自然素材

木の家を建てたい!メリット・デメリットと失敗しないためのポイント

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天然の木材を使用した木の家には、見た目の美しさや木の温もりとともに、機能や性質の面でも優れた魅力があります。ただし、木の家で失敗しないためにはデメリットも理解することが大切です。

この記事では、木の家のメリットとデメリットや失敗しない家づくりのポイントを解説します。

 

【目次】

・木の家の特徴と主に使用される木材

・木の家のメリット

・木の家のデメリット

 

◆木の家の特徴と主に使用される木材

四季のある日本では、季節のうつろいをより感じることができる木の家が古来より親しまれてきました。特に、木をそのまま切り出した、天然の材である「無垢材」を使用した家は、接着剤などの化学物質が極めて少なく、自然にも身体にもよい住まいです。

 

木の家でよく使用される木材は主に下記の5つがあります。使用される木材によって見た目や性質が異なります。

 

■スギ:乾燥が早く、加工がしやすいため幅広く使われます。梁や桁といった構造部によく用いられます。

■ヒノキ:耐久性の高さと木目の美しさが魅力。消臭・抗菌効果もあります。数が少なく価格が高いため、柱などの目立つ部位に使用されるのが一般的です。

■ケヤキ:丈夫で木目が美しく、重厚な質感が特徴です。大黒柱として用いられることが多いです。

■ブナ:堅さとしなやかさがあり、曲がった加工がしやすいのが特徴です。きめ細かな木目も魅力で、家具などにも使われます。

■ウォルナット:艶があり、高級感があります。衝撃に強く加工がしやすいため、フローリングや家具などにも使われます。

 

◆木の家のメリット

 

①調湿効果がある

木材には調湿効果があり、室内の温度を一定に保つために、水分を吸収したり放出したりする働きがあります。室内の空気が湿っていれば吸収して湿度を下げて、空気が乾いていれば放出して室内の湿度を上げるため、夏はさらっと快適に、冬は乾燥した空気を和らげます。そのため、室内の結露が発生しにくく、カビやダニの発生を防ぐ効果があります。

また、調湿性が高いと湿気によって傷みやすい畳の劣化を防ぐこともできるので、和室を取り入れようとしている方には特におすすめとなっています。

 

②断熱性が高い

木は鉄筋やコンクリートなどの素材と比べて、熱を伝えにくい性質があります。そのため、家全体の断熱性を高めることができます。

また、特に本物の木をそのまま使用する無垢材には、まわりの温かい空気が含まれているため、接着剤などで張りあわされたフローリングと比べて足下が冷えにくいといった特徴もあります。

そのため、冬場は足下が冷えがちですが、無垢材であれば冷たさを軽減してくれるので、裸足でも快適に過ごすことができます。

 

③吸音性がある

木の種類によって差はありますが、鉄骨やコンクリートと比べて無垢材は弾力性を持ち合わせているので比較的音の反響がしにくい素材となっています。

楽器の演奏などで発生する音はさすがに限度がありますが、生活音程度のレベルであれば反響を防いでくれるので、小さなお子様がいらっしゃるような家庭でも近隣への音漏れを軽減してくれます。

また、弾力性があることによって吸音性だけでなく衝撃吸収性も優れているので、足への負担を最小限に抑え、調理中など立ちっぱなしの時でも脚が疲れにくい住宅を作ることができます。そのため木の家は小さなお子様や高齢の方がいらっしゃる場合は特におすすめです。

 

④あたたかみやリラックス効果がある

木の家は、森林浴と同じリラックス効果をもたらすといわれています。この効果は、木材に含まれる「フィトンチッド」という気分を落ち着かせてくれる成分が、人々に癒やしをもたらすとされるためです。そのため、木を使った家であれば、家の中にいながらまるで森の中にいるかのような安心感と安らぎを得ることができるのです。

また、香りだけでなく木目というデザイン自体も建物の雰囲気を良くしてくれる効果があるので、視覚と嗅覚の2つの感覚からリラックス効果を感じることができます。

 

◆木の家のデメリット

 

①品質にばらつきが出やすい

木の家は天然の木材を使用するので山から切り出したままでは素材の品質が安定しません。加えて、高い調湿性能を持つ木材は、湿気を吸収・放出するたびに膨らんだり縮んだりしながら変形していきます。この性質を把握したうえで設計を行わなければ、木に割れや反り、隙が出てくる可能性があります。

そのため、木材の性質に合わせて設計・施工する技術が必要です。木の家を建てる際には、実績のある施工会社に頼むなど、施工会社を慎重に選びましょう。

 

②コストがかかる

木の家は自然素材を使用する分、集成材や新建材を多用するローコスト住宅と比べてコストがかかります。ローコスト住宅のように量産性が高く安価な集成材や新建材を使用すればコストは抑えられますが、自然素材にこだわって集成材より高い無垢材を使用すると自然と費用も高くなります。

 また無垢材は集成材に比べて品質にばらつきが出やすいので、施工に手間がかかることも考えられます。そのため、手間がかかった分だけ施工費も高くなりコストがかかってしまうでしょう。

 

 

木の家は日本の気候風土にもよく合い、古くから親しまれてきていますが、メリットやデメリットをよく理解しておくことも大切です。

家づくりを検討されている方は、参考にしてみてくださいね。