家を建てるためにはまず土地が必要ですが、希望に合った土地を見つけるのにはコツがあります。
この記事では、理想の土地を見つける方法と注意点を解説します。
◆土地を探す前に準備すること
まずしっかりと計画を立てる必要があります。
①エリアと予算を決める
注文住宅を建てたいエリアと、土地にかけられる予算を最初に決めておけば、効率良く理想の土地を探すことができます。
予算は土地にかかる費用だけでなく、注文住宅の建築費や手数料、税金なども考慮する必要があります。
②土地の基本知識を知る
土地によって建てられる建物の種類や面積、高さなどが法律で決まっています。基準となるのは下記の4つです。
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用途地域
計画的な市街地を形成するために、都市計画法に基づいて13のエリアが定められています。エリアごとに建てられる建物の種類や大きさなどに制限が設けられているため、家を建てたい土地がどのエリアにあるかは、住み心地や暮らしやすさなどにも影響します。
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建ぺい率
建ぺい率とは、建物の敷地面積に占める建築面積の割合です。敷地面積は建物を建てる土地の広さ、建築面積は建物を真上から見たときの面積を指します。
建物が密集して快適な住環境が損なわれないように、土地によって建てることができる面積の割合が建築基準法で定められています。
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容積率
容積率とは敷地面積に対する建物の延べ面積の割合です。延べ面積は、各階のフロア面積の合計です。容積率は2階建て以上の建物にも適用されるため、100%を超えるケースも少なくありません。
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斜線制限
斜線制限とは、道路境界線や隣地境界線からの距離に応じて、建築物の各部分の高さを制限することです。道路や隣地の採光、通風を確保するために設けられた規則・制限です。
◆土地のチェックポイント
理想の土地を見極めるチェックポイントをご紹介します。
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周辺環境
周辺環境は住みやすさに直結する重要なチェックポイントです。日常的な買い物ができるスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、病院、銀行、郵便局などを必ず現地でチェックします。子どもがいる場合は、小学校や中学校までの距離も忘れずに確認しましょう。
騒音・匂い・治安は、現地で体感して確認が必要です。
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面積・形状
土地の面積や形状によって、建てられる家の規模や間取りが変わります。正方形・長方形の整形地は、設計上の制約が少なく自由に建てられますが、価格が高く、すぐに売れてしまう可能性があります。三角や台形のほか、旗竿地などの不整形地は、間取りの工夫が必要ですが、日当たりが良い土地や価格が安い土地が見つかる可能性があります。
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高低差
高低差が激しい土地は、家を建てるために盛土工事や擁壁工事が必要になる場合があります。低い土地は大雨による浸水を防ぐために、道路と同じ高さにする盛土工事を行います。反対に高い土地は、崩れないように斜面を安定させる擁壁工事が必要です。
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境界線
隣地との境界線が曖昧な土地は、購入してから近隣住民とトラブルになることがあります。まずは登記簿の情報を確認し、次に確定測量図や境界標の有無を確認することが必要になります。境界が確定していない場合は、売主に境界確定測量を依頼しましょう。
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災害リスク
安全に暮らすためには、災害リスクについてもチェックしなければなりません。過去に起きた災害についてもチェックしましょう。市区町村の窓口やホームページで公開されているハザードマップを見れば、災害リスクを確認できます。
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道路
まず建物を建てる際は、建築基準法で定められた道路に2m以上接していなければなりません。前面道路の幅員が4m未満の場合は、建物をセットバックさせる必要があります。
また、私道に面している土地は、新築工事を行う際に近隣住民の許可が必要になる場合があるので注意が必要です。
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地盤
安全に建物を建てるためには地盤の強さも重要です。地盤の強さは地盤調査で確認できます。地盤が軟弱な場合は、地盤改良のために50~200万円前後の高額な費用がかかるため注意が必要です。
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インフラ
上下水道・ガス・電気のインフラが敷地内に引き込みされているかチェックします。インフラが整備されていない場合は、引き込み工事の費用負担が発生します。
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法規制
土地を購入して家を建てる場合は、建築基準法や都市計画法の制限を受けます。先述した用途地域、建ぺい率・容積率、斜線制限などを確認しましょう。
◆土地探しを成功させるポイント
短期間で土地探しを成功させるためには、下記のようなポイントがあります。
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理想の暮らしをイメージする
理想の暮らしや将来の家族構成、ライフスタイルをイメージして、それを実現できる土地を探すことが成功につながります。
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自分の目で現地を確かめる
実際に現地を見てみると、騒音や日当たりなど、物件概要には載っていないことまでわかります。曜日や時間帯、天候が変わると、雰囲気が変わる街もあるため、できれば複数回足を運んで現地調査するのがおすすめです。
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早めに決断する
希望をすべて満たしていなくても、70~80%満たしていれば良いと考えることも大切です。
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形状・方角の条件を緩和する
狭小地、旗竿地、北向きといった、あまり人気のない土地は、価格が抑えられるメリットがあります。
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建築条件付き土地・古家付き土地も含めて探す
更地が見つからない場合は、建築条件付き土地や古家付き土地も選択肢に入れてみるのもおすすめです。
事前準備とコツを押さえておくと、理想の土地を見つけやすくなります。
参考にしてみてくださいね。