三階建て

3階建て住宅を建てるなら知っておきたい法規制

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3階建て住宅は、都市部でよく見られる狭小地をうまく活用するためには効果的ですが、知っておかなくてはならない法律や規制があります。どこでも3階建て住宅が建てられるわけではないのです。

この記事では、3階建て住宅を建てる際の法規制をご紹介します。

 

 

①用途地域

その地域の利用目的(用途)を定めたものが「用途地域」で、用途地域により、建てられる建物が制限されます。静かな場所だと思って土地を購入したにも関わらず、後から大きな工場やたくさんの遊戯施設・商業施設が建ってしまったらどうでしょうか?このような事態が起こらないよう「用途地域」が定められています。用途地域は用途別に13種類のエリアがあります。

 

静かな場所だと思って土地を購入したにも関わらず、後から大きな工場やたくさんの遊戯施設・商業施設が建ってしまったらどうでしょうか?このような事態が起こらないよう用途地域が定められています。

用途地域は、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分類されます。

【住居系】

・第一種低層住居専用地域

・第二種低層住居専用地域

・第一種中高層住居専用地域

・第二種中高層住居専用地域

・第一種住居地域

・第二種住居地域

・準住居地域

・田園住居地域

 

【商業系】

・近隣商業地域

・商業地域

 

【工業系】

・準工業地域

・工業地域

・工業専用地域

 

住居系8エリアのうち、第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域、田園住居地域は3階建て住宅を建てることは難しい場所ですが、その他の住居地域には3階建て住宅も建てられます。

3階建てを建設しやすいのは、商業系に指定されている地域です。日当たりのよさや眺望の良さを望むことは難しくなりますが、駅に近く、買い物に便利というメリットがあります。そのため、「環境よりも、利便性が大事」と考える人に向いています。

 

 

②斜線規制

高層の建築物をつくる際は、近隣の日照や通風を確保しなければなりません。そのために定められているのが斜線制限で、建物の高さに関する制限です。斜線制限は、建物の隣地境界線や前面道路の上部から一定の斜線を引き、その内側におさめるようにして建物を建てるルールとなっています。

「道路斜線規制」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」の3種あり、3階建てを建てるときには特に「北側斜線制限」に気を付ける必要があります。

「北側斜線制限」とは、隣地の日当たりや通風を確保するための制限です。まず、敷地北側の隣地境界線から垂直に5mか10mの線を引きます。そこから決められた角度で斜線を引いた内側に建物をおさめなければなりません。土地によっては、建物の上の方を斜めに削った形にしなければならないこともあります。

北側斜線制限は「第一種・第二種低層住居地域」「第一種・第二種中高層住居専用地域」が対象で、他の用途地域では適用されません。また、道路が北側にある場合は北側斜線制限に関して有利に働くこともあり、3階建て住宅での土地探しでは、道路との接し方も大切になってきます。

 

 

③建ぺい率と容積率

3階建て住宅に限った話ではありませんが、家づくりにおいて最も注意しておくべきものの1つが「建ぺい率」と「容積率」です。

 

◎建ぺい率

敷地面積に対する建築面積の割合を「建ぺい率」と言います。都市計画区域内では、用途地域の種類によって建ぺい率制限が設けられています。住宅を建てる場合には、建ぺい率の数値をその制限内に収める広さにしなければいけません。

 

建ぺい率の計算式は、

建ぺい率(%) = 建築面積 ÷ 敷地面積 ×100

 

たとえば100㎡の敷地で、建ぺい率50%の場合、建築面積の上限は50㎡となります。この制限は新築だけでなく、増築の場合も適用されます。

 

◎容積率

敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合を「容積率」と言います。都市計画によって決められた数値と、前面道路の幅員(横の長さ)との、いずれか小さいほうの数値が容積率の限度として適用されます。

 

容積率の計算式は、

容積率(%) = 容積対象面積 ÷ 敷地面積 × 100

 

たとえば100㎡の敷地で、建ぺい率50%、容積率80%の土地の場合は、延べ床面積の上限は80㎡となります。
3階建て住宅の場合は、この容積率が重要です。延べ床面積の上限が80㎡の場合、1階、2階、3階の延べ床面積の合計を、この上限の数値以内に収める必要があります。

1階の面積を建ぺい率上限までいっぱいにすると、2階と3階の面積は必然的に小さくなってしまいます。

 

 

④防火地域

地域によっては「防火地域」あるいは「準防火地域」の指定が行われています。

都市部は建物が密集しているので、火災時に火の手が周囲に広がらないよう、建物の構造や材料に制限が設けられています。これらの地域では、3階以上の建築物は防火に関する一定の基準に適合していなければ建てることができません。

 

 

このように、3階建て住宅を建てるためには、法律による様々な規制があります。

3階建ての設計や建築の経験が豊富で、安心できる会社選びをすると良いでしょう。