家の建て替えを行う際は、工事中の仮住まいについても考えておく必要があります。
この記事では、仮住まいの目安期間や選び方のポイント、手続きなどについて解説します。
◆建て替えで仮住まいが必要な期間
まず、仮住まいの全体的なスケジュールを把握することが大切です。建築会社探しから新居完成までの目安がおおよそ1年と言われており、工事開始から新居への引越しが約5~8か月です。工事の規模にもよりますが、仮住まいには約5~8か月住むのが一般的です。
余裕を持った仮住まい探しを行うためには、仮住まい先に入居する2か月ほど前から物件を探し始め、1か月半~1か月くらい前を目安に絞りこんでいくのが良いでしょう。 物件のおおよそのエリアが定まったら、仮住まいへの引越し会社も決めていきましょう。
工期+1か月程度の余裕をもった賃貸期間を設定することをおすすめします。
◆仮住まいを選ぶ際のポイント
仮住まいの選択肢には、ホテル、ウィークリー・マンスリーマンション、賃貸住宅、親族の家などがあります。期間や予算をあらかじめ決めたうえで、条件に合う場所を選びましょう。
また、これまで住んでいた賃貸の契約を途中解約する場合には、「解約予告期間」までに解約の申し入れをする必要があります。解約時期によっては1ヶ月分の家賃を支払う場合や物件によっては違約金が発生することもありますので、契約の時点で解約予告期間や退去日、違約金についても事前に確認しておきましょう。
①期間に応じて、できるだけ安い仮住まいを選ぶ
費用を抑えるために、敷金・礼金などの初期費用がかからない物件や家具・家電付きの物件を探すという方法もあります。余計な引越しや家具の購入が不要になります。
②利便性や住環境を考慮する
立地や住みやすさなどの利便性、子どもがいる場合は学区も仮住まいを探すときのポイントです。仮住まいといっても、約半年~1年は住むことになり、その間にも仕事や学校はあります。駅やバス停から近い、周辺の店舗といった立地面も考慮しておく必要があります。
③期間限定の住まいだと割り切って選ぶ
快適さや便利さを重視したくなりますが、短期間だと希望の物件を探すのは難しい場合もあります。仮住まいを探す際には解体工事の着工日というリミットがあるため、一時的に滞在する場所だと割り切り、妥協することも大切です。
◆仮住まいと引越しにおいて必要な手続き
仮住まいで生活するにあたり、さまざまな手続きが必要です。
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水道・光熱費の利用停止
水道、ガス、電気などの利用停止の手続きを行わないと基本料金を払い続けることになります。しかし、工事によって水道や電気を使用する場合もあるので事前に確認しておきましょう。
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役所での手続き
住民票は仮住まい期間が1年未満であれば、移す必要はありません。ただし、医療費の助成や児童手当の申請は住民票のある市区町村での手続きが必要です。 また、図書館などの福祉サービスも住民票のある市区町村でしか受けることできません。
また小中学生の子どもがおり、仮住まいに伴って小学校区や中学校区が変更となる場合は、これまでの学校への通学が認められるかについても確認しておきましょう。
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郵便物の転送
郵便局に転送届けを提出すると、仮住まいに郵便物が届くようになります。ただし、銀行やクレジットカード会社などから届く一部の郵便物は転送不要とされており、転送届を出していても転送されないものもあるため、注意が必要です。
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衛星放送やケーブルテレビの利用停止
仮住まいでサービスを利用するかを検討し、移設や停止、またはサービスの休止を決定しましょう。
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電話に関する手続き
仮住まい先で電話を利用する場合は「移転(電話のお引越し)」手続きが必要です。利用しない場合は「一時中断」の手続きを行います。どちらもネットでの手続きが可能です。
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インターネット回線に関する手続き
インターネット回線は移転手続きが可能な場合も多いので、利用プロバイダに確認してみましょう。
◆仮住まいと引越しの費用
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仮住まい費用
仮住まいに関する費用としては、賃貸期間分の家賃のほか、敷金や礼金、契約時の仲介手数料、住宅保険料、退去時の原状回復費用が必要です。賃料が一括前払いとなる場合もあるため、仮住まいにかかる費用は事前に準備しておきましょう。
敷金や礼金はそれぞれ家賃の1~2ヶ月分程度となっていますが、敷金においてはペットとともに入居する場合は+1ヵ月分の上乗せすることを求められる場合があります。
仲介手数料は賃料の1か月分が相場で、住宅保険料は年間で1万円前後となります。
原状回復の費用については、まず敷金から差し引かれ、不足分があれば請求されます。
また、仮住まいの賃貸物件に荷物が入りきらずトランクルームを借りることとなればその費用もかかります。
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引越し費用
引越しは建て替えやリフォームであれば往復の引越し費用、住み替えであれば旧居から仮住まいと仮住まいから新居への2回分の引越し費用がかかります。 トランクルームを利用する場合は、仮住まい先のほかにトランクルームとの往復費用もかかります。
仮住まい専門の引越し会社では、トランクルームレンタルがセットになったプランが用意されていることも多いため、仮住まい専門の引越し会社を検討するのもおすすめです。
仮住まいといえども、物件探しや引越し準備、引越後の手続きなど、やるべきことはたくさんあります。
信頼できる施工会社に相談しながら計画的に進めましょう。