住宅会社の選び方

失敗しないための住宅会社の選び方[施工管理編]

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みなさん、こんにちは。 家づくりを始められたばかりの方から、何を基準に住宅会社を選べばいいのかという声がよく聞かれます。 みなさんが住宅を建てようとお考えの時によくお聞きする住宅会社選びの基準としては「価格」、「デザイン」、「性能」などが一般的ではないでしょうか。 もちろん、それらも住宅会社を選ぶ上で重要なポイントなのですが、実はそれらと同じくらい重要なのが、住宅を建築する際の「施工検査」です。 今回は、住宅会社選びにおける「施工検査」の重要性についてお伝えします。

施工検査とは?

大手住宅メーカーなどの住宅会社は基本的に地域の施工業者に依頼をして家を建てています。したがって同じ住宅会社でも担当される施工業者さんによって多少の技術差が生じてしまいます。 そのため、施工品質を高い水準で担保するためには、建築中の施工検査をいかに行うかが非常に重要になるわけです。 その施工検査体制は各住宅メーカーや工務店ごとに違っています。そのため、どのような施工検査があるのかを理解しておくことは新築住宅を建てるときには知っておいて損はないでしょう。 施工検査には様々な種類が存在しますので、一般的なものをご紹介しましょう。

地盤改良検査

新築住宅を建てるときに、その地盤が住宅を建てるにふさわしいのかを確認すべく、地盤改良検査を行います。 地盤調査の報告書(地盤調査報告書)に基づいて、基礎工法や建物プランなどが検討されます。 日本は地盤が弱いところも多いため、地盤改良工事を要する住宅は少なくありません。 大きな災害によって住宅が傾いてしまったり、倒壊してしまう危険性があるため地盤調査は最も重要な検査の1つなのです。

基礎配筋検査

配筋検査は、住宅を支える基礎に埋め込む鉄筋が設計された通りに正しく配置されているかどうかを確認する検査になります。 基礎工事においてコンクリートを打ち込む前に「配筋図」に基づいて正しく配置されているかどうか、コンクリートを入れてからでは確認できませんので、事前に確認しておくことが必要不可欠です。

構造体検査

構造体検査とは、上棟完了後におこなわれる検査になります。建物の配置や、外形などについてチェックを行います。 また、構造体の寸法や材料、接合部分の耐震金具などが適切な部位に正しく取り付けられているかどうか、釘打ちの間隔やボルトの緩みや木材の乾き具合などについても確認します。

外壁防水検査

外壁は貼ってしまうと下地が見えなくなってしまうので、外装防水下地や開口部などの防水部分の施工状況について確認を行います。 防水テープやコーキングが適切に処理されているかどうか、シートの継目や屋根・土台・アルミサッシなどの配置状況などを確認し、防水施工が規定通りにできているかを確認します。

屋根防水検査

家屋は最も雨漏りしやすい場所です。雨漏りによって躯体が傷むことで建物の劣化が早くなってしまいます。そのため屋根防水の検査は非常に重要です。 下地の施工、防水施工の状況など細かくチェックが必要です。 雨漏りは経年劣化によってもたらさせるので、新築完成時には目視でわかるものはほとんどありませんが、施工段階でしっかりとチェックしておくことで雨漏りの発生を遅らせることにつながります。

断熱検査

住宅を快適に過ごすために断熱材は欠かせません。ただ断熱材が入っていればいいというわけではなく、断熱材が正しく敷かれているのかどうかが重要です。 断熱材と断熱材の間に隙間ができていたり、設計図通り断熱材が敷かれていなかったりするとトラブルの原因になりかねません。 それはすぐには分かりにくいので丁寧に検査を行う必要があるのです。 断熱材に隙間があることで、結露の原因になったり、カビの発生の原因にもなります。 そして断熱性能が下がることで住宅の快適性が保てなくもなります。

木完検査

大工工事が完成し、仕上げを行う前段階で行う検査のことを木完検査といいます。 高さや寸法の観点からも不備がないかなどを確認します。 造作の立て付けや図面通りの寸法になっているのかなど、仕上げ工事がスタートする前にしっかり確認してかなければなりません。 仕上げ工事がはじまると見えない箇所も多いので、重要な検査の1つといえます。

竣工検査

竣工検査は、当社の品質管理部門とお客様とが共同で行います。 建具の開閉がスムーズに行えるか、照明の位置や光の加減、設備機器の正しく稼働するかどうかなど、細かい部分までを一緒に確認していくことで、お施主様に安心して家づくりが完成していることを体感いただく重要な検査になります。 この検査でお施主様は、家づくりが完成していることを実感して喜んでいただける、とても嬉しい瞬間でもあります。

完了検査

住宅が完成したら、自然災害などのよほどのことがない限りは4日以内に完了検査の申請を行う必要があります。 地方自治体あるいは民間の指定確認検査機関などになりますが、一般的には建築を請負った工務店が代理で申請することが多いのです。 完了検査は申請を受けた日から7日以内に実施することが建築基準法で定められています。 検査済証を交付されるまでは原則として、建物の利用はできません。

なぜ施工検査を行うの?

施工検査の呼び方は会社ごとに違いがありますが、大まかな流れは同じです。 施工検査を行うことで、住宅建築における欠陥や不具合を未然に防ぐことにつながりますし、その結果、安心と安全を確実に提供できるという訳です。 一般的には3回程度の現場監査が行われるのですが、多いところでは社外監査を含めて約10回の施工監査を行なっている会社もあります。 多いと思われるかもしれませんが、家は建てて終わりではありません。 長期にわたり安心して住んで頂けるためには可能な限り、最大限のチェックを行うのが住宅会社の使命と言えるでしょう。

施工検査の内容について、ぜひお聞きください

最近はいつでも建築現場に見に来てくださいという建築会社様も多いですが、施主は建築のプロではありませんので、見ただけではそれが正しく施行されているのか判断がつきません。 したがって、住宅の引き渡しの際に書類で検査内容でしか住宅の状況は分からないのが現状です。 住宅は建てると50年、100年と引き継がれていく財産です。その大切な財産を守るためにも施工検査は重要だと考えます。 もし、家づくりを考え始めて工務店・ハウスメーカーを選ぶ際には、その住宅会社の施工検査の内容についても比較検討してみると良いかもしれませんね。 みなさんも展示場等にご相談に行かれる際には、そういう部分も含めて聞かれると良いでしょう。