ほとんどの方にとって、家づくりというのは一生に一度。しかしよく「こんなはずではなかった」「なんだか思っていたのと違うな」と後悔している方の話を聞きますよね。みなさんたくさん打ち合わせをして、何度もプランを修正して「よし、完璧だ!」と思って建てているはずなのに、後悔がでてくるのはなぜなのでしょうか?
家づくりに失敗する理由として、間取りや内装、設備など細かい話もありますが、実は成功と失敗を左右する一番のポイントになるのがスタート地点。資金計画や住宅会社選びの段階でNG行動をしている方が多いのです。 今回は家づくりに失敗しやすいNG行動を5つご紹介します。これからマイホームを建てたいという方はぜひお役立てください。
NG行動➀「住宅ローンで借りられる額=予算」はダメ!
まず1つ目は、お金に関することです。ほとんどの方が住宅ローンを組まれるかと思いますが、「銀行から借りられる額=予算」としてしまうのは失敗のもとです。 たとえば住宅会社へいって最初に「銀行に3,000万円くらい借りられると言われたので、予算は3,000万円で考えています」と伝えてしまう方は多くいらっしゃいます。しかし借りられる額をスタート地点にしてしまうと、将来的にローンの返済が厳しくなることが多いので気を付けましょう。
では予算はどのように決めたらよいのでしょうか?まず考えるのは「借りられる金額」ではなく「返せる金額」です。毎月無理なく返済していける金額から逆算して借入額を決めると、資金計画での失敗はぐんと減りますよ。 家を建てたあとも、お子さんの教育費やマイカーの購入費、その他急な出費がたくさんでてくるはずです。住宅ローンの返済だけでギリギリにならないよう、ゆとりある返済金額を冷静に見積りましょう。
NG行動②「坪単価で住宅会社を決める」はダメ!
2つ目は、坪単価で住宅会社を決めないということです。家づくりを考え始めたとき、やはり最初に気になるのは金額のところですよね。ハウスメーカーのチラシやパンフレットを見ると、坪単価や本体価格というのが目につくかと思います。 しかし費用の安い高いというのを、坪単価や本体価格だけで判断してしまうのは失敗のもと。ローコストで家が建つと思っていたのに、最終的には思っていたのとまったく違う金額になってしまった…なんてことにもなりかねません。
なぜ坪単価や本体価格だけで判断してはいけないかというと、住宅価格の表示方法には明確なルールがないから。同じ本体価格2,000万円と表示されていても、住宅会社ごとに「どこまで含まれている金額なのか?」は違ってくるのです。会社によって標準仕様や性能も違うため、そこまでしっかり把握して資金計画を立てることが大切になってきます。
NG行動③「住宅性能を無視する」はダメ!
3つ目は、住宅性能を無視してはいけないということです。実際にこれが原因で失敗する方はとても多く、あるアンケートによると「住宅の不満のトップ3」は「暑い・寒い・結露」と室内環境に関することばかりになっています。 日本は世界の国々と比べて、住まいの温熱環境に対する意識がかなり低い国だといわれています。
しかし住まいの温熱環境は快適性だけでなく、健康にも大きく関わってくる大切なものです。たとえばアレルギーや喘息、睡眠不足、ストレス、ヒートショックなど、住環境が予防のカギになってくる病気はたくさんあります。 これからマイホームを建築される方は、室内環境についてしっかり考えることをおすすめします。たとえば窓の性能や断熱材気密性など、建築前に見極めてくださいね。
NG行動④「住宅の完成形だけで判断する」はダメ!
4つ目は、完成住宅だけを見て判断しないということです。家づくりを考え始めたとき、おそらく最初に資料請求をしたり、完成見学会を見に行ったりする方が多いかと思います。しかし完成した住宅だけを見て「よし、この会社に任せよう!」と判断されるのは非常に危険です。 理由としては、完成した住宅は「できたばかりの家」なので、当然「快適で丈夫な家」に見えてしまうからです。しかし実際に快適な住まいかどうか判断するポイントは、壁の中にあります。
住宅会社を決めるときには「どんな柱を使っているのか?」「家を支える基礎は大丈夫か?」「耐震の構造はどうなっているのか?」「断熱材は何を使っていて、きちんと施工されているのか?」などもしっかりと見極めることが大切です。 こういった壁の中まで確認するには、施工中の現場を見学にいくのがおすすめ。いつでも現場を案内できる会社=自社の施工に自信がある会社ともいえます。ぜひ担当者に「施工中の現場は見せてもらえますか?」と聞いてみてくださいね。
NG行動⑤「たくさんの住宅会社に相談する」はダメ!
最後の5つ目は、たくさんの住宅会社で相談しすぎないということです。住宅会社を決めるのはとても難しいことなので、たくさんの会社をまわって勉強したくなりますよね。 一見よいことのようにも思えますが、実はこれが落とし穴。相談する会社が多くなればなるほど、「何がいいのか?悪いのか?」「そもそも自分たちはどんな家に住みたかったのか?」がどんどんわからなくなってきてしまいます。
今はインターネットでも手軽に情報収集ができますので、その気になれば何十社と見てまわることもできるはずです。しかしそれぞれの会社とじっくりした打ち合わせができず、労力だけがかかって何も決められないことが多いのです。 そこでおすすめしたいのが、興味をもった住宅会社を3つまでに絞って相談するということです。しっかり絞り込んでから相談することで、それぞれの会社とじっくり打ち合わせができます。よい提案が受けられ、納得がいくまで比較検討できるでしょう。
まとめ
今回は家づくりを進めるうえで「これをしたら失敗につながる」というダメな行動を5つご紹介しました。家づくりのスタート地点で失敗をしてしまうと、せっかく憧れだったマイホームを建てたのに、住めば住むほど不満がたまることになりかねません。 後悔が残る住まいづくりにならないためにも、今回ご紹介した5つの行動には気を付けてくださいね。みなさんの家づくりが成功されることを祈っています。