自然素材

自然素材の家とは?メリット・デメリットもご紹介

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せっかく家を建てるなら自然素材を使った住まいにしたいと考えている方もいるでしょう。

この記事では、自然素材の家とはどんな家を指すのか、またメリットやデメリットもご紹介します。

 

 

◆自然素材の家とは

自然素材の家に明確な定義があるわけではありません。一般的には漆喰、珪藻土、天然リノリウム、無垢材、コルク材、セルロースファイバーなど、化学物質が含まれない素材を使って建てた家を指します。

多くの住宅では、集成材のフローリングやビニールクロスなどを使用しますが、一時期、こうした新建材から放出される微量の化学物質を毎日吸い込むことで、アレルギー反応や身体の不調などが症状として現れるシックハウス症候群が社会問題になりました。

自然素材の家にはシックハウス症候群やアレルギー症状を引き起こすとされる化学物質が含まれておらず、赤ちゃんから高齢者まで安全かつ健康に暮らせます。さらに自然素材ならではの触り心地や香りを楽しむことができます。

将来的に家を壊すことになっても、自然素材であれば焼却の際に有害な物質を出すことなく、自然に返すことができます。そのため、“エコな住宅”としても近年注目されています。

 

 

◆自然素材の家によく使用される素材の種類や特徴

自然素材の家でよく使用される素材として下記のようなものがあります。

 

【珪藻土】

珪藻土は、植物プランクトンの一種である珪藻の殻が海や湖の底にたまり、化石になったものです。珪藻の殻には無数の小さな穴が空いており、水や空気の吸収・放出を促すため、調湿性や断熱性、吸着性に優れた機能を発揮します。住宅では、壁材や床材、屋根材などに使用されます。

 

【漆喰】

漆喰は、消石灰を主原料とした壁材で、その元となる石灰石はサンゴ礁が長い時間をかけて変化したものです。漆喰は年月が経過するほど耐久性が増すため、耐久年数は約100年ともいわれています。

調湿効果に優れているため、漆喰の壁にすると夏場や梅雨時でも湿気を和らげます。また、不燃性の素材で耐火性に優れ、火災時にも有害なガスを出さない環境にやさしい素材です。

 

【無垢材】

無垢材とは、自然の木を切り出したままの状態で加工をしていない木材のことです。接着剤を使わずそのまま製材品として利用します。無垢材はフローリングに用いられることが多く、素足で木の温もりを感じられるため人気のある自然素材です。

 

【天然リノリウム】

リノリウムは、アマニ油や石灰岩、松やになどの天然素材を使用しています。主に床材として使われ、表面は滑らかで柔らかな質感で、自然素材らしい温かみを感じられます。

抗菌作用が高く環境にもやさしい素材であり、学校や病院など公共施設でも使用されている建材です。耐久性が高く燃えにくいため、安心して暮らせる家の素材として人気を集めています。

 

 

◆自然素材を使うメリット

自然素材の家には、どんなメリットがあるのでしょうか?

 

◎健康的な暮らしができる

今では、シックハウス症候群などの問題は少なくなっていますが、化学物質の少ない自然素材の家に住むことは、家族の健康にとっても大きなメリットです。また、室内の温度差が一定であるため、結露が出にくくカビやダニの発生を抑えられるため、家族全員で健康的な暮らしを実現できます。

 

◎耐火性がある

漆喰や珪藻土といった壁材は耐火性に優れており、万が一の火事の場合にも炎が燃え広がりにくく、延焼を防げます。

また、無垢材は接着剤を使っていないため、燃えた場合にも有害物質を発生させないメリットもあります。

 

◎機能性に優れている

自然素材には、素材によって蓄熱性や調湿性、消臭性など生活を快適にしてくれる機能が備わっています。例えば、無垢材には蓄熱性や調湿性があり、水分を吸収したり放出したりして室内の温度や湿度を一定に保つことができます。

珪藻土は消臭効果や抗菌効果があり、小さな子どもがいるご家族やペットを飼っている方も快適に暮らせます。

 

◎夏は涼しく冬は暖かい

無垢材や珪藻土には調湿効果があり、湿度の高い夏は湿気を吸収し、カラッとした空気に。肌に触れる無垢材の床や壁もさらっとした気持ちの良い肌触りです。

一方、湿度の低い冬は湿気を放出して、室内を適度な湿度に保ちます。自然素材の蓄熱効果によって、フローリングのように底冷えする寒さがなく、裸足で歩いてもほんのりとした温かさを感じることができます

 

 

◆自然素材の家のデメリット

一方で、自然素材を使った家づくりには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

 

  • コストがかかる

一般的に使われる集成材やビニールクロスなどの建材と比較して、材料費や工費が高くなる傾向にあります。家の予算をできる限り抑えて建てたいという方は、しっかりとした資金計画が必要です。

ただし、自然素材を標準的に使用した家づくりをしている工務店やハウスメーカーであれば、効率的な材料の調達や職人の手配ができるでしょう。

 

  • 劣化によるひび割れ・変形が目立ちやすい

漆喰や珪藻土の壁材はひび割れしやすく、職人の腕によって劣化しやすくなる場合があります。また、地震でひびが入ることも視野に入れなければなりません。

自然素材の家では、ひび割れや変形も視野に入れて検討しましょう。

 

  • 傷が生じやすい

無垢材は、傷がつきやすい素材です。小さな傷であれば自分で補修して目立たなくすることも可能です。経年劣化も自然素材ならではの味わいの1つとして楽しんでみるのも良いでしょう。

また、漆喰や珪藻土の壁材はマジックやペンの汚れを吸着してしまい、落とすことが困難です。自然素材の家に住む場合は、汚れや傷がつかないよう注意しましょう。

 

  • 定期的な手入れが必要

自然素材の家は建てた後も、定期的な手入れが必要です。天然木の素材は季節によって形が変化するため、長く住んでいると木材のひび割れや反りなどが発生することがあります。

 

 

ここでご紹介したように、自然素材の家は建材の影響を大きく受けるため、それぞれの特性やメリット・デメリットをよく理解した上で取り入れましょう。