新築一戸建ての選択肢には、建売住宅と注文住宅の2種類があります。建売住宅とは土地と建物がセットで販売されるスタイル。従来は「建売住宅=安いが質があまりよくない」というイメージもありました。
しかし最近では安かろう悪かろうの建売住宅ではなく、低価格でしかも高品質な建売住宅が販売されています。今回はなぜそのような建売住宅が建てられるのか、理由を考えてみましょう。
従来の建売住宅の「二極化」
①とにかく「安い」建売住宅
従来の建売住宅といえば「とにかく値段が安い」というイメージ。注文住宅に比べて低価格な分、建物の構造や住宅設備機器などランクダウンした商品が中心でした。どれも似たような外観で、素材感やつくりもどこか安っぽい印象です。住宅ローンの負担が小さいとはいえ、せっかく住宅を購入したのにあまり満足感は高くありません。
②安くはないが「高性能」な建売住宅
そんな建売住宅のイメージを払拭したのが、性能面を重視した建売住宅です。価格はそこまで安くないものの、外観や性能面を充実させて、注文住宅と遜色ないような住まいを実現しています。注文住宅のようにゼロから自由にプランを決めることはできませんが、どなたでも住みやすいよう熟練の設計士がしっかりと練ったプラン。もちろんおしゃれなだけでなく、断熱性や耐震性もばっちりです。
建売住宅の「二極化」がストップ!
①品質はさておき、とにかく安い建売住宅。②品質は高いけれど、価格はなかなか高い建売住宅。
あなたはどちらが良いでしょうか?
せっかく家を買うのですから、どちらか選ぶのではなく「安い・高品質」のどちらも叶えたいと思いませんか?そんな方に朗報です。
長年にわたって「安いが品質は低いor高性能だが価格は高い」の両極端だった建売住宅市場ですが、最近ではどちらも兼ね備えた建売住宅を提供する会社がでてきました。住宅性能は高めつつ、土地や材料の仕入れを工夫することで価格は抑えられている、いわば良いところどりの建売住宅です。
「安い」かつ「高性能」な建売住宅ができる理由
「安いor高性能」ではなく「安い&高性能」な建売住宅が提供できるのには、主に2つの理由があります。
理由1:土地を安く仕入れるしくみ
建売住宅の品質を落とさずに安い価格を提供する一つ目のポイントが、土地を安く手に入れることです。具体的な手法としては、不動産業者からではなく個人から土地を仕入れます。
不動産業者から仕入れた土地は良いものも多いのですが、流通物件のためどうしても金額が高くなってしまうもの。地主さんから直接土地を購入することで、不動産業者に入る手数料などを削減でき、土地の価格を安く抑えられるのです。
ただし地主さんから直接買う土地には、古家が建っていたり、造成が必要だったりと手間がかかります。土地を購入したあと家を建てられるような更地にしなければなりませんが、ここの対応をスピーディーにできる会社であるということが重要です。
また不動産業者を通さないため、自社で仕入れる土地を見極められる力も大切です。高品質な建売住宅を提供している会社では、災害への強さ、隣地の状況、学校、交通の利便性などを念入りに調査。最終的には仕入れ会議で「その土地を仕入れるべきか?」を判断しています。
理由2:高品質な建物をつくれる設計力
次に高品質な住宅を安定してつくれる高い設計力や技術力も肝になります。なかには自社に設計士やインテリアコーディネーターが在籍している会社も。土地の向きや形状をよく見極め、明るく風通しのよい家にできるよう設計。頑丈な構造、おしゃれな内装や設備を実現しています。
従来の建売住宅は耐震性や断熱性はあまりこだわっていない商品が多かったのですが、最近では注文住宅と同様の性能でつくっている会社も。たとえば耐震等級3で地震に強いつくりにしていたり、断熱と気密がしっかりとれる発泡ウレタン吹き付け断熱を採用していたりします。
また建物を建てる前に、土地の地盤調査を実施。耐震等級3に耐えられる地盤かどうか調査することで、土地にも長期の保証をつけられるので安心です。
まとめ
完成品を購入する建売住宅だからこそ、信頼できる会社から購入することが大切です。土地探し・設計・施工まで誠実に取り組んでいる会社であれば、低価格でも強くて使い勝手がよくおしゃれな住宅が叶えられますよ。
建売住宅は、基礎着工前に販売開始するのが基本です。そのため完成時にはすでに売れてしまっているケースもありますが、もし完成見学会が開かれている場合は見に行ってみるのがおすすめです。住宅の実物を見学できるので、購入後の暮らしがイメージしやすいでしょう。