

◎キャンセル時の返金

仮契約は法的な契約ではないため、キャンセル可能です。そのため、申込金が返金されることがほとんどですが、会社により対応が異なるため仮契約前に確認しておくと安心です。

いつまでのキャンセルなら返金してもらえるのか、キャンセルしてから返金までの日数はどのくらいなのかなど、書面で説明を受けると安心です。

 

本契約のチェックポイントや注意点

建築工事請負契約書は、建築工事請負契約書、建築工事請負契約約款、設計図書、工事費見積書などで構成されています。盛り込まれている内容は多いですが、本契約(建築工事請負契約)は法的な拘束力を持つ重要な手続きであるため、あらかじめコピーをもらって念入りに内容をチェックしましょう。

チェックポイント

◎請負代金と支払い時期

まずは、最も大切な請負代金が明記されているか確認しましょう。建築費用の支払いは契約時、着工時、棟上時、引渡時など数回に分けて行われる場合もありますが、契約内容によっても異なるため、支払い日のスケジュールと金額の割合も確認してください。

 

◎工事のスケジュール、遅延した場合の対応

工事の着工日、工事完了日、引き渡し日が明記されているかを確認しましょう。

万が一、工事が遅れてしまった場合の対応や違約金についても確認が必要です。

 

 

◎キャンセル時の違約金

建築工事請負契約は法的な拘束力を持つため、本契約後に買主都合で契約をキャンセルする場合は、違約金の支払いと手付金の放棄が発生します。

 ただし、契約解除を行うタイミングによって違約金の金額には違いがあるケースが多いので、どのような内容になっているか目を通しておきましょう。

 

また、住宅ローンが通らなかった場合に契約を解除できる「ローン特約」という制度があります。この特約を付けておけば、売買契約締結後に住宅ローンが通らず購入資金を用意できなかった場合でも違約金を負担しなくて済み、手付金も返還された状態で契約解除できます。

住宅ローンを申し込む金融機関名や融資額、ローン特約の期限などが契約書に明記されているかを確認しましょう。

 

◎アフターサービスや保証内容

注文住宅の場合は、施工会社が最低10年の保証をつけることが義務付けられているので、保証内容や保証範囲、アフターサービスの内容などを細かくチェックしておくことが大事です。

また、自然災害などの不可抗力でやむを得ず工事を中止しなければならない場合の取り決めなども事前に確認をしておくと安心です。

本契約後に変更点が生じた場合は、「変更契約」という契約を改めて締結することになります。ただし、間取りに関することは簡単には変更できません。変更契約で変更できる点とできない点があることには注意が必要です。

そのため、本契約前にできるだけプランを確定させておくことが大切ですが、やむを得ず変更契約を行う場合は、トラブルを防止するために口約束で済ませずに、金額と工期の変更の有無を確認して必ず書面で契約をすると安心です。

 

◆まとめ

ここでご紹介したように、注文住宅の契約では多くの注意点があります。各契約書は細部まで確認し、しっかり理解してから進めるようにしましょう。