外構工事とは、建物周囲の駐車場・カーポート・フェンス・デッキ・植栽などの工事のことです。家が顔だとすると、外構工事はその顔を飾る服のようなもの。着る服によって人の印象が変わるように、建物も外構工事によって印象が大きく変わります。また駐車場や庭をどのように計画にするかによって、住みやすさや使い勝手がぐんと良くなることもあります。
では、注文住宅を建てるにあたって、どのように外構工事を進めていけばよいのでしょうか。今回は外構工事で失敗しないためのポイントを3つお伝えします。
注文住宅の外構工事とは?
注文住宅における外構とは、玄関や庭など建物のまわりのことです。エクステリアと呼ばれることもあります。
たとえば駐車場と玄関の高低差がある敷地では、階段やスロープを設置しなければなりません。このときどんな動線で駐車場と玄関を結ぶのか、階段にするのかスロープにするのか、どのようなデザインの階段をつくるのかで、家のイメージはがらっと変わります。
また隣家や道路からの見通しがよい敷地では、フェンスや塀、植栽などを使った視線対策も考えたいところ。うまく植栽を加えると目隠しや紫外線対策になるだけでなく、外観が華やかなイメージにもなります。
外構計画では、屋外をどのように使いたいかを考えることも大切です。バーベキューをしたい、お子様やペットを遊ばせたい、読書をしながらくつろぎたい、趣味のDIYや車いじりを楽しみたいなど、ご家族によってさまざまな要望があるでしょう。理想の暮らし方に合わせて、ウッドデッキを設置したり、屋根付きの駐車スペースをつくったりと外構計画を立てていきます。
外構工事のポイント1:建物と同時進行で考える
新築時に外構工事をどこまでするべきかとお悩みの方も少なくないでしょう。「とりあえず建物を完成させて、駐車場や庭は住みながらゆっくり考えよう…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし特別な理由がないのであれば、外構の計画は後回しにせず、建物と同時に打ち合わせを進めたほうがよいでしょう。外構計画を後回しにすると、次のような問題が起きることもあります。
・建物と外構のバランスが悪くなってしまった
・建物にお金をかけすぎて、庭がチープな感じになってしまった
・住み始めるにあたって駐車場がなくて車が停められない
・植栽やフェンスがなくて、家の中が丸見えでくつろげない
・土が剥き出しなので風が強い日に土ほこりが舞ってしまう
建物と外構をいっしょに考えることで、予算オーバーを防ぎ、住まいの満足度をぐんとアップさせることにもつながります。また外構が完成した状態で住宅を引き渡されることで、新生活をストレスなくスタートできるでしょう。
外構工事のポイント2:パースで完成イメージを確認する
外構業者によっては、平面図や立面図のみで打ち合わせを進めることがあります。しかし平面図と立面図のみでは「フェンスの高さはどのくらい?」「建物と外構の色合いはバランスがとれている?」といったことをイメージするのはなかなか難しいです。完成してから色合いがちぐはぐだったり、想像していた外観と違っていたりすることもあるでしょう。
そんな失敗を防ぐためには、外構業者に平面図や立面図だけでなくパース図を作成してもらうのがおすすめ。立体的な絵としてわかりやすく、敷地全体の構図や形状、色のバランスなどをとらえることができます。
※平面図:上から見た図
立面図:横から見た図
パース:立体的に見た図
たとえばプランニングの途中で「外壁の色を黒→白に変更したい」といったご要望を出されるケースがあります。このときに黒と白両方の外観パースをつくってもらうと、外構を含めたトータルイメージでどちらの色が好みか選ぶことができます。
外構工事のポイント3:夜の雰囲気もイメージする
外構工事の打ち合わせでは、昼だけでなく夜の雰囲気も考えながら話を進めましょう。照明をバランスよく配置することで、安全性や防犯性が高まるだけでなく、暗い時間の建物の雰囲気がぐんとよくなります。
たとえば中庭にテーブルと椅子を置いてくつろげる空間をつくり、壁面や植栽をキレイにライトアップすると、南国リゾートのような高級感のある外まわりに。夜はお酒片手に中庭に出て、贅沢な時間をすごすことができます。
夜の外観も、パースを活用するとイメージしやすいです。家の夜間の雰囲気を大切にしたい方は、昼のパースだけでなく夜のパースも作成してもらうとよいでしょう。
まとめ
「家」というのは「建物」だけで成り立つものではありません。駐車場や庭、フェンスといった「外構」も大切な家の一部です。予算の都合もありますが、建物と外構を合わせて考えることで、住みやすく使い勝手のよい住まいが叶えられます。
住宅会社によっては、外構工事をあまり重視していない会社もあります。注文住宅を建てるなら、土地の提案から建物の設計、外構計画まで精通した住宅会社を選ぶとよいでしょう。