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老後は「建て替え」か「リフォーム」か?選び方のポイントや注意点を解説

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子育て中と老後では、住まいに求められるものが異なるため、老後の暮らしを想定して選ぶことが大切です。

この記事では、「建て替え」と「リフォーム」の違いや決める際のポイントなどを解説します。

 

【目次】

・建て替えのメリット・デメリット

・リフォーム・リノベーションのメリット・デメリット

・建て替えの判断基準

・リフォーム・リノベーションの判断基準

 

◆建て替えのメリット・デメリット

建て替えとは、今ある家を解体して新たに家を建てることです。

 

【メリット】

家を新しく建てる建て替えは、間取りも設備も全て新しく設計し直せますので、老後の暮らしに合わせて自由に家を建てることができるという点が大きなメリットです。家を新しくすることで、子ども世代や孫世代にも残せたり、地盤に不安がある場合も、調査から改良工事までを確実に行えますので、将来的にも安心です。

 

【デメリット】

 

既存の家よりもコンパクトな家を建てるとしても、建て替えはリフォームより費用がかかるのが一般的です。建て替え工事中は仮住まいも必要になり、解体前の家財の処分費や2度の引越し、荷物の一時預かりなど、工事費とは別にさまざまな費用がかかります。

また、解体してからの新築工事になりますので、工事期間もリフォームより長くなります。住みながらのリフォームと比較すると、片づけや引越しなど、精神的・身体的にも負担がかかることが考えられます。

他にも、抵当権の再設定などの事務的な手間や土地の条件によって建て替えそのものができない場合もあります。

 

◆リフォーム・リノベーションのメリット・デメリット

リフォームやリノベーションは、既存の建物を残しつつ内外装などを新しくするものです。スケルトンといわれるような柱と基礎だけ残し、間取りも変更して断熱材やサッシも交換するような大規模リフォームから、水回りのみの交換や内装・外装の張り替えなど部分的なリフォームまで、目的や予算により手をかける工事範囲はさまざまです。

 

【メリット】

部分的な工事が多いリフォームは、建て替えに比べて費用を抑えられます。リフォームの規模によっては、住みながら工事が行えるため、仮住まいの費用や引っ越し費用も必要ありません。また、省エネ・バリアフリーなどのリフォームなら補助金の対象になる可能性もあります。

土地の条件によって建て替えができない「再建築不可物件」の場合は新築の建築はできませんが、リフォームやリノベーションなら対応できます。

愛着のある住宅を残したまま、快適な住環境にできるのはリフォーム・リノベーションならではの魅力です。

 

【デメリット】

リフォームの場合、建て替えよりも費用を抑えやすくなりますが、耐震性や断熱性を高めたり、大幅な間取り変更を行うなど、家の構造体にまで関わるようなリノベーションの場合は、建て替えと変わらない、もしくはそれ以上の費用が掛かることがあります。

また、建物の構造によっては希望通りの間取りにならない可能性があったり、部分的なリフォームの場合はリフォーム以外の箇所はそのまま劣化が進むといったデメリットがあります。

 

◆建て替えの判断基準

建て替えの場合は下記のようなものが判断基準となります。

 

◎30年程度住み続ける

建て替えでは建物の寿命が長くなるため、屋根の葺き替えや外壁補修など大規模なメンテナンスが近々に発生する心配はなくなります。これから30年程度は住む予定があれば、建て替えもよいでしょう。

 

◎子どもや孫世代が住み継ぐ

子どもや孫世代に住み継ぐ、または二世帯住宅にするという場合には、建て替えはおすすめです。住宅資金をお互いが負担するなど、資金面でもメリットがあります。

 

◎老後資金とは別に住宅資金が2,000万円程度用意できる

夫婦だけのコンパクトな家を建てるとしても、建て替えには2,000万円程度の費用がかかります。老後の生活費を差し引いても住宅資金としてこの費用を捻出できる場合は、老後の暮らしにもやさしい住宅仕様で建て替えをするのもおすすめです。

 

◎建物の老朽化により高額なリフォーム費用かかる

建物の老朽化が激しい場合、基礎、柱、梁だけ残し、ほぼ新築と同じように建築するスケルトンリフォームが必要になるケースがあります。スケルトンリフォームでは、基礎の補強が必要な場合もあり、建て替えと同程度の費用かかる場合もあります。

 

◆リフォーム・リノベーションの判断基準

リフォーム・リノベーションは老後の生活プランも考慮した計画を進めることが大切です。リフォームを選択する場合は下記のような判断基準があります。

 

◎費用を安く抑えたい

現在抱えている建物の不具合にもよりますが、予算に合わせた工事によって費用を抑えることができます。表面化している不具合がなければ、内部の水回りを交換したり、間取りや内装を変更したり部分的なリフォームが可能です。

 

◎基礎部分に心配がない

事前に基礎部分のチェックは必要ですが、建物の基礎部分がしっかりしている場合はリフォームで対応できます。

 

◎今の家に愛着がある

古くなったとはいえ、家族とともに大切に育んできた住まいに愛着を持っている方は多いでしょう。まるごと建て替えるのは寂しいという場合は、部分的なリフォームがおすすめです。

 

◎老後は施設で暮らしたい

将来は利便性の良い施設に入ることを検討している方は、費用を抑えられるリフォームがよいでしょう。
高齢者向けの施設は賃貸と同程度、またはそれ以上の費用になることも想定されます。リフォーム資金と老後の生活資金をしっかりシミュレーションして計画しましょう。

 

建て替えもリフォーム・リノベーションでも、将来を見据えた住まい計画が重要です。

老後の暮らし方を具体的にイメージして検討しましょう。