マイホームを建てるとき、「階段をどこに設置するか?」で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。リビング階段かホール階段かによって、その後の暮らし方が大きく変わってきます。
今回は、リビング階段とホール階段の違いやメリット・デメリットを紹介します。それぞれのメリットやデメリットを理解したうえで、自分たちにはどちらが合っているのか考えてみてください。
リビング階段とホール階段の違い
リビング階段:リビングにある階段
ホール階段:玄関ホールにある階段
大きな違いは「2階に上がるためにリビングを通る必要があるか?ないか?」です。
日本の住宅では子ども部屋を2階に配置することが多いため、2階に上がるのにリビングを通るかどうかで、子どもとの関わり方が大きく変化します。
ではここからは、リビング階段とホール階段のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
リビング階段のメリット
リビング階段のメリット1:家族が自然と顔を合わせる
リビング階段のある家では、2階に上がる時に必ずリビングを通ります。
外出時に「行ってらっしゃい」と声をかけたり、帰宅したときに「今日は何があった?」と会話したりと、家族間のコミュニケーションが生まれやすくなるでしょう。
また、リビングに階段があることで家族が階段の昇り降りを見守ることができます。子育てや介護がしやすくなるのも、リビング階段のメリットです。
リビング階段のメリット2:リビングが明るくなる
リビング階段を吹き抜けと合わせることで、明るくて開放的な空間を作ることができます。
高い位置に採光窓をつくると、太陽の光が差し込んでくるのでとても明るく気持ちのいいリビングになります。
さらに、縦の空間を感じることのできるリビング階段は、空間全体が広く感じられることもメリットといえるでしょう。
リビング階段のメリット3:階段下を有効活用できる
階段下の空間に、収納を設置したり書斎やキッズルームなどに活用したりと、リビングだからこその活用方法があります。
また、スケルトン階段にするなど、階段のデザインにこだわるのもおすすめ。リビングのアクセントとしておしゃれな空間をつくることができます。
リビング階段のデメリット
リビング階段のデメリット1:プライバシーが保ちにくい
お子様が小学生くらいになると、友達を自宅に呼ぶこともあるでしょう。
必ずリビングを通るということは生活スペースを通るということ。遊びに来た友達も家にいる家族も、お互いに気を使わなければなりません。
リビング階段のデメリット2:冷暖房効率が悪い
リビング階段は、1階と2階が階段でつながっているため、冷暖房効率は下がります。
家の断熱性能を上げる、吹き抜けにシーリングファンを設置して空気をかき混ぜるなどの対策をされるとよいでしょう。
リビング階段のデメリット3:匂いや音が広がりやすい
リビング階段は、匂いや音が2階に伝わりやすくなります。
1階のキッチンで料理をしている匂いが2階に届いてしまったり、話し声が2階まで聞こえてしまったりということが、リビング階段のデメリットとなります。
キッチンから離れた位置に階段を設置したり、換気がしっかりとできるシステムを導入したりといった工夫が必要です。
ホール階段のメリット
ホール階段のメリット1:プライバシーを保てる
ホール階段は玄関を入ってそのまま2階に上がる事ができるので、1階に来客がある時にお客さんと顔を合わせずに2階に上がることができます。
子どもの友達が家に遊びに来た時などに、生活スペースであるリビングを見られることもないので安心です。
ホール階段のメリット2:冷暖房効率が良い
ホール階段は、リビングと2階の空間が仕切られているので、冷暖房効率が良いのも大きなメリットです。
部屋が壁やドアなどで仕切られているので、必要以上に冷暖房を稼働する必要がなく、光熱費の節約にもつながります。
ホール階段のメリット3:匂いや音が広がりにくい
1階と2階が壁やドアで仕切られているため、匂いや音が2階に伝わりにくいのもメリット。
2階に気を使わず料理をしたり、会話をしたりすることができます。
ホール階段のデメリット
ホール階段のデメリット1:家族の顔が見えにくくなる
玄関を入ってすぐに2階に上がることができるホール階段は、コミュニケーション不足の原因になることもあります。
特に思春期のお子さんが居ると「食事以外でほとんど顔を合わせない」「ちょっとした変化に気づきにくい」など心配事が増えてしまうかも知れません。
ホール階段のデメリット2:階段が間取りを圧迫する
階段を設置するためには、それなりのスペースを確保する必要があります。
そのため、ホール階段を設置すると、居住スペースとして使用できる場所が少なくなってしまいます。
リビング階段とホール階段のいいとこ取りの間取り
リビング階段とホール階段には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
特に、家族間のコミュニケーションとプライバシー性は重要なポイント。どちらの良さも取り入れたいという方も多いでしょう。
そんな方におすすめなのが、リビングの入り口のすぐ近くに階段を設置する間取り。階段がリビングに入り込みすぎないのがポイントです。
これにより「2階に上がる家族の顔が見える」かつ「リビングに階段が干渉しすぎない」ので、家族のコミュニケーションとプライバシーを両立できます。
まとめ
階段をどこに設置するかは、2階建て住宅を建てるときに悩むポイントですよね。
リビング階段とホール階段、それぞれにメリットとデメリットがあります。
コミュニケーション性とプライバシー性をしっかりと確保しつつ、気密性や断熱性などで冷暖房効率を高めるなど、デメリットを補う方法は色々あります。
それぞれの特徴をしっかりと把握したうえで、自分たちにとって最適な間取りを考えてみましょう。