家を建てる際は、国や自治体によるさまざまな補助金や減税制度を利用することで、お得に建てられる可能性があります。
この記事では、新築一戸建てを建てる際に利用できる2024年度の補助金制度と減税制度を紹介します。
◆補助金①子育てエコホーム支援事業
子育て世代や若者夫婦世帯が省エネ性能を持つ住宅を建てることをサポートするための補助金制度で、2050年のカーボンニュートラルの実現を図ることを目的としています。
注文住宅を建築するときや新築分譲住宅を購入するとき、特定のエコリフォームを実施するときに適用されます。
なお、エコリフォームに関しては、子育て世帯・若者夫婦世帯に限らず、全世帯が対象となります。
【補助対象者】
・子育て世帯(18歳未満の子を有する世帯)
・若者夫婦世帯(夫婦いずれかが39歳以下の世帯)
【対象住宅と補助額】
長期優良住宅 100万円
ZEH住宅の新築 80万円
【申請方法・申請期間】
こちらの事業は2023年11月2日以降に基礎工事より後の工程の工事に着手する物件が対象になり、ハウスメーカーや事業者が申請を行います。
申請期間は予算上限に達するまで、もしくは2024年12月末までとなります。
◆補助金②給湯省エネ2024事業
給湯省エネ2024事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野に注目し、高効率の給湯器導入を支援する補助金事業です。
安定したエネルギー需給を維持しつつ温室効果ガスの排出量を削減することを目的としています。
【補助対象者】
戸建て住宅・共同住宅によらず、住宅に高効率給湯器を購入・設置する方
※新築注文住宅または新築分譲住宅、既存住宅のリフォームにおいては、高効率給湯器をリースする場合も給湯器の借主に対して補助金が支給されることがある。
【対象商品と補助額】
ヒートポンプ給湯器(エコキュート) 8万円/台(性能加算額 最大5万円/台)
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器) 10万円/台(性能加算額 最大5万円/台)
家庭用燃料電池(エネファーム) 18万円/台(性能加算額 最大2万円/台)
※戸建て住宅ではいずれか2台まで、共同住宅ではいずれか1台までが上限。
※性能によっては、1台あたり最大5万円が加算。
※高効率給湯器を導入するにあたり、電気蓄熱暖房機を撤去する場合は1台あたり10万円(最大2台)、電気温水器を撤去する場合は1台あたり5万円(補助金を受給する台数まで)を受給可能。
【申請方法・申請期間】
新築注文住宅の場合は建築事業者、新築分譲住宅と既存住宅購入の場合は販売事業者、既存住宅のリフォームの場合は施工業者、リース利用の場合はリース事業者が行います。
申請期間は予算上限に達するまで、もしくは2024年12月末までとなります。
◆補助金③戸建住宅ZEH化等支援事業
「ZEH」とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略語で、建物の断熱性能を高めて、高効率な設備を導入することによって消費するエネルギーを少なくすることで「省エネ」を実現するとともに、太陽光発電などの再生可能エネルギーを創り出す「創エネ」によって、エネルギー収支が正味ゼロになることを目指した住宅のことをいいます。
戸建住宅ZEH化等支援事業は、ZEH住宅の建築を奨励するための支援事業であり、2050年のカーボンニュートラルを達成することが目的とされています。
「ZEH」と「ZEH+」があり、それぞれ内容や補助金額が異なります。
【補助対象者】
登録されたZEHビルダーやハウスメーカー、工務店によって条件に合う居住用の新築住宅を建てた方
【対象住宅と補助額】
段階によって2つの事業に分かれており、満たしている要件により補助金額が変わります。
◎ZEH
一般的な住宅の要件を満たしている新築のZEH住宅
補助金額:55万円
◎ZEH+
ZEHより高性能なZEH+住宅であり、基準一次エネルギー消費量の25%以上削減できる住宅
かつ、以下より2つ以上を導入
①外皮性能のさらなる強化
②高度エネルギーマネジメント
③電気自動車の充電設備の導入
補助金額:100万円
また、断熱等性能等級6以上の外皮性能を有し、かつ設計一次エネルギー消費量(再生可能エネルギー等を除く)が基準一次エネルギー消費量から30%以上削減した住宅においては、ZEH+の選択要件に応じてハイグレード仕様補助金として25万円もしくは10万円の追加補助を受けられます。
さらに以下のようなシステムを導入した場合は、補助金の加算を受けられます。
・蓄電システム
・地中熱ヒートポンプ・システム
・PVTシステム
・液体集熱式太陽熱利用システム
【申請方法・申請期間】
申請・手続きは、ZEH住宅の建築を依頼するZEHビルダーやハウスメーカーが行います。
申請期間は予算上限に達するまで、もしくは2024年12月23日までとなります。
◆新築一戸建て住宅で利用できる減税制度
新築一戸建てを建てる際は、減税制度を利用することで大幅な節約ができます。
◎住宅ローン控除
住宅ローンを利用して新築住宅を購入した場合、所得税の減税が利用できます。2022年から2025年に入居を開始した人が適用され、住宅を購入した年から最長13年間が適用されます。
1年あたり最大35万円が控除され、確定申告時に手続きが必要です。
◎登録免許税の税率軽減
不動産登記手続きにより発生する登録免許税を軽減できる制度です。住宅の取得から1年以内の登記、かつ住宅の床面積が50平方メートル以上という要件を満たせば利用可能です。
◎不動産取得税の軽減
新築住宅購入時の不動産取得税も一定の要件を満たせば軽減されます。
注文住宅を購入した場合は、床面積50平方メートル以上240平方メートル以下であれば評価額が1,200万円軽減、長期優良住宅の場合、1,300万円の軽減になります。
国や自治体のさまざまな補助金・助成金を利用すればお得に注文住宅を建てることができます。