自分たちの希望を実現できる注文住宅はとても魅力的ですが、予算とどう折り合いをつけるかは多くの方が頭を悩ませるところではないでしょうか? 予算の決め方やポイントを理解しておくと、予算内で希望の家を建てやすくなります。
本コラムでは適切な予算の決め方やコストを抑えるコツなどをご紹介します!
◆注文住宅を建てるための費用にはどんなものがある?
注文住宅を建てるためには、主に「土地購入費」「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の4つの費用があります。
・土地購入費
注文住宅を建てるにあたって土地がない場合は、まず土地を探し購入するところから始めなければなりません。土地購入費は、立地や広さなどの条件によって大きく変わります。
不動産会社を通じて土地を購入する場合は、不動産会社への仲介手数料や印紙代、登録免許税が、また土地の購入後は、固定資産税などの税金が課されます。
すでに土地を所有している場合は、これらの費用はかかりませんが、土地の状態によっては地盤改良費や整備費などがかかることがあります。
・本体工事費
基礎や構造、屋根や壁、断熱材、電線の配線や水道管の配管、空調、各部屋の内装など、建物を建築するための費用のことです。建築費全体の70%以上をこの費用が占めます。
・付帯工事費
駐車場や庭、塀などの外構、水道管やガス管の引き込み費用、照明やエアコン、カーテンなどの購入・取り付け費用といった付帯工事にかかる費用のことで、建築費全体の15〜20%ほどを占めます。
地盤の強度やインフラの状況など、選んだ土地によって予想よりも多くの工事費用が発生する可能性もあります。付帯工事費がどのくらいかかるのか、見積もりの時点でしっかりと見極めることが大切です。
・諸費用
土地や建物の登記費用、工事請負契約や住宅ローン契約にかかる手数料、各種税金など、建物や建物まわりの建築工事以外にかかる費用のことです。諸費用は、建築費全体の5%〜7%を占めます。1つ1つは細々とした出費でも、合算すれば想定以上の出費になることもあるため、余裕を持った予算を設定しましょう。
◆適切な予算の決め方と手順
注文住宅を建てるためには、複数の項目に予算を割り振る必要があることが分かりました。では、予算をどう決めていったらいいのか、適切な予算の決め方を解説します。
【1】自己資金をいくら出せるかを確認する
最初に、家を建てるための自己資金をどの程度出せるのかを確認しましょう。自己資金は主に「住宅ローンの頭金」「住宅ローンの実行前に必要な費用の支払い」に使用します。
▶ 自己資金にカウントできるもの
・手元にある貯金
・親や親族からの援助(生前贈与)
・所有物件の売却金
子どもの教育費や介護費用といった将来必要な資金や、病気や災害などの緊急時のためにとっておきたい貯蓄を差し引いて、注文住宅の新築に使える自己資金の総額を把握します。残しておくべき貯蓄を安易に取り崩さないように注意しましょう。
次に、自己資金の中から住宅ローンの頭金として使える金額を割り出します。家の建築にかかる土地購入費用、工事費用は住宅ローンでまかなうことができますが、土地の売買契約、工事契約の手付金や諸費用、引越し費用は自己資金で支払うのがおすすめです。
【2】住宅ローンの借入可能額と月々の返済額を把握する
自己資金として出せる金額を把握したら、「住宅ローンはいくらぐらい借りられるか」「月々の返済額はいくらか」を確認しましょう。
一般的に返済に無理が生じない住宅ローンの年間返済金額は【年収の25%以内】と言われています。なお、住宅ローンには利息の支払いがあるため、総返済額は借入金額よりも高くなります。ゆとりのある返済計画を立てましょう。
【3】土地購入費と建築工事費の予算配分を考える
土地購入費と建築工事費は、4:6〜3:7の予算配分がおすすめです。土地代にお金をかけすぎて家の建築に十分なお金をかけられなかった、という失敗例は少なくありません。土地購入費と建築工事費のバランスを見ながら家づくりを進めるためには、土地探しと家づくりを並行して進めることがポイントです。
◆注文住宅を建てるためのコストを抑えるコツ
ここでは、注文住宅の費用を抑えるためのポイントをご紹介します。
・あらかじめ予算の内訳を決めておく
夢のマイホーム計画は、つい希望を詰め込みすぎてしまいがちです。過度な予算オーバーを防ぐために、細かい諸経費まであらかじめ費用に盛り込んでおくことが大切です。
・シンプルなデザインにする
デザインにこだわるほど使用する材料が多くなり費用が高額になる傾向にあります。まず、外観デザインはシンプルな四角・箱型がおすすめです。また内装は、壁や建具を少なくする、造り付けの家具を少なくする、といった工夫でコストダウンができます。
・水まわりを1箇所にまとめる
1階にバスやトイレ、2階にキッチンや洗面所というように水まわりを分散させると配管設備が複雑になり、コストが高くなります。水まわりはできるだけ1箇所にまとめることでコストダウンだけでなく、家事動線も良くなります。
・仕様や設備のグレードを下げる
家の性能を落とすと快適に生活できなくなってしまいます。しかしながら、システムキッチンや浴室、洗面といった設備機器は10年〜15年ほどで交換が必要です。最低限の機能性や耐久性は維持できるものを選ぶことは大前提ですが、不必要なこだわりは捨ててグレードを下げることも有効です。
まとめ
理想の家づくりのためには、ご自身が求める要素を明確にして、それを実現するための細かい費用までしっかり理解することが大切です。計画的な資金計画で、長く安心して暮らせる住まいを実現しましょう!