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床材に無垢フローリングを選ぶメリット・デメリット

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みなさんは床材と聞いて、どういうものを思い浮かべますか?フローリングやタイル、畳、コンクリートなどさまざまな床材がありますよね。それぞれ用途によって使い分けられており、見た目や手触り、メンテナンス方法などが変わってきます。

 

今回ご紹介するのは、床材のなかでも人気の高い「無垢フローリング」です。どのような良さや注意点があるのか解説していきますので、住宅の床材選びの参考にされてください。

 

無垢フローリングとは?

床材として使われるフローリングは「無垢材・集成材」という二種類に大きく分けられます。それぞれ次のような違いがあります。

 

無垢材:丸太から切り出した、自然な状態の木材

集成材:薄く伸ばした木などを貼り合わせてブロック状にした、人工的な木材

 

集成材は品質が安定していて、大工の腕によって大きく差がでません。使い勝手が良く安価なので、建売住宅やマンションのフローリングには集成材がよく使われています。

無垢フローリングのメリット

自然素材にこだわりたい方、木の美しい風合いを楽しみたい方には、無垢材が人気です。

特にフローリングは肌に直接触れる部分なので、無垢ならではの気持ちよい質感を存分に感じられますよ。無垢フローリングのメリットは、次の4つです。

 

【メリット1】表情豊か

無垢材はやはり自然のものなので、品質にばらつきはでます。しかし逆にいうと、切り出した部分によって豊かな表情を見せられるのが良さです。同じ木目のものは存在せず、オンリーワンの床材になります。

 

【メリット2】木ならではの素材感

無垢フローリングの上を素足で歩くと、ほどよく柔らかさがあって気持ちが良いです。どのくらい気持ちがいいかは、実際に無垢材と集成材それぞれのフローリングを触ったり歩いたりしていただくとわかるかと思います。お部屋に入ったときほんのり木の香りも感じられて、リラックス効果もありますよ。

 

【メリット3】湿度を調整する

天然の木材ならではの機能として「湿気を吸ったり吐いたりする」という性質があります。夏や雨の日などジメジメしている時には、無垢材が湿気を吸収。約に冬の乾燥した日には、無垢材が水分を空気中に放出します。夏に足の裏が汗でベタベタするというようなことも少なく、サラッとした心地いい肌ごこちになります。

 

【メリット4】断熱性が高い

集成材でできたフローリングは、冬になるとどうしても冷えてしまうもの。冷え性なので何枚も靴下をはいているという方も多いのではないでしょうか。冷たい空気というのは下に降りていく性質があるので、床というのはどうしても寒い日には冷えてしまうんです。

 

しかし無垢フローリングを敷いた家だと、床のひやっとした冷たさが軽減されます。なぜかというと、無垢材が空気をたっぷりと含んでいるから。空気が断熱層の代わりとなり、冷たさが伝わりにくくなっています。逆にいうと、夏は暑さを感じにくいということでもあります。

無垢フローリングのデメリット

たくさんの魅力がある無垢フローリングですが、もちろんデメリットも存在します。家のフローリングを無垢材にしようかなと考えている方は、ぜひ以下の注意点も知っておいてくださいね。

【デメリット1】水に弱い

無垢材の表面には、オイルやウレタンなどで塗装して使われます。しかしいくら塗装を施しているとはいえ、水に弱いという性質はぬぐい切れません。水を含むと膨張して、木材が反ったりすき間が空いたりしてしまうこともあります。

 

そのため無垢フローリングに水をこぼしてしまったような場合には、すぐにふき取ることが大切です。濡れたままにするとシミになったり、菌が繁殖しやすくなったりすることもあるので注意してくださいね。

 

基本的にはお掃除の際にも水拭きはNG。掃除機やから拭きで対応し、もし水拭きしたい場合も硬く絞った雑巾にしましょう。

 

【デメリット2】傷がつきやすい

無垢フローリングは自然な木材なので、集成材に比べると傷がとてもつきやすいです。例えばスギなど柔らかい樹種であれば、物を落としただけで凹みがついてしまうことも。ペットを飼っているご家庭では、爪などで傷が入ってしまう可能性もあります。

 

ただし無垢材だと傷や汚れも、経年変化による味わいの一つだと考えることもできます。集成材であれば「古くなる=劣化」ですが、無垢材の場合は「古くなる=味わい深さ」ととらえられるのです。

 

もし傷や汚れをキレイに戻したいという場合も、無垢材であればご自身で補修できる可能性があります。先ほどお話したように「水分によって膨張⇔収縮する」という特徴を活用するという方法です。

 

【デメリット3】熱や乾燥に弱い

また無垢材には、熱に弱いというデメリットもあります。空気中の湿度が高ければ膨張し、乾燥していると縮むからです。

 

やはり床暖房やカーペットを使われる場合は、注意が必要です。熱によって極端に乾燥すると、木材が割れてしまうこともあります。

 

しかし怖がりすぎる必要はありません。たしかに無垢材は湿度変化によって伸び縮みしますが、それで反ったり割れたりすき間があいたりしないよう、木の動きも考えて施工していきます。また新築からすぐは動きも多いですが、それも段々と落ち着いていくので安心してくださいね。

無垢フローリングで人気の樹種

ここまで無垢フローリングのメリット・デメリットを紹介してきました。一口で無垢材といっても、さまざまな樹種があって、それぞれ特徴が変わってきます。ここからは住宅のフローリングとして人気の樹種の特徴をご紹介していきましょう。

 

オーク

オークは「虎斑」とよばれる迫力ある木目が特徴の樹種です。硬さがあるので、無垢フローリングとして使っても傷が入りにくいのがメリット。家具との相性もよく、万能に使える床材です。

 

アカシア

オークに比べると、少し色が濃くなったような樹種です。茶色に白色の模様が入った濃淡が美しいですよね。特にフローリングのように広い面積に並べると、マーブル模様がでて濃淡が楽しめます。個性的な空間をつくりたいという方にもおすすめです。

 

ブラックウォールナット

世界三大銘木の一つといわれるウォールナット。紫色を帯びた深い暗褐色で、木目も美しい樹種です。

 

チーク

チークも世界三大銘木の一つ。赤身を帯びた茶色が特徴で、ツヤがあってとてもきれいです。色ムラが少なく、落ち着いた表情に。昔は船にも使われていた素材で、耐水性もあります。

 

 

無垢フローリングの風合いを楽しむ暮らし

他にもさまざまな木材があるので、お好きな樹種を見つけてみてくださいね。床材に無垢フローリングを選ぶときには、無垢ならではの性質やお手入れ方法をよく知っていただくと良いかと思います。

 

無垢材というのは、その木材に合わせたお手入れをすることで、長く使っていただける素材です。家族といっしょに成長する無垢材の風合いを楽しみながら暮らしていくというのもいいのではないでしょうか。