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平屋のメリット・デメリットは?

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平屋というと高齢になってからも暮らしやすいというイメージが大きいかもしれませんが、最近はワンフロアでのびのびと暮らしたいという若い世代にも人気です。

今回は平屋を建てる前に知っておきたいメリット・デメリットについて解説します。

暮らし方はもちろん、資金計画や土地探しにも関わってくるので、ぜひ知っておいてくださいね。

 

平屋のメリット

平屋のメリットといえば、ワンフロアでの暮らしやすさを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

実はそれだけでなく、間取りや構造を考えるうえでもさまざまなメリットがあります。

【メリット1】1階の間取りを自由に考えられる

平屋では「1階⇔2階」という垂直方向の移動がありません。

そのため階段の位置や2階の配置を気にすることなく、1階部分の間取りを自由に考えられます。

 

■階段の位置

2階建てで意外と悩むのが、どこに階段を配置するのかという問題です。「間取りの余った部分に階段をつくれば良いや」と安易に決めてしまうと、動線が悪くなったり、廊下が無駄に長くなったりする可能性も。

平屋であれば階段の位置に左右されることなく、1階の間取りを決められます。

 

■1階と2階の配置

2階建てでは、1階と2階の間取りを重ね合わせて「どの部屋の下にどの部屋がくるのか?」「水まわりの配管はどこと接しているのか?」といったことを考える必要があります。

 

例えば客間の上が子供部屋だと、お子さんの足音が響くかもしれません。寝室と浴室・洗面所が上下に重なっていると、シャワーや洗濯機の音が眠りを妨げるかもしれませんよね。

平屋であればそういった上下階での配慮がいらず、間取りを比較的自由に決めることができます。

【メリット2】階段スペースを有効活用できる

2階建て以上にするには、当然ですが階段スペースが必要です。当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、階段スペースはワンフロアにつき約2畳分と、意外と面積をとるものです。仮に30坪程度の2階建ての家を建てるとしたら、面積の6%くらいを階段が占めることになります。

階段の面積を小さくすると、勾配が急で危険な階段に。階段下をトイレや物置、デスクなどのスペースとして活用することもできますが、天井は低かったりして使いづらい場合もあります。平屋であれば、このような悩みはありません。

【メリット3】子供からお年寄りまで安心して暮らせる

階段の昇り降りは、年をとって足腰が弱くなると辛くなってくるもの。体に負担がかかるだけでなく、万が一転倒すれば大ケガにつながるかもしれません。2階建てにされても、高齢になると基本的に1階のみで暮らしているという方は多いものです。平屋であれば暮らしがワンフロアで完結するので、将来的にも安心して生活できます。

 

また平屋は子育て世代にもおすすめの間取り。階段から落下する危険がなく、家事をしながらお子さんに目が行き届きやすいという安心感もあります。子供部屋がLDKと同じフロアにあるので、お子さんが自室で勉強したり、ひとりでベッドに入ったりするときの不安も少ないのではないでしょうか。

【メリット4】掃除がラク

平屋の大きなメリットとして「掃除がラクになった」というお声がよく聞かれます。重たい掃除機を持って1階から2階へと移動する労力や、階段自体を掃除する手間が省けるからです。

 

また最近はルンバなどのお掃除ロボットを使われる方も多いかと思います。お掃除ロボットを最大限活用するには、段差が少ないことが大切。平屋で段差を最小限にしておけば、お掃除ロボットで一気にワンフロアの掃除が済みますよ。

【メリット5】地震に強く安定性のある家に

平屋は重心が低くどっしりとしており、地震にも強いつくりです。建物は高ければ高いほど、地震が起きたときに揺れやすくなるからです。2階部分を支える必要がない分、構造体への負担もかなり少なくなります。

 

また地震や火事が起きたときの「逃げやすさ」というのも重要なポイントに。マンションの高層階だと、エレベータ―が止まってしまえば逃げ遅れるリスクが高まりますよね。その点、平屋であれば玄関や窓からすぐに逃げることができます。

【メリット6】外壁・屋根のメンテナンス費用が安い

平屋だと外壁や屋根のメンテナンスのとき、高所作業用にかかる足場代が少なくて済むという意外なメリットも。外壁や屋根はおよそ10年ごとにメンテナンスが必要で、1回につき100万円単位の費用がかかります。このうち足場代は20%前後を占めるので、費用を抑えられるのはうれしいですよね。

平屋のデメリット

さまざまなメリットのある平屋ですが、一方でデメリットもあります。双方知ったうえで、平屋にするのか2階建てにするのか決めることをおすすめします。

【デメリット1】土地の広さが一定以上必要

平屋にすると、単純計算で2階建ての2倍の土地の広さが必要です。都市部ではなかなか広い敷地が見つからなかったり、土地代を抑えるために立地をあきらめたりすることもあるでしょう。

 

またこのとき 「建ぺい率(敷地に対して建てられる家の割合)」も合わせて考えなければなりません。例えば平屋で30坪の家を建てたい場合、建ぺい率50%なら必要な土地の広さは60坪以上。仮に建ぺい率30%なら、100坪以上とかなり広い土地が必要になります。

平屋か2階建てか決めるときには、土地探しといっしょに考えたほうが良いでしょう。

【デメリット2】工事費用が高くなる

平屋にすると、同じ規模の2階建てより1~2割コストアップすることが多いといわれています。なぜなら同じ床面積の2階建てと比べると、平屋は基礎・屋根の面積が2倍になるからです。

ただし2階のトイレや洗面台が必要ないので、その分の費用はカットできます。基礎や屋根の面積や、仕様する設備や建材によっても費用は変わってきます。

【デメリット3】日当たりの悪い空間ができやすい

平屋では空間が横に広がる分、真ん中のスペースの日当たりが悪くなるのもデメリット。建物をコの字型にして中庭をつくる、日当たりの悪い部分にトイレやお風呂などの水回りをもってくるなど、採光・通風の工夫が必要となります。

【デメリット4】プライバシーが確保しにくい

寝室などプライベートな空間が1階にくるため、隣家や道路から丸見えにならないような配慮も必要です。高い位置や中庭側の窓から光を取り入れる、外に塀やフェンスをつくって視線をシャットアウトするなど工夫すると、プライバシーを確保できます。

 

まとめ

平屋のメリット 平屋のデメリット
  • ・1階の間取りの自由度が高い
  • ・階段分の面積を有効活用できる
  • ・子供、お年寄りにも危険が少ない
  • ・掃除が楽
  • ・地震に強い構造になる
  • ・外壁、屋根のメンテナンス費用が安い

 

  • ・土地の広さが必要
  • ・工事費用が高め
  • ・日当たりの悪い空間ができやすい
  • ・プライバシーが確保しにくい

 

平屋が合うかどうかは、敷地条件やご予算、ご家族の理想の暮らし方などによってさまざまです。メリットとデメリットをしっかり考えたうえで、平屋にするのか2階建てにするのか決めましょう。